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布のことを知るのはご飯を食べることと同じ

私は名古屋のことがあまり好きではないと思っていた。内輪ノリの感じも自分たちのダサさを認めない感じもあまり好きではなかった。もういっそのこと「赤味噌県民です!!」と開き直って伊勢丹も定着しない土地柄をみんなで笑い飛ばせれば大阪のようになれるのに、と思っていた。

でもいざ離れてみると、自分の国が愛おしくかわいいものだなあと思えるようになってきた。名古屋駅のタカシマヤに行きたいし、リトルワールドやドンキホーテに塗り替えられてしまったアピタが恋しい。

多分これがホームシックというやつなんだ。10代や20代前半の頃に離れていたらきっと耐えられなかった気がする。今はつらいと思うことを更に自分でつらく追い込むことをしなくなったのでまだ大丈夫。

八王子は東京都下と言いながらもなんだかんだ東京だなあと思う。

でもこちらでも布の現場は楽しく熱い気持ちになる。布に向き合い続けている方のお話はどんな方でも楽しく面白い。お互いの布を通してコミュニケーションがとれることが何よりも喜びだな。

布のことを知っていくのはご飯を食べるようなことと同じで、自分の体に栄養が満ちていくかのよう。どんな場所でもどんな糸を使っていてもどんな機械で作っていても、その人が自分の命を少しずつ織り込んでいくような布はどれもきらきらしていて眩しい。生きた布だ。

八王子はきっと産地と呼べるギリギリのラインなんだろうな、と思う。いずれこんな状態がどこの産地でも来るだろう。その時が来ないように、もし来てもどうにか産地を維持していけることはなんなのだろうと日々考えます。


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