見出し画像

いるのいないの

日曜日の更新だぞ。

子どもが5歳になってだいぶ状況がマシになったとはいえ、日曜日はまともにモノを考える時間がない。日曜の夜は脳のシワが全部のびて脳みそがツルツルになっている気配を感じる。

クリスマスまであと2週間程度なので、先日近所の大型量販店に行った。今年は”サンタさんにお手紙を書こうね♩”というテイで、子どもの欲しいおもちゃを聞き出すことに成功した。

これだった。ホゲーッ!!!(高い、の意)。

普段こういう変身アイテム系は絶対に買わないことにしている。なぜなら年度が変われば新しいプリキュアの番組が始まり、毎年新しく変身アイテムを買う羽目になるから…。でも、サンタさんにお願いしてしまった以上、買わざるを得ない。サンタさんは”来年度になれば新しいプリキュアの番組が始まるんだから、こんな変身アイテムをねだるのはよしなさい”などとは絶対に言わないのだ。

で、大型量販店にのこのこ歩いて行って、”プリキュアの変身のやつ、ありますか?”と店員さんに訊いたところ、

”それはもう当店にはありません”と秒で返事が返ってきた。多分同じ質問をすでに100回はされたんだろうなあ…。

クリスマス商戦ってこんなに早く始まるの?完全に出遅れました。去年のクリスマスプレゼントはアクアビーズだった。クリスマスの1週間前くらいに買いに行ったんだけれど、在庫が豊富にあったからナメていた。プリキュアの人気って、すごいんだなあ…。

結局いくつか店舗を回って、最終的になんとか希望のアイテムを見つけることができた。サンタ絡みのお願いじゃなかったら”完売してた スマン”で済ませてたと思う。子どもの預かり知らぬところで、サンタはこっそり子どもの願いをこうして叶えているんだなと思う出来事だった。

で、本屋に行ったらこの本を見つけた。私も小さい頃読んだなあ。あまりに有名な本だからみなさんご存知だと思いますが、

青空文庫でも読むことができます。

サンタクロースがいないだなんていうのなら、ようせいもいないっていうんだろうね。だったら、パパにたのんで、クリスマスイブの日、えんとつというえんとつぜんぶを見はらせて、サンタクロースをまちぶせしてごらん。サンタクロースが入ってくるのが見られずにおわっても、なんにもかわらない。そもそもサンタクロースはひとの目に見えないものだし、それでサンタクロースがいないってことにもならない。ほんとのほんとうっていうのは、子どもにも大人にも、だれの目にも見えないものなんだよ。

う〜ん、名文である。この文章を書いた記者が偉いなと思うのは、”サンタは絶対にいるんだよ!君が寝てる間にプレゼントを置いて行くんだ!"などと安易な嘘をつかないところだ。上にも引用した通り、”待ち伏せをしていてもサンタクロースを目で見ることはできない”とはっきり書いてある。

ここに書いてあるのは、サンタは目で見ることはできないけれど、善意は確かにこの世に存在している、ということだ。サンタの存在を疑い始める年頃の子どもに対して、これ以上誠実な回答はないんじゃないかと思う。

本当は、善意の存在だってサンタと同じくらい怪しい。善意が本当に存在するなら、どうして悲劇は繰り返される?ニュースを見ていれば、惨禍などいくらでも目にすることができる。ウクライナやガザ地区で起きていることを知っていれば、人間の善意を疑うのは無理もない。

でも、この年頃の子どもには”善意はあるよ”と教えるべきだ。以前読んだ哲学書にも書いてあった(どの本かは失念した)が、倫理は弱き者のためにある。善意、親切、そういうものがあると信じて成長しなければ、子どもにとってこの世はあまりにも残酷すぎる。

”サンタクロースっているんでしょうか?”と尋ねた少女はその後、教師になって50年近く子どもたちを導き続けたそうだ。あまりによくできた話である。碌でもない世の中だけれど、こういう奇跡も偶にはある。

Big Love…