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ナイトメア・アリー 目に嬉しく暗示に富む ”フォークテイル”

私は20代ですが、サイドショーや見世物への憧憬があり、関連本や写真集を収集しています。デルトロについては、勝手に、 ”ディズニファイされたティムバートンぽい” という印象を持っており食わず嫌いしていました。なので今回のナイトメア・アリーが初めて見た作品になります。

冒頭のカーニバルシーンは、細部まで描写されており、これまで文字や写真で見てきた物が動いている喜びがありました。その他も、リリスの部屋の絢爛豪華なアールデコや、雪の中車で走るシーン(それこそティムバートンを彷彿とさせる)など、要所要所、楽しいシーンは満載でした。

しかし、物語として、予定調和過ぎる感が否めず、物足りなさを感じました。 私は原作本や、1947年の映画化『悪魔の往く町』を未見のまま本作を鑑賞したのですが、 繰り返されるアルコール類 (これは初っ端の死体償却シーンから出てくる)、それを遂に飲んでしまうスタン、逆さのハングマン、リリスが出会ってすぐにスタンはエレクトラコンプレックスであるとネタを割ってしまう、挙句スタンは逃げる際にニワトリのケージが並ぶ車両に乗り込む。。。「もうスタンがどうなるかは分かったよ!」 を通り越して、途中からは、それをどう直接的に示唆してくるのかを楽しんでいました。

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