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アメリカ旅4

真夜中ににおっちゃんが起こしてくれた。

お守りを持って家の外に出たら、空はまだ夜が明ける前の紫色をしてた。

2人で何にもないオールドオライビの村の中を崖のほうに歩いていく。

かなり広めの間隔で建ってるホピの小さい家を何棟か通り過ぎて行く途中、地面の上に拳サイズの石10個ぐらいで円を作って、その中に花とかなんかの種が入ったデコみたいなのが目に入った。

崖の際まで来て、しばらくして朝焼けが起こって、おっちゃんにクリスタルを手渡したころ向こうの地平線から赤い生々しい光が上がってきた。

おっちゃんはなんかぶつぶつ言って朝日にお辞儀してから、手に持った粉をおれのクリスタルとおっちゃんのクリスタルに振りかけてからおれのを手渡してくれた。

これはコーンの粉だって粉を渡されて、おんなじようにお辞儀して粉を振りかけるように言われて言われた通りにやった。

キラキラした眼で、これでこのクリスタルは君のことを守ってくれるよって言ってくれて、心がほわーって広がるような感じがした。

家に帰ってから青とうもろこしで作ったパンと、野菜と白とうもろこし(芋みたいな食感で味は豆)が入ったシチューを作ってくれて2人で食べた。

色々お世話になってるし、なんかお礼したいってゆったら薪割りして欲しいって言って斧を手渡された。

グネグネに曲がった木の癖を見極めたり見極めれんかったりして、2時間ぐらいひたすら薪と格闘してたら遠くのほう(ってゆっても一応隣の家の距離)で、近所に住む他のホピのおっちゃん2人がこっちを見てるのに気がついた。

お辞儀をしてまたしばらく薪に向き合ってから後ろを見たら、さっきよりだいぶ近くに寄って来て、こっちを見ながら話してたからシャイなんかな?って思って近寄って話しかけてみることにした。

そのおっちゃんら(50歳と60歳ぐらい)はお世話になってるずんぐりしたホピおっちゃんと違って、だいぶ人見知りで目がくすんでるように感じた。

2人とも手に、手彫りのカチナドール(精霊の人形)を何個か持ってて、これを売ってもいいって言ってきたけど断った。

家に戻ってそのことを話したら彼らは親戚だよ。僕以外のホピも君を招待することがあると思うけど、話の流れでお酒を薦められた場合は絶対に断りなさい。って強い感じで言われた。

なんでか聞いてみると、もともとホピにはアルコール文化がなくて、アメリカ政府がホピを懐柔しようとして色んなものを流してくる中の最大の毒が酒なんだよって。

酒がないとこにいきなり入ってくると、丁度良いところで今日はこの辺でって出来んくて最後まで飲んでわけわからんくなって、喧嘩になって殺人事件が起こるのが多発してて、旅行者はすぐに巻き添えを喰らう。

さらに100年ぐらい前にアメリカ政府と戦争になったときから、護身用だったり戦うために銃を持ってる人が多くて、それを使われることもあるし、死んでもアメリカ政府が介入してこないからそのままになるよって。

ホピの崇高なスピリットも酒は簡単に汚してくる。創造主とか大精霊との約束で、便利も快楽も本来ホピが最も避けなければいけない道なのにって、複雑そうな顔で教えてくれた。

高校のときホピを知ったとき、ホピで伝えられてきた色んな伝説とか、考え方、生き方を知ってホピに興味を持ったことを思い出した。

もっと知りたい俺と伝えたいおっちゃんの想いがハマった感じで、ホピのことをいっぱい教えてもらった。

夜になってもう寝ようかってなってトイレ(大)に行きたくなった。おっちゃんにゆったら、おいおいまじかよ。みたいな顔をされて、いやうんこぐらいさせてよ。みたいなことを言ったら、

トイレは村の真ん中のほうにしかなくて、真っ暗な中トイレに行くしかないけど、今日は夜に外に出無い方がいい日だから、どうしてもいきたいなら、絶対に道を間違えずに誰にも見られないように行って欲しいって言われた。

どうしても行きたいって言って道を教えてもらってトイレに向かうとき、これから長旅にでる息子を見送る親ぐらい心配そうな表情でトイレに行くのを見送ってくれた。
そこまでゆうなら付いてきてよって思ったけど言えんかった。

トイレから無事に帰ってきたら、おっちゃんは寒いのに俺がトイレから戻るのを家の前で待ってくれてて、無事に戻れたことを喜んでくれた。多分信じてるものとか、肌で感じれるスピリチュアル的なものが違いすぎて、おれには分からん世界観なんやろなって思った。

しばらくおっちゃんと一緒に外で星を眺めてたら(いや、外におらん方がいいんじゃないんかい!って思ったけど、おっちゃんのことやからこれはいいんやろうって一人で突っ込んでから納得した。)一つの星のことを教えてくれた。

それはクラウドスターって呼ばれてて、インスピレーションを与えてくれる星だから毎日あの星を見て感じて祈ればいいよって。後から調べて知ったけど、その星は日本でゆうスバル、外国でゆうプレアデスのことやった。

見つけ方はオリオン座の四隅のうちの一つの延長線上に赤い星があって、その先に7個ぐらいの小さい星が集まって雲みたいに見えるものがそれ。

これからの旅の安全といい出会いがあるように手を合わせて、しばらくおっちゃんと星空を見てから寝た。

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