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明神様にはアブラゲを。🙏

御蔵島では1月22~25日に忌の日の明神(キノヒノミョウジン)様が来訪するという言い伝えがあります。

その間、明神様が来ているエリアには入ってはいけないそうです。
〇日を過ぎるとあっちの山は入っちゃだめ、など。

赤い衣をまとって鉄下駄を履いた明神様が上陸し、稲根神社本殿から神の道を経由して里まで降りてくるそうです。

その日が1月24日の夜🌌

集落のある里を明神様が通るため、題名にある「アブラゲ」の匂いがしない家があるとトイレを鉄下駄で蹴って壊すんだとか…😨

そのため、24~25日は神棚にアブラゲを供えて祀ったり、夕飯にアブラゲを食べて家にアブラゲの匂いがすることが大事なんだそうです。

そして、24日の夜は少し戸を開けて寝ること、24時以降は明神様に会わないよう出歩かないこと、25日の朝は明神様が里の崖下にある浜から神の集まる島神津島へ向かう船が出るため絶対に海を見ないことが決まりなんだそう。

ちょっと怖い言い伝えですが、今も受け継がれていることが凄いことだなと感じます😌


そして1月中旬頃から御蔵の女衆は準備で大忙し。
島の方がそうおっしゃっていました(笑)

このアブラゲは何かというとアブラゲモチとも言われる御蔵島の郷土料理なんです。
モチを油で揚げたもので、絶品です😋めちゃくちゃ美味しいです!👏👏

モチと名前にあるくらいですから、原材料はもち米なんですが、アブラゲはもち米をそのまま炊いて搗くわけでないんだそう。

以下、島の女衆情報をまとめて書き起こしたので、私の解釈に間違いがあるかもしれませんが悪しからず…🙇‍♀️

まずは、もち米を洗って乾燥させるところからスタートです。
そしてしっかり乾いたもち米を石臼などで挽き、粉状にします。
お餅の時に使う上新粉ではだめなんですって!

工程が多く大変ですし、日数もかかります。
なので1月下旬が近づくと皆忙しくなるんですね~🤔

お次は水分を足しながら、最終的にはかまぼこのような形に押し固め、切り分けます。
とにかくこねてはいけないんだそう…!

最後に油で揚げていきます。
本来は椿油が良いとされ、この椿油の匂いで明神様は通り過ぎてくれるようです。
きつね色までカリッと、とはさせません🙅‍♀️
低温でじっくり揚げます。
完成したアブラゲは汁物と相性が良いそうですが、砂糖醤油で食べるもよしと聞きました🙆‍♀️

出来たアブラゲ。真っ白です✨

手間暇かけたアブラゲは絶品で、私の大好物になりました🤭
お餅好きの私は本土で作れないかとググったくらいです(笑)

観光で訪れるとなかなか食べる機会はないかもしれませんが、御蔵島へ来たら是非食べてほしい郷土料理です!

御蔵島社会福祉協議会 宮本

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