星に願いを
早いもので、次男ヨシスケの爆誕と共に始まったこちらの育児記録も、ヨシスケが既に2歳ちょっとなので、つうことは、この記録も2年ちょっとやっている。
年若い弟妹がいると、兄姉は軽視されがちなのも。「ならば、この身が持つ限りは、長男に注力して甘やかしてみせる」と個人的に胸に誓ったヨシタロウは、2歳半から4歳になり、年明けには5歳になる。
この2年強、ずっと甘やかししている。
なので私がいると、いまだ何もできない。
「パパたべさせてぇん」だし、「パパだっこしてぇん」だし、「パパトイレつれてってぇん」だ。
むしろスーパーなどで「ポケモングミ、2こかってぇん」と1人で2つのオヤツを要求してくるあたり、悪化している。いまだ、現役バリバリでベビーカーに乗っているし、寝る時はオムツをしている。ほぼ赤ちゃんだと思っているが、赤ちゃんだね、と指摘すると尋常でなくキレる。
どうなのか。
4歳。ベビーカーの耐荷重を超えているし、ベビーカー側にはっきりと「36ヶ月まで」、つまり3歳になった時点までと明記されている。
どうなのか。
もう、5歳になるのに。
ということで数ヶ月前から「さすがに5歳になったらベビーカーに乗れない」「警察に逮捕される」と言い続けている。私も妻も真顔で言っているので、ヨシタロウもそういうものなんだろうと信じてきている。ついでに、「いつまでも一緒に寝れるわけではない」「大人になったら別々に寝る」「というか別々に暮らす」と言うようなことも真顔で説明し続けた。
私はずっと何食わぬ顔して説明している。私から見るとヨシタロウは何かに怯えたような静かなリアクションで、効果がよく分からないのだが、妻によると「アレは効いている」「かなりダメージ受けてる」らしい。
そうしてある日、さあ寝るぞというタイミングで、唐突にヨシタロウが号泣した。
「うあああああ」
「えっ、どうしたの?」
肩でひくひく呼吸して、泣きすぎて文章にならない。きれぎれな単語を拾っていくとこうである。
・大きくなったら仮面ライダーギーツになるのは辞める
・大人になりたくない
・パパとママとずっと一緒に寝たい
・というお願いを「流れ星にしよう」と思う
私は、えっ?流れ星?誰にそんなメルヘン仕込まれたの?とウケてしまったが、最近妻はヨシタロウに毎日激怒しすぎて嫌われているのではと危惧していたので、「ずっと一緒に寝たい」というヨシタロウにいたく感動して、抱きしめていた。なんか、感動な感じで、その1日は終わった。めでたしめでたし。
その後、また平日が始まり嘘みたいなスケジュールをこなしていたところ、妻から「星が見えることで有名な山のホテルを年末年始で予約した」と連絡がきた。
えっ。
マジで流れ星チャレンジするの?
あの話、マジなの?
納得がいかねぇ、とぼやきながらそのホテルに振り込みはした。そこまでするのか。
ああ。
流れ星を見られて、ヨシタロウの願いが叶えば良いと心の底から思う。
流れ星が見られないで、ヨシタロウの願いが有耶無耶になればいいと心から願う。
ヨシタロウに永遠の4歳でいて欲しい。いい加減1人である程度できて欲しい。矛盾しているが、本音だ。私も星に願ってみよう。
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