プラスチック新法案はダイバシティを後退させる?

 ニュースを見ていたら環境省を中心にプラスチック新法案なるものが検討され、可決予定だと報道されていた。障害者の観点からこの法案には疑問があるので書いてみようと思う。

コンビニでスプーン有料化検討、小泉環境相「自分で持ち歩く人が増える」https://www.yomiuri.co.jp/politics/20210309-OYT1T50145/

プラスチック新法案

 この新法案、プラスチック削減(の意識改革)のためプラ製スプーン、フォーク、ストローなど使い捨て食器類を(1)有料化(2)ポイントによる還元(3)代替素材への転換を要求し、対策を講じない業者へは罰金も設けるそうだ。

 地球規模でCO2問題やサスティナブルな事業・社会を目指すことに注目が集まっている。先に実施されてるレジ袋有料化なども環境大臣ご本人が認められているように直接的効果はほぼないが、国民の意識を高めることが期待されている。プラ新法案においても基本的には同様で環境への配慮意識を高めることが目的であるとみられる。

 一見すると面倒なくらいで悪くない法案に見えるが、障害者的には疑問も残る。というか、現段階では公平さ・ダイバーシティの観点からほぼ反対だ。

この法律はフェアなのか?

例えば、私のケースを参考にすると
・スプーンを常用
・箸はほぼ使えない
・コンビニでは当然スプーンをもらう、ないと食べれない

 私にとってはスプン・フォーク以外の選択肢がない。障害者に限らず介護が必要な方や乳幼児を抱えた人でも同様の人は多いかもしれない。

 こういったケースの人が新法案のもとでコンビニへ行って焼きそばを買った場合、プラ新法案は割り箸について言及がないので ハンデがない人は割り箸(無料)で済み、ハンデがある人は有料でフォークをもらうしか手がない事態になる。
 つまり、レジ袋有料化のように均一に負担がかかるのではなく、ハンデの有無によって必要な負担が増える。

それはフェアな法律なのだろうか

ダイバーシティを後退させる危険も

 それともう一つ、有料化によってフォークやスプンのラインナップが消える可能性がある。
 コンビニはまだしも、これまで好意で置いてくれていた屋台のラーメン屋さんやキッチンカーなどからは箸以外のカトラリーが消えるかもしれない。
そうなると これまで浸透してきたダイバーシティの観点は後退してしまうのではないか

まとめ

以上2点から、この法案に基本的には反対である。

 「スプンごときで大げさな」と考える方もいるだろうが、誰もが出先でとっさにご飯が食べられるか否かはQOLに直結する。これはレジ袋の比ではない。
ただでさえ段差があったり、狭かったり飲食店にも100%入れるわけではない私としては、コンビニは気軽に入れるセーブポイントのような場所だ。そこでフェアとは思えない状況におかれたり、意識改善の旗印のもと(レジ袋が有料になるのも大概面倒ではあるが)なくてはならないものが有料になったり、そのあおりを受けて無くなる可能性があるのであればそれには慎重さを求めたい。

 例えば、罰則ではなく促進給付の方式にするとか、代替手段には期待がかかるが普及には時間もかかるだろうし、その間は猶予をもたせるとか、手段はあるはずだ。
誰かがアンフェアな負担を強いられることのない制度設計を求めるばかりだ。

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