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歯に関していえば、かかりつけ医はいなくてもいいと思ったこと。50にしてインプラントを入れたこと。

やっと仮歯が入った。
10年間、空き地のところに仮歯を入れたら、
やたらと歯が大きく感じる。

場所は下あご。
右奥から2番目の歯を
長年の食いしばりと歯ぎしりの経年劣化で失ってから10年。

先生からも、
今までそこに歯がなかったんですから、違和感ありますよ。そりゃ。
しかも奥の歯ですから、ほら、指1本の幅と同じくらいでしょ。
1センチくらい。
歯根がないから、歯茎は痩せちゃってるし、
空き地を埋めるように、
頬っぺたの内側の肉と舌が肥えちゃってるんです。
どうしても違和感がとれないなら、
本チャンの歯は小さくすることもできますんで。調整していきましょう。

と仰った。

歯は防波堤のように、肉がダダ流れになるのを防ぐ、という役割もあるんだな。っていうか、歯がなければ、肉は自由にふるまうのか。

しばらくは、内側の肉を噛むことが多くなるそうで、
食事のときは気を付けてください、と宣った。

なんで、10年間、ほったらかしていたのか、というと、
歯が欠損したばあいの治療法は3拓。

入れ歯 か、ブリッジ か、インプラント。

入れ歯とブリッジは保険診療。インプラントは自費診療。
治療にかかるお金が全然違う。

インプラントは30万以上を覚悟せねばならない。
切って、埋め込んで、貼り合わせるなんていう外科手術をするんである。
それなりに金がかかる。

費用工面もあって、理由をみつけてはぐずぐずと先伸ばしにしていた。
入れ歯とブリッジは全く考えてない。
だって、入れ歯はまだ生理的に受け入れられないし、
ブリッジは両側の歯を痛めるから。

何も処置しないでほったらかしにしていて、いいはずはない。
例えば、

他の歯が傾いてくる。
上の歯が伸びてくる。
その結果、かみ合わせが悪くなる。
圧力がまっすぐかからないため、ますます、ほかの歯が傾き、弱くなり、
欠損していく。

1本、失ってそのままにしておくと、雪崩のように歯を失っていく、というのが、歯科医が最初に説明する、
一般的なストーリーである。

しかし、私の場合、10年間変わらなかった。
他の歯が傾くこともなく、
上の歯が伸びてくることもなかった。

その状態に慢心していたんである。
まれに、そういうケースがあるらしい。

最近では3拓から、4拓に選択肢が増えている。
4拓目は、放置。である。

欠損場所が奥歯であればという条件付きで、
放置も選択肢の一つになっている。

しかし、定期的に経過を見て医師と相談することが望ましく、
結果は自己責任である。もちろん。

慢心ゆえの放置して10年経った昨秋。
友人たちのなかから、ぽつぽつと、
インプラントの話題が出るようになった。

同世代が気にしだすと、自分の歯も気になってくる。

ある日、歯がボロボロと抜けて口の中が抜けた歯であふれる、という悪夢を見た。

潜在意識で、歯の治療をほったらかしにしていることが気になっている、というふうにも読み取れるし、
さっさと手当しないとこうなるという暗示のようにも思える。

そして、決めてとなったのは、鏡に映った自分の顔を見た瞬間である。

なんか、口元がしぼんでいるような気がしたのだ。

しかも、歯が欠損している側が、へこんでいるような感じがして、
そのへこみに「老い」が見えたんである。

これ、絶対、奥に歯がないからや。

と直感したため、すぐさま、インプラントを決意。
「青山一丁目駅 インプラント」で検索した。

青山一丁目駅は、会社の最寄り駅である。
私の経験則だと、歯医者は、会社に近いのが望ましい。
費用と設備と医師の経歴を見て、
その中で一番、分かりやすい立地の医院にアポをとった。

こちらの希望の日時に予約が取れたら、
まずは相性がいい、と思っていいだろう。
相性がよくないところは、予約を取る時点で
手間取るものだ。

初めて行く医院で、そこに通うかどうか決めるのは、
ただ、直観である。

その場所に行って、院内の雰囲気を感じる。
ここに半年間通えるかどうか、
そして、歯科医師と話をして、
この医師にインプラントを入れてもらうゴールが
見えるかどうか。である。

医師の良しあし、なんてどこもあまり変わらないと思う。
ここなら大丈夫だろう、と感じるのは、
ゴールが想像できるかどうか、なのである。

実は、今までも、何か所か歯科医院に通っていて、
そのたびにインプラントを進めらた。
が、なんとなく、ここではないなあ、と感じて
最後の最後で逃げてしまった。

なんとなく、ここではない、っていう感覚。
とくに大きな理由が見当たらないけど、
ここではやりたくない。っていう感覚を
自分では大事にしている。

私の友人知人の場合は、
かかりつけの歯科医院からインプラントをすすめられたら、
インプラントの方を諦める人が多い。
この歯科医院では、インプラントを頻繁にしているような雰囲気がないし
機材が揃っているようにも思えない。

でも、ずっと信頼して通っている先生からこんなにすすめられているのに、ほかの歯科医院でインプラントをしたら、
この病院に通いづらくなる。

という。

長く通院していると、しがらみができちゃうわなあ。。。

私の場合は、会社の引っ越しが多かったものだから、
痛くなるたびに、会社の場所が変わっていて、その都度探す、の
繰り返しだった。
かかりつけの歯科医院ができなかったため、
インプラントするかあ、となったときに、
一から探すことになんの縛りもなかった。

とにかく、最後まで通えそうな医院で、
経験がたくさんある、インプラントの専門医を
探すことができたんである。

もちろん、先生の説明を聞くけど、それは決めてにならない。
先生と話しがしやすいかどうかの方が大事。
話し方や声のトーンの方が決め手になる。
やたらとせっかちな話し方や、妙な間のある人は
ちょっと生理的に無理なんである。
声のトーンが高すぎても、声量が大きいのも
ムリなんである。

この先生は、とても聞き取りやすくて、話すスピードも
声の高さも程よかった。

ちなみに、こちらから質問したのは、
”インプラントを入れ終わったあとのメンテナンスはどんな感じ?”
”この医院がなくなったらその後のケアはどうなる?”
”年間に何本くらい埋入している?”

程度である。

この歯科医院はインプラント専門なので、もちろん自由診療なのだが、
全てがインクルーズなので、通院のたびに保険証の提出もなければ、
その都度の支払いもない。

診察時間にも余裕をもたせているため、待ち時間もなければ、
ほかの患者さんと会うこともない。

あ~~。これ、ラク。
財布を出したり、待ったり、ほかの患者さんの気配があったりって、
ストレスだったんだな~~と知った。

この歯科医院でびっくりしたサービスがある。

最初に歯茎を切って、ネジ状の人工歯根(インプラント)を埋め込む手術をするんですが・・・その埋入するオペが終わったら、

アイスクリームが出された!

なんじゃい?
痛いのよく我慢しました~~
っていうご褒美か?

いや、痛くなかったし。
麻酔を注射で打つための、スプレー状の麻酔をかけたくらい、
痛くしない工夫が幾重にもされていた。さすが自由診療だ!と思ったくらいである。

そしたらば、先生が、
アメリカの研修で、外科手術のあとアイスを出しているのを見て、
おお!これはいい!と、思ったんだとか。

それは、

口の中の血臭いのがとれる。
歯茎が腫れているのを冷やしておさめる。
すぐに栄養になる。
甘いものでリラックスできる。
麻酔で麻痺していても食べやすい。(麻痺していると、よだれが出やすいのだ)

ね、理にかなっているんですよ、
口腔外科手術のあとのアイス!

ゆっくり食べてね~~と
医師は出て行った。

グラスを持つと、重い。
んで、よくよく見ると、バカラだった。

さすが。自由診療。
ちなみに、診療室の壁紙に馬具柄が施されているのは、
最初から気づいていた。

最後に、インプラントの一般的な施術について書いておきます。
①レントゲン、CTなどで歯の状態を確認。
②虫歯、歯周病などを確認。あれば治療する。
③歯茎を切開して、インプラント(ネジ状のチタン製人工歯根)を埋入。
④体に馴染むまで放置(約2カ月)
⑤ネジの頭を出す。
⑥歯型をとる
⑦仮歯を取り付け
⑧本歯を調整
⑨本歯を取り付け

完了までに、半年くらいかかります。
その後は、年に1回程度、チェックとメンテナンス。

もし、この病院が閉鎖するようなことがあれば、
提携している歯科医院に引き継がれます。

ちなみにこの医師は同世代なので、
一生面倒みます、と言ってくれました。

最後に、選んではダメなインプラント歯科医院とは・・・
「安い!」を売りにしているところは要注意です。
料金には、根拠があるはずです。
相場よりも安いのは、その理由が必ずあります。
例えば、衛生的ではない、保証がない、レントゲンやCTがない、器具や装備が使いまわし、医師の経験が少ない、など。

安さの代わりに体内に異物が入れられたり、傷つけられたり、
感染させられたりしたんでは、命にかかわります。
医療行為と費用を天秤にかけるのは、避けた方がいいと思います。

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