手記 (16歳 冬)

前髪を切った。

さっぱりして外に出ると、とてつもなく寒い、とてもとても寒い

コンビニでから揚げを買ったけれどすぐに冷めてしまった

バスは早めに来てくれて、乗り込むがまだ寒い

待ち時間を経てようやくドアが閉まって。

あったかい、あったかい、ありがたい

スーパーの前で降り、

今日のお昼と明日のお弁当の材料を買う。

今の時間は主婦や小さい子供しかいないから、私は少し浮いている。

が、それが少し優越感。

ウキウキした気持ち

で外に出たら、今度は少し暖かく感じる。

むず痒い言葉で言うときっと「心」があったかい。


一昨日降った雪はまだたくさん残っていて、公園にはまだ踏まれていない真っ白な雪が。その白さに惹かれて公園に足を踏み入れる。

いっぱい踏みしめる。

寒さを気にしていたのがウソみたいに、靴の中に入った雪も気にしない。冷たいけど。


帰りは、夏にも歩いたあの道を通る。あの人がふとよぎったけれど、それ以上思い出すのはやめた。

あの道が今、この道で。

あの時と全く違う真っ白に近い気持ちでこう歩いているなんて。季節とともに私の心も巡ったのね。

ほんのり嬉しい。

今日のご飯、明日のお弁当のことなんて考えて

生活の波に飲まれるのも心地よい。

こうやって毎日生きているのは夢への妥協なんかじゃなくて、

私は生活の満足度によって幸福を規定する人間であったことの証明だ。

今はそれが不思議と悔しくなんてない。

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