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『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』(2019/アメリカ)

この映画にはちょっと面白い仕掛けがあります。主演のジミー・フェイルズは自分自身が10代のときに経験したことを映画に本人役で出演しています。だから、劇中の主人公はジミー・フェイルズで、俳優本人も同姓同名なわけです。

舞台はサンフランシスコ。海は汚染が進み、悪魔の口より汚いと言われている。実際に海では目の隣にもう一つ目がある異形の魚が泳いでいる。 主人公のジミー・フェイルズはアフリカ系アメリカ人。

サンフランシスコの最初の黒人を祖父に持ち、祖父が建てたという立派な家を生きがいにしている。でもその家は税金が払えなくなり退去するはめに。今は他の誰かの者になっているのだが、主人公は未練がましく、ちょくちょく家を見にいく。

物語はその思い出の家が売りに出されたことから始まる。
今は空き家だから、なんともしてもその家を取り戻したい!
ジミー・フェイルズはあの手この手を尽くすのだが…、というお話しです。

ただですね、かなり期待したわりには、冗長すぎるのと、いまいち感情移入できないことに、退屈しました。 その家は黒人が住むような地区にないので、そこに主人公が出向くだけで差別を受けるのですが、そこまでひどい差別を受ける描写はありません。

友人の同じくアフリカ系アメリカ人が登場して、終始行動を共にしているので、これはLGBT的な関係かと思いましたが、そういう描写もないので、そこも不明。モヤモヤする。

白人が住む地区にある思い出の家に憧れるマイノリティの主人公の青春映画というと、面白そうなんですが、ちょっと起伏が穏やかなので、冗長な展開にいまいち入り込めませんでした。

(面白さ:☆☆☆☆☆★★★★★)


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