三津田治夫/IT出版プロデューサー

株式会社ツークンフト・ワークス代表編集者。本とITを研究する会代表。 「技術」をキーワ…

三津田治夫/IT出版プロデューサー

株式会社ツークンフト・ワークス代表編集者。本とITを研究する会代表。 「技術」をキーワードに出版プロデュースを手掛ける。 『ゼロから理解するITテクノロジー図鑑』(プレジデント社刊) http://amzn.to/39OwPJV を監修。

最近の記事

読みました:『ネオ・ダダの逆説 ~反芸術と芸術~』(菅章 著、みすず書房 刊) ~アートとその本質とのジレンマ~

作者は『現代美術史』(山本浩貴著)に記された日本現代美術史を取り上げ、「驚くべきことに〈ネオ・ダダ〉は〈ハイレッド・センター〉の項目の中で、赤瀬川原平を語る際(「赤瀬川原平とネオ・ダダ」という小見出しが付され)わずか10行の記述にとどまり、解説以前の扱いになっている。」と語っている。アート史に埋もれつつある「ネオ・ダダ」を救済しようという試みが、本作の主題である。 ネオ・ダダとは、1910年代半ば~1924年に起こったアート活動である「ダダ」(1916年にトリスタン・ツアラ

    • 来週2月3日(木)19時に、交流会を有楽町で実施いたします。

      来週2月3日(木)19時に、以下交流会を有楽町で実施いたします。 【2/3(木)「知の交流会」イベント開催】東京国際フォーラムに来たれ! 2020年、クリエイターとITエンジニアを中心に、学びや考え、アウトプットを共有する「知活人」(ちいきじん)プロジェクトを立ち上げました。 上記は、そのオフライン初顔合わせイベントです。 イベントの趣旨は、2年間の活動報告とこれからの活動を交えた、参加者同士の交流会です。 モノやコトを開発しているエンジニアやクリエイター、文章を書

      • 7月発売の『DXスタートアップ革命』(日経ムック)、校了しました。

        『DXスタートアップ革命』(日経ムック)のカバーデザインがまとまりました。 本作の色校を持たれているのは、ADの大橋義一さん。 ブックデザインの細部すべてにわたり、ご尽力いただきました。 神は細部に宿るを実現していただきました。 そして本文もデータの最終検査が完了し、全作業終了です。 いよいよ、印刷の工程。 構想から半年、守屋実さんをはじめ、スタートアップ企業の皆様、関係者の皆様のご尽力で、ここまで来ることができました。 心から、感謝いたします。m(_ _)m そして、皆

        • 読書ノート:『群衆と権力』(上・下)(エリアス・カネッティ著)

          今回は、書評のベースとなる、本文からの抜粋などによる「読書ノート」をまとめてみた。 20世紀の奇書『群衆と権力』全巻の外観を共有できたら幸いである。 ---------- パラノイア患者あるいは権力者以上に群衆の諸性質をはっきり見抜く眼を具えている者はたしかにいないし、かれらの--いまでは恐らく誰しも認めるとおり--帰するところはひとつである。だが、かれが--両者を同一の代名詞で表そう--関係する群衆は、かれが敵対し支配しようとする群衆にかぎられている。これらの群衆はすべて

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        読みました:『ネオ・ダダの逆説 ~反芸術と芸術~』(菅章 著、みすず書房 刊) ~アートとその本質とのジレンマ~

          2月24日(水)、プロジェクト「知活人」のWebサイト・ローンチイベント、無事終了

          2月24日(水)、プロジェクト「知活人」のWebサイト・ローンチイベント、無事終了しました。 http://www.chi-iki-jin.jp/ 皆様お忙しい中、活発な意見交換とともに、たくさんのご参加を、ありがとうございました! また、たくさんの祝辞もいただき、深謝いたします。 今後とも引き続き、なにとぞ、よろしくお願いいたします。

          2月24日(水)、プロジェクト「知活人」のWebサイト・ローンチイベント、無事終了

          読書会の記録:『最後の親鸞』(吉本隆明)/『歎異抄』(親鸞)

          本会では過去に宗教関連の書籍としてイスラムを取り上げることがあったが、今回は仏教、浄土真宗の宗祖、親鸞の『歎異抄』と、それを扱った吉本隆明の評伝『最後の親鸞』の二冊を取り上げた。 宗教書という扱いづらい題材からか、または偶然か、今回は女性陣が一人も参加することがなく、常連男性陣だけで粛々と会を進めた。 仏典のサブセット「南無阿弥陀仏」の開発者、親鸞 私自身『歎異抄』は3度は読んでいるが、いまだによくわからない。一方で会場では、私の「よくわからない」という意見に反する声

          読書会の記録:『最後の親鸞』(吉本隆明)/『歎異抄』(親鸞)

          1月28日(木)オンラインセミナー「文系でもできる!ITライター養成講座」を開催します

          ITライターという可能性を探る ジョブチェンジやダブルワークが求められる昨今、WebやSNS、MOOK、広告、雑誌などの記事執筆に活躍する、ライターの仕事を選択する人が増えてきています。 そのライターの分野の一つに、「ITライター」があります。 ITライターとは、世の中にあふれかえるITのことをわかりやすく説明する文筆家です。そのニーズが日増しに高まっています。 ITの世界には「クラウド」や「AI」「RPA」「ビッグデータ」「Python」「5G」など……、要素技術から

          1月28日(木)オンラインセミナー「文系でもできる!ITライター養成講座」を開催します

          おかげさまで4年目を迎えました。

          1月11日をもって、私が代表を務める出版プロデュース会社、株式会社ツークンフト・ワークスが、おかげさまで4年目を迎えました。 ここまでやってこられたのは、ひとえに、支えていただいた皆様の力にほかなりません。 この場を借りて、厚くお礼を申し上げます。 会社勤めを終えて創業したのが2018年。 あのときも、とても寒い1月でした。 さまざまなイベントや勉強会、出版企画、プロデュースを実施し、多様な能力を持った人たちと、新しく深い交流ができました。 こうした出会いには、日々、深謝で

          おかげさまで4年目を迎えました。

          新年、あけましておめでとうございます。

          新年、あけましておめでとうございます。 また、たくさんの誕生日の言葉に、心から感謝いたします。 言葉から、沢山の元気と勇気をいただきました。 毎年1人1人全員に返信できず、心苦しい限りです。 返信と新年のあいさつにかえて、以下、書かせていただきます。 この1年間は、時代の大きな変化を世界の一人として体験することとなり、学びや気づきの連続でした。 8月には、初の監修書籍『ゼロから理解するITテクノロジー図鑑』を発刊することができました。 いまのITの基礎の基礎となるキー

          新年、あけましておめでとうございます。

          第32回・飯田橋読書会の記録『生物はウイルスが進化させた』(講談社ブルーバックス、武村政春 著) ~ウイルスと生命の本質を探る~

          ZOOMで開催の読書会ニューノーマル・バージョン第2回目。 時宜にかなった話題として、今回は初のサイエンス書を取り上げることとなった。 お題は『生物はウイルスが進化させた』である。 会場からは、 「中身がよくわからない本」 「理解のためにいろいろ読みました」 という声や、 「ホットな話題。いまや生命の定義が揺らいでいる」 という生命に関する本質的な意見。 「これは議論が難しいぞ」 という会の流れを予見した言葉、 「遺伝子であるウイルスが他者の細胞に取りついて活動するとは

          第32回・飯田橋読書会の記録『生物はウイルスが進化させた』(講談社ブルーバックス、武村政春 著) ~ウイルスと生命の本質を探る~

          編集、この愛すべき仕事(前編)

          私は企業のシステムエンジニアとしての新入時代4年間を除いて、25年間編集者である。この間、本ばかりを作っていた。 起業してからも、出版プロデュースを軸に、編集の仕事を手掛けている。 なぜか知らないが、編集者になりたいという願望が強かった。 業種を変え、現在にいたっている。 本づくりのほかに、出版や編集のセミナー、勉強会もたびたび実施してきた。 そういった立場から、 「編集者ってどういうことをしている?」 「どんな1日?」 「どんな仕事?」 という質問をたびたび受けてきた。

          編集、この愛すべき仕事(前編)

          12月3日(木)夜、「知活人」オンライン・ディスカッション「会社じゃ話せないコロナの本音を語り合う」を盛況にて開催

          12月3日(木)夜、「知活人」オンライン・ディスカッション「会社じゃ話せないコロナの本音を語り合う」を開催しました。 テーマを設けた初の会で、夜遅くまで、盛り上がりました。 参加いただいた方々には、心から感謝いたします。 「会社じゃ話せない」というあいまいな定義をテーマに加えましたが、この言葉の定義に各人で差があり、興味深かったです。 運営からのインプットトークからはじまり、本音のレポートや意見交換がたくさんありました。 京都のライターさんやラジオ放送局のリーダーといっ

          12月3日(木)夜、「知活人」オンライン・ディスカッション「会社じゃ話せないコロナの本音を語り合う」を盛況にて開催

          若手編集者に向け、編集者育成半日研修を実施しました。

          11月27日(金)、都内某編集制作企業にて、編集者育成半日研修を実施しました。 参加者の本そのものや編集制作に対する意欲の高さには驚きました。 セミナーや勉強会で「哲学書を読むとよいです」とお勧めすると「なにがお勧めですか?」とたびたび聞かれるので、今回はカント著『プロレゴーメナ』を持参しました。 すると会場から、「読みました!」と声があがり、また驚きました。 版元縮小の昨今、編集スキルを持った人たちがこうした企業に流れこんでくる未来が見えてきました。 限られた時間で

          若手編集者に向け、編集者育成半日研修を実施しました。

          12月3日(木)、「知活人」オンライン・ディスカッション「会社じゃ話せないコロナの本音を語り合う」を開きます

          来週、以下のディスカッションを開催します。 【12/3(木)参加無料】知と地をつなぐ「知活人」オンライン・ディスカッション ~会社じゃ話せないコロナの本音を語り合う~ 本ディスカッションの趣旨 今年のコロナ禍を通して、ご自身の仕事やライフスタイルを、改めて考えられた方は多いと思います。 私たちも今年の4月、緊急事態宣言の発令を機に、どのように生きていくかという「考え」(知)と、働く場という「土地」(地)の、2つの課題に突き当りました。 こうした課題意識が発端となり、プ

          12月3日(木)、「知活人」オンライン・ディスカッション「会社じゃ話せないコロナの本音を語り合う」を開きます

          第3回目の「知活人」オンライン・ディスカッション会、無事終了しました。

          知と地域のプロジェクト「知活人」オンライン・ディスカッション会(第3回目)、無事終了しました。 ひきこもりの仕事支援を行う方、メディアで産業の持続可能性を追求する業界誌編集者、書籍への関心が深いデータマネジメント・エンジニア、シンクタンクで地方創生と教育を手掛ける方など。 前回とはまた異なった属性の方々に加わっていただき、多様なご意見をいただきました。 参加された方々には、この場を借りて、厚くお礼を申し上げます。 仕事において、家から職場に出る・出ないよりも、家にいながら

          第3回目の「知活人」オンライン・ディスカッション会、無事終了しました。

          過去2回実施の「「知活人」オンライン・ディスカッション会」から見えてきた、日本のいまと未来

          11月12日(木)に、第3回となる以下の「知と地域のプロジェクト「知活人」オンライン・ディスカッション会」を開催する。 過去2回実施して受けた印象は、この時代において「知」と「地域」に関心の高い人が多い点だ。 コロナ禍を通して地方分散社会が叫ばれるようになった。 これを機にプロジェクト「知活人」を立ち上げたのだが、過去2回のディスカッションだけでも、さまざまな課題や方向性、気づきが浮き彫りになった。 場所と思考の往来を重視する「知活人」 最も大きな気づきは、「都会と地方を

          過去2回実施の「「知活人」オンライン・ディスカッション会」から見えてきた、日本のいまと未来