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HSS/HSPの私に傷メイクをされた人は心に痛みを感じるのか。

私は傷メイクアップアーティストです。
正確には傷メイクアップアーティストもしています。

誰かに長期的に習ったわけでもなく、15年以上前に独学で始めたものです。
飛び込みで映画のお仕事も多数頂いておりますが、規制されるバイオレンスな画像ばかりになるので規制されていないものを。

ハリウッド映画ザ・マミーの日本上映前のプロモーションで沢山のミイラを作りました。
この依頼が来たときはミイラの制作を依頼されたのですが、従来の黒っぽいミイラの試作品を自身の身体にメイクにして写真におこして提出してもNGが出てばかりでした。
依頼元からキャスティング会社に依頼がありそこから相談を受けました。
キャスティング会社も映画の全貌がわかっていなかったので、キャスティング会社に簡単なヒアリングをしてまだ発表されてなかった上映日程予定(夏頃)やプロモーション期間、ストーリーからこの映画と推測しすぐに白パターンで制作。
予想が的中し審査も通り渋谷の駅前プロモーションの特殊メイクをさせていただくことになりました。

特性として会話の中で自分の持ってる情報と他人の求めている情報がリンクしやすいという部分があり、何度か質問していくことで相手が知っている情報と理解していることのズレを見つけてること、その結果から考えをつつなげるのが得意なタイプです。
マミーのときは相手の情報を言葉で聞き出し相手の言葉に自信のある力強い部分だけ取り出し、確定してる大まかなスケジュールとホラー以外もすべての海外のミイラ映画をB級までも掘り下げて検索し過去の日本上映の有無を確認して導き出しました。
試作品作るよりも時間は短かったです…

こんな感じで私は瞬時の判断はとても苦手なのですが、マイナスの相手の感情を見分けるのが得意です。影響を少なからず受けてしまう、悪く言えば引きずられるからです。
アートでは目の前にいる人の痛み、悲しい感情、怒りや不安を色や音に落とし込むのを得意としています。
その部分の共感力だけが異様に高く疲れる前にアウトプットしています。

傷メイクでは肌に載せる色一つからその人の痛覚を探ったりしています。
色を肌にのせて、そこに関しての反応で次の色のパターンを決めます。
例えば、女性なら打ち身は日頃から比較的よく目にしている怪我ですがそれに対応する一番薄い色を肌にのせてその人が求める色合いを決めていきます。
私は中二病なので勝手に心の痛みの具現化と思っていて目で見えることで後で消すこともできる自己肯定のお手伝いができると信じています。
おかげさまでリピーター様も多く、言いたくても様々な理由で言葉で言えない感情を確認してもらいながら施します。
それに気づいたのが、「しんどくても泣けなかったのに、メイクを見て辛かったんだと認識して泣いてしまって…」と言われたこと。
自分が誰かの心の介抱ができることに気づけたことに感謝しています。

長年続けていますが、元々は箱庭療法的に自分に絵を描いてみて行き場の無い自分を表現する事をしてみようと始めたのがきっかけです。
リストカットなどがメディアでも取り上げられていた時にこれもHSPで感情をもらってしまって「痛いの嫌い、心配かけるの面倒くさい、傷跡が残るのが無理、お風呂入れなくなると嫌」と追い詰められていたにも関わらず変に冷静で(今考えると人の感情をもらっただけかも)それなら書いてみようと。
その延長線でやっているのでいわゆるハロウィンの赤いだけのものや、海外の映画の血の量でごまかしているものや、陰影はあるけどそれは肌用のパテで作っただけのものとは違うと思っています。
もしここの文を読んでカチンときたら私は映画や舞台用の商業傷ではなく、気持ち的にはホスピタリティベースでやっているのでクライアントの要求が違うことを伝えたい。
商業で頼まれたときもしっかり作りますが、車の免許がないので血の噴射の機械をもっていないのと、マスク系は作っていないなどがあります。
しかしながらその場での特殊メイクは傷の大きさにもよりますが要望を聞きながら30分以内と早いです。
タトゥーシールや出来上がってる立体を貼り付けアレンジするではなくその人の話を聞きながらカスタマイズしてるものになります。
そのためめちゃくちゃ疲れが出やすいのでイベントの際に並んでくれてる人に気づけないこととかあるかもしれません。
泣きたいくらいしんどいけど泣けない、しんどいけど言葉にできない、そういう方々に目に見える具現化のお手伝いができたらと思います。
恥ずかしいことにお客様と一緒に泣いたこともあります。
無理しなくていいよという心のストッパーになってくれたらとあつかましくも思います。
もしお役に立てるなら嬉しいのでお声掛けください。

目に見えるサポートで続けられることがあります。 過去を思い出したりする記事はとても厳しい事が多いのでサポートくださるとそのぶんケアにまわせます。 ありがとうございます。