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#15【秋田】ネギ農家さんとの出会い

前にも書いたことがあるんだけど、今日は秋田県での思い出
秋田を初めて訪れたときに私の「農業」に対する価値観が大きく変わったんだよね。
やっぱり現地に足を運んで直接目にして、話を聴くことってとても大切。
そう感じた出会いだった。

たった半日の農業バイト

友人と東北を旅してたときに、お互い農業に興味があったから、この機会に東北の農業も知りたいという気持ちで「1日農業バイト」に応募した。
そこでマッチしたのが白神ネギを生産する農家さん。

職場

私の仕事は、収穫されてきれいになったネギを束にすること。
3本を束にして機械にガッチャンてしたらシールが巻き付けられる。
みんながスーパーで目にするようなネギの束にする。
すごく単純作業で簡単なお仕事だけどずーと続けるのは結構大変だよ。

収穫されたばかりのネギ
皮を剥いて綺麗になった白神ネギ


農家の課題

私は和歌山の梅農家でアルバイトをしたこともあったし、そこでの経験を踏まえた上での日本の農家さんの課題は、深刻すぎる人手不足に、職場の高齢化、後継者問題、少し傷がついただけで商品にならない野菜たち。

廃棄のゴミたち

もう想像する以上に目の前には課題がたくさんだった。
特にネギ農家さんは大変そうだったね。

社長さん

職場を見渡すと20代は私と友人だけ。
平均年齢は、60歳は軽く超えてたかな。


社長のまっすぐな瞳

車で旅してたから、優しい社長さんが、よかったら今日は事務所に泊まっていくといいよ。
と言ってくれて結局1泊したの。

次の日の朝早く社長さんがやってきて少し話す時間をくれた。
話をしながら鶏小屋に行って、とれたて卵をくれたり笑
もらってばかりだったんだけど。

もらった卵ともらったネギと東北産のピーマン丸ごと焼き。
ご飯はこの入れ物で炊いたよ。これ以上ないお弁当作った!!!


「ちょっくらネギ畑見にいくか??」
って帰り際に声をかけてくれて。(とても優しい社長さん)

道中、前の車が社長さんの軽トラ

車で5分くらいの山の中にあるネギ畑に連れて行ってもらったのよね。

朝の気持ちのいい、冷たい秋田の美味しい空気。
車から出た瞬間広がる景色を見て「ふああああ」って幸せな気持ちになったのを覚えてる。
美味しい空気をこれでもかってくらい精一杯吸った。
目の前にはすんごい広いネギ畑が広がってた!

けど社長さんは少し寂しそうだった。

ネギ畑と社長さん

「今ここに見えるネギ、今年全部収穫できるかわかんねえんだよ。もうすぐ冬が来てこの地域はすっごい雪が積もるんだ。それまでに収穫を終えないといけない。けど、昨日見ただろう?人手が足りないから1日に収穫できるネギも限られるんだ。本当はガンガン収穫したいけど、こんな感じで人手が足りないから今は抑えて収穫作業してるんだ。3分の2収穫できたらいい方だべ」



いろんな説明を丁寧にしてくれた

「だからはなちゃん、またいつでも待ってるよ。今回は1日だけだったけど、本当に来てくれるなら1週間だけでも俺らは嬉しい。けど今回はなちゃんたちがきてくれてすんごい助かった、来てくれてありがとうよ」

そう言ってネギ農家さんとお別れした。

「農業」という仕事

帰り際なんと10キロほどのネギをもらって帰り、お手伝いに来たはずなのに想いだとか食材とかいろんなものをもらってばかりだった滞在でした。
たった1日に感じなくて、何日もいたんじゃないかってくらい居心地が良かった。
たった一日だったのに、働いている人も社長さんも温かくて、実家にいたような居心地と景色、この地が大好きになった。

「恥ずかしいよ〜」って言いながら笑う笑顔がとっても素敵だった


私たちはスーパーに行けば、食べたい食材や食べ物が並んでいるのが当たり前で。
簡単に手に入るって思いすぎているのかもしれない。
スーパーに並ぶまでに、たった1本のネギを作るために、どれだけ農家さんが一年をかけて、汗水流して働いてきたのかを全く知らない。

大変なのに、私の出会った地域の人たちはとても温かくて優しい人ばかりだった。

結局この後、私は秋田のこの農家さんのところに戻ることを即決したんだよね。
2週間後くらいに和歌山か福岡から東北へ飛んだ笑。
その時もすごく素敵な体験をしたからまた書こう。

少しでも農業とか日本の地域に興味を持ってくれる人が増えますように。
私はあの日を境にネギが大好きになりました。
白神ネギを超えるネギにはまだ出会ったことがなくて。
太くて立派で甘くて。
ほんっっとうに美味しいの甘いの、ネギって甘いの!!!
白神山地で育って、あんな自然豊かなところでできるネギは間違いないな。

社長さんもみんなも元気にしてるかなぁ、また秋田に帰りたいな。






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