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「大切にしたいことを大切にできる場所」HLAB 2024 Board Introduction #12 Nana Mizutani

2024年8月に行われる予定のHLAB サマースクールを中心となって運営していく学生メンバー(ボードメンバー)の、サマースクールや運営に携わる思いをお届けする「HLAB 2024 Board Introduction」。

今回は、HLAB 2024の開催地域「MIYAGI-ONAGAWA」の実行委員長、水谷那南さんにお話を聞いてきました。



「女川」に魅了された人生

ーあなたが過去のHLABでの経験を経て、女川委員長になった理由はなんですか?
私は女川と出会って人生が大きく変わりました。
私は高校2年生の2018年に、高校生参加者として女川のサマースクールに参加しました。大学受験の材料になるのではないかと母親に言われ、母校で開催されていたHLAB主催の進路相談座談会に参加したことがきっかけでした。その時のことは今でもよく覚えていて、英語が苦手で話せないことがコンプレックスであった私は「英語は必要ですか?」と質問した時に「いらないよ!全然大丈夫!」の言葉に安心し、応募フォームを提出してしまいました。
ですが、実際に女川のサマースクールの初日に1人で東京駅から新幹線に乗り仙台駅に到着して高校生たちと女川向けてバスに乗っている最中に聞こえてくる当たり前のように行われる英語での会話。到着後も同様に当たり前のように繰り広げられていて、今すぐにでも帰りたくなった自分がいました。ですが不思議なことに気づいたら英語ができない自分や、人見知りの私そのものを許容し、少しでもこんなことに挑戦してみよう!と思って拙い英語で海外大学生に話しかけてみたり、あの時に聞いたあの話についてもっと詳しく聞いてみよう!と思い立って運営の大学生に話しかけてみたりしているんです。気がづいたら女川町が持っている人や場所に魅了され、7日間がかけがえのない経験になりました。
実際にサマースクール参加後に、英語の勉強に力を入れて資格試験に合格したり、学校の定期考査で学年の順位が上がったり、何かとHLABのサマースクールに参加した時に感じた「楽しさ・喜び・苦しみ・葛藤」などのあらゆる感情が日常でのモチベーションとなり、挑戦することを選ぶようになりました。
その後大学受験を終えて、2021年と2022年にMIYAGI-ONAGAWAサマースクールの運営委員としてHLABに携わり、昨年の8月末から今年の3月まで8月末から宮城県女川町にある特定非営利活動法人アスヘノキボウでの長期インターンを経験して、女川の住民票を獲得するぐらい「女川」に魅了された人生です。そして今こうやって委員長というポジションについています。

2021年のサマースクールの出発式の様子

-HLAB 2024  Vision-
Light your future
-灯そう、ここから-

挫折と煌めき

ーHLAB 2024全体のVisionのように、あなたが自分の未来を切り開いて、灯した経験/瞬間は何ですか?
高校1年生の時にフランス語の授業に出会った時です。私は都内中高一貫校の「ザ・HLABのサマースクールに参加するだろう高校生」が多くいる女子校に通っていました。高校受験がないのをいいことに、選抜クラスに在籍していながらもとにかく勉強せずに、ぐうたらな捻くれた中学生でした。なので高校に進学する入学式でのクラス発表で選抜クラスから落ちました。当たり前です。ですが当時の私はどん底もどん底。中学受験も失敗している私にとっては本当に「勉強」ということに対してのプライドはズタボロ、それは教室に干されている濡れ雑巾のような状態でした。
だからこそ3年後に同学年の全人間に勉強で勝負する大学受験は不可能だなと思い立ち、「とりあえず学校の勉強だけは頑張ろう」と今までしてこなかった勉強へのモチベーションを奮い立たせていました。
そんな時に、自由選択授業として始まったフランス語。勉強に対しての不安と、頑張ろうとするモチベーションと両立していた状態で始まった授業で初めて感じた「これ面白いかも、、、!」という気持ち。嬉しかったです。10年続けていたクラシックバレエと重なる文化的な背景や、英語と近いけど流れるように聞こえる独特な発音。これを知ってしまった私にとって「フランス語」はコンパスになり、学年で選抜の形式だった実質渡航費のみで参加できるフランスへの交換留学に両親の反対を押し切って履歴書を出していたり、仏検もDELF(フランス語の能力を証明するためのフランス国民教育省により交付されるディプロム)もほぼ独学で大学卒業レベルまでに勉強し、今の大学の専攻に進学することになりました。
この挫折と煌めきを纏った高校1年生の時の経験は、転機でもあり生きていけるだけの道を敷き始めていたなあと思います。

2018年に参加したサマースクールの様子

-HLAB 2024  リーダーシップ・プログラム テーマ-
一人ひとりが先に進み続けるための、より熱くてより強い、最初の場を作る

自然素材のあなたを引き出す場

ー今年のリーダーシップ・プログラムのテーマとして「より熱くてより強い、最初の場を作る」とありますが、あなたが作りたい「最初の場」はどんな場所ですか?
最初というとスタートとか出発なんて言葉が近いのかなと思うのですが、個人的には、「等身大の自分でいられる場」を作りたいなと思っています。今回の女川の地域ビジョンをつくるにあたって、現在いる女川のメンバー各々の価値観であったり大切にしていることを中心に、「Affection for your story-愛でよう、あなたのストーリーを」にしました。ここには、等身大の自分になることで、あなたの周りで起きる全ての事象が、あなたにとってとびっきりの宝物になるというメッセージを込めています。そのような背景からも、優しさの詰め合わせではなく刺激と成長のバランスの取れていて、知らない自分に気づき自然と素直になれる場を作りたいと思っています。

大切にしたいことを大切にできる場所

ーあなたにとって、HLABは何ですか?
なんかこう、一言で言えないんですよね。もちろん自分自身にとっての居場所でもあるし、大好きなコミュニティだし、女川という場所に出逢わせてくれた所だし、「今この瞬間の自分大好きだな」と思える数少ない空間が生み出されていると思っています。でもなんか違うんですよね、これを一言に集約することが。特にサマースクールって美化されてキラキラした側面が強いなと思う時があるんです。そんな時にいつももっと苦しさとか苦悩とか葛藤とかをもっとぎゅっと大切にできる空間なんだと伝えたい時があるんです。自分の仕事をしているときにどうしても苦手なことに取り組むことや、それをメンバーに伝えないとうまく進まなかったりしてモチベーションが下がってしまう時がありました。でも、それを素直にメンバーに共有しやすい空気感があります。それってきっと、日常生活で大切にできないような感情も自分の言葉として大切にできる空間でありコミュニティで、大切にできるのは水谷那南という私を必要としてくれたり愛してくれたり、何かしら存在意義を感じてくれているのだろうなと思うのです。

2021年の運営委員の集合写真

自分と他者に一番誠実なサマースクール

ーこれから応募してきてくれる運営委員と一緒に、どんなHLAB 2024 サマースクールを作り上げたいですか?
今回地域のビジョン「Affection for your story-愛でよう、あなたのストーリーを」を考えていく中で大事にしてきたのは「素直さ」「等身大」「誠実」「内省」など人との関わり合いの中で生まれる自分や他者との会話に関連するキーワードです。
これを小説に準えてストーリーを生み出していくように仕立てました。私は不器用だし、勉強もできないし、英語だって話せないし、他の委員長たちに比べてできることは少ないです。
ですが、サマースクールは非日常で繰り広げられる様々な事象に対して挑戦し成長をしていく経験になると思っています。なので、どんな人たちにもある自分自身な素直な心、等身大な姿を大事にしてかけがえのないサマースクールを作りたいと思っています。

2024年の夏、私にください

ー応募を考えている人にメッセージをお願いします
きっと大丈夫。あなたはあなたにしか書けない物語をかけるはず。私の大好きなエッセイストである益田ミリさんのお言葉を拝借して「空想には、年齢制限がない。そしてそれは、どんな力によっても奪われることのない貴重品であることに間違いなかった。」あなたの物語はいつまでどこまでだって続いていくのです。その時間をちょっとだけ私にください。女川町で過ごす時間がかけがえのない瞬間になることを約束します。最高の夏を一緒に作れることを心より楽しみにしています。


HLABは、寮生活とリベラル・アーツ教育を通じて、人々が常に身近なロールモデルから刺激を受ける革新的な学びの体験や空間、そして持続的なコミュニティをデザインしています。

学生向けプログラム「リーダーシップ・プログラム」では、高校生に人生が変わる体験を届けることをゴールとし、プロジェクトの一員として、高校生を対象としたサマースクール等の企画運営に携わっていただく学生のみなさんを募集しています。
「HLAB 2024 リーダーシップ・プログラム」の応募期間は、
2024年1月22日〜2月11日です。

リーダーシップ・プログラム募集詳細
https://h-lab.co/leadership-program/apply/

ご応募お待ちしております。

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