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ごまかさない子育てとは

子育ての中で、交換条件を出すこと(例えば“○○したらお菓子を買ってあげる”)や、大人の視点で脅しをかけること(○○しなければ、もうテレビは見せてあげない)など、「それは違うのだろうな~」と思いつつやってしまう。そんな自分の子育てを、自責してしまう。

“叱らない方がいい”“子どもの気持ちに寄り添った方がいい”などの抽象的な言葉での情報の中で、試行錯誤して迷ってしまっているような相談を受けることが増えてきました。

子育ては試行錯誤の連続です。毎日一生懸命な自分をまずは労いましょう☺️

抽象的に迷いがちな事を、今回は少し具体的に表現してみますね。

交換条件と筋が通った見通しの区別


例えばよくある、「歯を磨かない」ことへの会話
・交換条件
もう!歯を磨かなければ、テレビは見せないからね
歯を磨いたら、テレビを見てもいいから

歯を磨くことと、テレビを見ることには、論理的な関連性がない。

・筋が通った見通し
歯を磨かなければ、虫歯になります。
虫歯になるのは困るので、歯を磨かないならもう甘い物は食べないことにしましょう。

歯を磨くことと、虫歯になること。これは論理的な関連性があります。

歯を磨かなければ、虫歯になる。これは脅しでもなんでもなく、事実です。

具体的イメージとしての事例


事例1
先日、保育園で散歩に行くときに、3歳のお子さんが「手をつながない」と主張しました。

子「やだ!手をつながない」
私「そう、手をつながなければ、自転車や車にぶつかり事故に遭うかもしれないから、私と一緒にお留守番しましょう」と伝えました。

“手をつながなければ、事故に遭う”これは脅しではなく、筋の通った見通しです。
“連れて行かない”の否定表現を“お留守番しましょう”の肯定表現にしました。

子「やだー」
と主張しますがここは譲りません。“事故に遭う懸念=見通し”の中で問いかけます。
私「何がいやなの?事故に遭うのは困るんだけどな…」
子「やだー○○ちゃんと手をつなぎたいの!」

どうやら、手をつなぐのがいやだったのではなく、好きな友達と“手をつなぎたかった”のです。このように、表面的な「やだ」は本当の気持ちと違うことがあります。交換条件は手っ取り早いようで、実は効果的ではないのです。

“手をつなぐのは、事故に遭わないため。”
この筋の通った見通しを抜かして、「連れて行く」「連れて行かない」の話をしていたら、どんどん話はこじれていたかもしれません☺️

事例2
娘が3歳頃、「ご飯いらない~」と言いました。
私「そう、あとでおなかすいちゃうよ。」
娘「いいよ」

少し選り好みがはっきりする頃は、好きな物でないときは「いらない~」と言ったりしますね。全部食べたら○○ね。など交換条件を出すと、うまくいくことがありますが、交換条件は癖になり、条件がないと物事が進まないという結果になってしまうこともあります。

ご飯を食べないと、後でおなかがすく。これは筋の通った見通しです。
娘が「おなかがすいてもいい」と決めたので、そのことを尊重します。
案の定、「おなかすいた~」と次の食事の前に言い出します。そう言ったらおやつがもらえるという計算も働いていそうです。

私「そうだね。さっきご飯をたべなかったからね。おなかすくよね。」
本人が決めたことと、結果を結びつけて、事実の確認をします。
娘「おなかすいた~」
私「ご飯を食べないって決めたのはだれだっけ?」
娘「○○…。」
私「そうか、じゃあ、仕方ないね。次のご飯は○時だから、それまでは待っていてね。」

本人が決めたことに沿います。本人が決めたことの結果を肩代わりしない。子ども自身が結果を引き受けていく体験にしていきます。

「おなかすいた~」の要望に、はいはい…と答えてしまうと振り回される結果になります。
変則的な時間に間食し、次のご飯の時には空腹を感じていないので食べない。また、変な時間に間食を要求してくる。
そのたびに、イライラ…結果、グチグチ…ガミガミ…

筋の通った見通しを示し、失敗の体験を振り返る


筋の通った見通しを提示し、その上で自己選択を尊重する。「ほらね…」という結果になることを待ち、その結果を「だから○○だったね」と体験的に振り返る。
失敗の体験ひとつひとつが、子ども自身が判断していく材料になっていきます。

やさしくきっぱり
“筋の通った見通し”を伝える
時にはあえて失敗の体験を見守り、一緒に振り返る。

「自分で考えて行動する子」に育ってほしいからこそ『自己選択の尊重』を。
「エラーに対する対応能力の高い子」に育ってほしいからこそ“結果を引き受ける体験”を。

子どもの力を信じて、感情的な厳しさではなく、筋の通った厳しさのイメージが持てると、子育ては少し楽になるかもしれません☺️

お菓子あげるから静かにしていてね(交換条件)ではなく
周りの人に迷惑がかかるから、静かにしましょう(筋の通った見通し)。

即効性がないので、少し遠回りなのですが…必ず積み重なっていきます。
毎回完璧にと頑張りすぎずに、1日に1回でも☺️
毎日1ミリ積み重ねれば、365日で36.5㎝の差になります。

私たちはいつでもここで待っています。 何かあったらぜひ頼ってください。 この「しあわせお母さんプロジェクト」の活動を継続するために、 皆さんのご支援をお願いします。