面白さの追求

僕、沖縄出身で、中学の頃から24くらいまでバンドやってて。

今はどうか知らないけど、当時沖縄ってめっちゃインディーズバンドいて。
高校生〜おっさんまで皆んな対バンしてみたいな感じだったんだけど、その分クソみたいなバンドもいっぱいいて。

みんな一緒なんだよね。活動の仕方が。
ジャンルや曲は違うんだけど、スタジオ入って、対バンライブして、自主企画ライブして、物販作って終わり。

普通の活動なんで別にそれはいいんだけど、
ただ、どれを取っても捻りがない。
SEもステージングもMCも。まぁ曲も。
全然面白くなくて自分はそんなん思われたくないなーと思って客視点で常に面白くなることを考えてた。

モチロンイケてるバンドもかっこいいバンドも面白いバンドもいたんだけど、クソみたいなバンドの方がはるかにたくさんいた。

で、高校生ながらに集客と次に繋がる仕掛けを一生懸命考えてた。自分の音楽に対する逃げでもあるんだけど、音楽の良し悪し問わず、イベント企画や物販販売、活動の仕方は工夫次第だと思ってたからイベンターとしてそこで勝負をしかけてた。

高校生だったから使える金もコネも全然ないんだけど、そこそこ頑張ってたと思う。

例えば単に集客したいときは初ライブ高校生バンドは絶対ブッキングしてた。
初ライブ高校生バンドは普段ライブハウスに来ないような友達を絶対呼んでくれるから。
ただしイケてないやつは友達も少ないし連れてきた友達もライブっていう遊びにハマんないからダメで。
常にライブやったことないわりかし友達多そうなバンドの情報を収拾してた。
そして学年や学校がなるべく被らないように。
この前出たバンドの友達だとなかなかご新規は連れて来ないからね。

で。とは別に高校生じゃない普通にガンガンやってる最高にかっこいいバンド、ステージングがとにかくうまいバンドも一緒にブッキングした。
ご新規様にライブにハマってもらわないと意味ないから。
※当時高校生イベントとか死ぬほどあったけどコピーバンドばっかり、オリジナルも曲のクオリティ低いわで、何が面白いんこのイベント?って思ってたから高校生イベントは殆どやらなかった。

出演順も大事で、徹底的に客目線で考えた。
スタート時間や対バン数にもよるけど、初ライブだろうがなんだろうが、客持ってきてるバンドが3番目、4番目。
客が高校生だから、帰る時間をちゃんと意識したタイムスケジュールにして、直前にはステージングが強いバンド、後にもかっこいいバンド、キャッチーなバンドを配置。
当時の沖縄の高校生はバス移動が基本だったから、バスの時刻表まで全部調べて作戦立ててた。

ってことやってたから集客は結構うまくいってた。帰り時間に合わせて、帰る人に次のライブのフライヤー配りまくってたし、
初ライブバンドには、終わった後、熱いお礼メール送って次のライブに友達連れてきてもらったりとかしてた。
※暇さえあれば違う学校の校門前とか国際通りとかでライブのフライヤー配りまくって連絡先聞いて無理やり拡散とかもしてたけど、集客は初ライブ高校生バンドが1番効率良かった。

あとは、チケットの値段設定もターゲットに合わせて設定したし、フライヤーも少し金かけていい紙で作って差別化したり、自分たちで印刷したり切ったりとか大変だから印刷屋に頼んで増刷しまくったりとかそこはアウトソーシングしてた。

とかそういうことを16歳の時にやりまくってて案外1年半くらいはうまくいってたんだけど、高校生の中で熱いものが、バンドからダンスとかヒップホップとかそういう流れになってライブハウスイベントもそういうのがめっちゃ増えて、いけてるやつはバンドやらなくなっていった。

とはいえ、こういうことやってたからバンドとしてそこそこ集客はできたんだけど、イベントとしてはイマイチ盛り上がりにかけるシーンになっていて、昔みたいにお客さんも暴れたり盛り上がったりがすごいイベントにしたいなーと思ってた時に、思いつきでやったのが痩せ自慢大会(笑)

ライブハウスに体重計置いて、ライブ前と後で1番体重減った人に賞金あげて、参加賞で全員に汗拭きタオル配布したりっていうイベント。
バンドマン受けは良かった(笑)

後は色々やったけど、サイリウムブレスレットを入場時に配ったり、ライブハウス全部風船にしたり、ビジュアル的にスゲってなるようなこととか仕掛けてた。
お菓子まき散らしたりとか、とにかく思いつく限り色んなことした。

まぁこんな取り組みは同じ中学の先輩の影響も大きい。その人はやっぱ他の人とは違う面白い人で、ライブハウスのオーナーにレコーディングも金も出させて、高校生オムニバスCDとか企画したりしてた。それに参加させてもらえたので16の時すぐCD作れたりもしてありがたかったし、イベントの作り方とか考え方も勉強になった。色んな人も紹介してもらった。

そうこうしてるうちにバンドメンバーそれぞへモチベーションがばらばらになって高3の秋くらいに一回バンドは解散。

大学入って音楽サークルに入ったんだけど、サークルではバンド組む気はなくて、先輩とかOBが面白かったから、毎日飲み会に参加するって感じで2年くらいちゃんとバンドはやってなかった。

でその後、昔のバンド繋がりでまたバンド組んでまたこの世界に戻った。

ライブはとにかく熱量で勝負した。まじみんな殺すくらいの熱量で。そしてとにかく数をこなす。もう何十何百っていう客は持ってないし、だったらとにかく人目に触れるしかない。なんのイベントに出ても熱量で喰えると思ってたから、ほんとにライブ断らないしどこでも行くし、月に7、8本のライブしてた。

物販にもめちゃめちゃこだわった。
バンドの物販って有名なバンドでも、Tシャツもステッカーも全然いらねー。っていうデザインはざらにある。

当時マキシマムザホルモンにかなり影響を受けてたので、普通に欲しいTシャツ、ステッカーじゃないと意味ないな。と。
大物バンドのTシャツさえいらんと思うのに、地元インディーズバンドのTシャツがショボかったら余計誰も買わん。
グラフィックな感じと色とデザインにこだわった。
バンド知らんでも普通にTシャツ欲しいーってなるように。
あとはOPP袋にちゃんといれたりとかまぁちゃんと買った感を演出してた。

1年くらいガッツリ活動したら、結構いいイベントにも呼んでもらえたりするようになった。

その他、活動方針として待ちの姿勢は面白くないので、3ヶ月に一回主催ライブをすることにして、メンバー3人で主担当を順々に変えて行く。っていうイベント。
自分が主担当の時は県外大物バンドにTwitterでオファーだしまくったり、とりあえずすげーイベントになるようなアクションをとりまくってた。

あと、毎回ライブの動画撮ってYouTubeにあげてた。
インディーズバンドって気に入ったバンドいても音源なかったり、動画なかったりが多くてコンテンツに触れにくいし、人に紹介しずらい。
※今はみんなやってるかもしれないが

何より自分が宣伝する時に、
YouTubeで検索したらめちゃめちゃ出るから、よろ!っていうと早い。
スマホで十分だからガンガンやってた。

他のバンドへの反発の行動も多かった。
全然盛り上がってないのに、MCで次のライブ告知ばっかするバンドがいて、
「こんな状況でライブ告知しても絶対誰も来ないよ。それよりは何か客を惹きつける面白い事言えばいいのに。」って思ってたから、自分のMCではあえて「ライブ告知はしない。知りたい人は勝手にググればいい。未来の話はどうでもいい。いまを楽しんでくれ。」って言ってた。
で、最後の曲の後、そのまま機材片付けもせず、ステージから客席にとんで、物販コーナーに走ってって、ライブハウス全部に聞こえるくらいの大声でライブ告知したり物販販売したりした。それで十分だった。※片付けは他のメンバーに任せた。ごめん。

ていう、相手の出方見てどんな空気感か、何がスベって何が受けてるかを観察しながら後出しジャンケン的にささるように行動してたんだと思う。気づいてなかったけど。

ということで、今はサラリーマンしてますが、面白さの追求は大事。
面白くないなーという事を探して逆の行動をすると案外みんなついてきたりする。
正解かどうかはわからないけど、だいたい面白い方が何でも勝つ気がする。

※後日読みやすいようにリライトし直します。


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