0902

剥がれ落ちた列車が舞い上がっていく
レールには
ホームの縁から覗き込む子どもの影が
長い警笛を踏みつけてまだ最後の鍵穴のように立っている
端まで行って跳ね返ってきた
子どものこめかみの痛みが終わりなくひとりで共鳴し合って
朝は白くひび割れて濁っていき
しきりと瞬きしてみる人々の目はズキズキと乾いている

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