個人で働くのは理想の働き方か
初めまして、花といいます。
約6年ほど個人でWebサイト運営しています。
2020年は近年の流れとコロナ禍が追い討ちとなり、
リモートで個人で好きな場所をオフィスとして働く
会社に頼らない個人で稼ぐ力を身につける
個人起業、副業、地方リモート、個人で稼ぐ。。
そんなワードがよく聞かれるようになりましたね。
この流行より数年前から脱サラして個人で稼ぐを実践している私自身が感じることをお話できたらと思います。
「個人で稼ぐ」働き方は全ての人への最適解ではない
会社員からフリーランス・個人で稼ぐワークスタイルになって、幸せになる人もいればそうでない人もいます。
近年はまるで
フリーランス、個人で好きなことをして稼ぐ、フリーアドレスで働く
ことが働き方の理想のように語られる風潮があると思います。
そして私自身も六年前、そう思っていました。個人で自由に仕事をするというのは理想のワークスタイルだと思って会社員を辞め、個人で事業を始めました。
場所に囚われずやる仕事も自分で全て決められる。
そんな働き方をすれば仕事の辛さからは開放され日々楽しく仕事ができると思っていたんです。(収益の不安定さは認識していましたが)
確かに働く場所を選びませんし、帰宅時間ギリギリに仕事を振ってくる上司もいない、やりたくもない仕事内容を嫌々やることもない。
個人で働く自由を感じてきました。
ただし、それと同じくらいの割合で、辛いと感じることも想像以上に多くあるとこの6年間で痛感してきました。
のちほど詳しく書きますが、
自由疲れ
自分の決断・責任との戦い
常に変わっていく環境に対応しないと生き残れない恐怖
など、個人で働いてみて初めて分かった辛い点は多くあります。
もちろん良い点もみなさんご存知の通り多くあるので、大事なのは
個人で働くことが自分の幸せを最大化するワークスタイルなのか?
ということを、もしこれから独立起業を目指している方がいたら、ちょっとでも参考にしてもらえたら幸いです。
個人で働く辛さとは
収益が安定しないとか、社会保険などが無いなどある程度大変だろうということは、個人起業を考えたことのある方にはわかると思いますが、
実際に数年間やってみないとわからなかったことが多くありました。
そしてほとんどのことはフリーで自由であることの裏返しです。
①自由疲れして結局固定化する
人は自由すぎると選択することに消耗し、結局ルーティン化していきます。
たとえば働く場所。個人で働く場合あなたはどこで働いても良いんです。
家でもいい、地元のスタバでも、都心のコワーキングでも、旅先のホテルでも。
最初のうちは今日はどこに行こうとウキウキします。
でも、人は「どこで今日働くか」という選択をするのにも脳のリソースを使います。
個人で働いていると仕事のほとんどは全て自分で意思決定するので、脳の「考えて選ぶ」というリソースがかなり消耗するんですよね。
そして本来なら楽しいはずの「今日はどこでやろう」というフリーアドレスが徐々に億劫になり、大抵の場合
自宅、指定のカフェ、レンタルオフィス
などに落ち着きます。
場所に限らず、ランチはどこで食べよう、仕事用のPCはどれにしよう、今度の仕事はいつまでに終わらせよう。。
全ての選択肢が自由で、徐々に自由疲れしていきます。
②誰にも相談できずに決断することの不安
どんな事業をするか、どうやって進めるか、どのクライアントと契約するか、スケジュールはどうするか。
全て自分で決められます。
それはつまり全て自分で責任を負うということでもあります。
それくらいはわかっているよと言う方もいると思いますが、会社であれば
失敗しても給与は維持される
誰かに相談できる
そういった環境がありますが、最も辛いのは
結果がなかなか出ないけどこのまま進めたほうが良いのか、自分のやり方はあっているのかという不安と戦うこと
で、どんなにスキルがあっても、結果が出るのが明日なのか1ヶ月後なのか1年後なのかはたまた永遠にうまく行くことはないのかわからない不安というのはものすごいメンタルを削られていきます。
ほんの些細なことでも、隣の人やリーダーに
「これってこうで良いでしょうか?」と軽くでも聞ける環境、同僚に「今やってる仕事がちょっと不安なんだよねー」とぼやけるだけでも、それって物凄く不安を軽減してくれる価値があったのだと気付かされます。
どんなことをするかの自由はありますが、その一方でその方向を選んだ責任・不安・そして収入が得られない、赤字になるなどの結果を全て自分で背負う必要があります。
③仕事をとりまく環境は変化し誰も助けてくれない
個人でいっときのみ利益を出せる人は結構います。
たとえば近年だとYoutubeが爆発的にユーザーが増え、動画編集のお仕事が今は引く手数多で稼げると言われています。
そこで今動画編集のスキルを身につけて稼げるようになったとして、数年間はやっていけるかもしれませんが、特にWeb業界は1〜2年でどんどん環境が変化していきます。
おそらく今年か来年には動画編集の仕事はスキルを持った人が溢れて受注単価の値崩れを起こすようになるでしょう。
そんな中でどうすれば生き残れるか?
環境は常に変化していくので、それを自分で考えて適応していく必要があります。
もう一つ例をあげればコロナ禍で売り上げが大きく落ちた個人事業者は多いでしょう。
そんな中で、コロナがなければこうじゃなかったのに。本当はうまくいっていたはずなのに…
そんなふうに言っている人はその後生き残れませんし、誰も助けてくれません。
今ある状況で何をすれば生き残っていけるのか、それをちゃんと考えて実践していく能力が個人で働き続けるには必要になってきますし、それを考えることが仕事の大半とも言えます。そしてこれはとても大変です。
④フリーランスだと仕事以外も好きなだけできるという幻想に苦しむ
会社員時代、フリーランスで働けば今疎かになっている家のこと、家事のこと、他の趣味のこと、いろんなことに時間がもっと割けると思っていました。
特に主婦あるあるですが、在宅で仕事をしていると家のことが気になってきます。
でも作業をしている今は仕事時間なので家のことはできていなくて当たり前なんですけど、
「家にいて時間に融通が効くのに掃除や家事ができていないことへの苛立ち」
みたいなものが生まれてきます。
さらに子供がいる方は、個人で働いていると正直その日1日は働かなくても半日休んでもそんなに仕事に影響が出なかったりすることもあるので
「それなのに子供を保育園に預けている私は。。」
みたいな気持ちが生まれたりするんです。
この辺は仕事時間をはっきりと明確に区切って、
フリーランスだから時間に融通をきかせて家事や育児など仕事以外のことをいつでもできる
という幻想を切り捨てる必要があります。
よく子供との時間をもちたい、ゆとりある生活をするためにフリーランスはぴったり、みたいな表現を見かけますが、
そんな育児家事の片手間でできるような仕事であればせいぜい月数万円程度の収入が限界です。
1日の時間は限られているので、個人で働くようになったからと言ってプライベートな時間が大幅に増やせるわけでは全くないのです。
その働き方で自分は幸せになれるかが大事
ここまで個人で働く際の辛い点を紹介しましたが、会社に縛られないから、好きな場所でできるから、どんなことをするか自分で選べるから、だから理想の働き方というわけではなく、最も大切なことは
自分がどんな働き方だと幸せなのか
を考えてそれを追求することだと思います。
ここはその人の価値観なども大きく関わるので、どんな働き方が最も良いかは一概に言えません。
私自身でいえば、会社員時代で一番しんどかったのは
自分がWebを通じて伝えたいことと会社の方針に沿って作るWebコンテンツに差異があること
結果が出せなかったときに自分だけでなくチーム・上司に迷惑がかかること
この2点でした。
ですので個人で働くというワークスタイルは
自分で好きなコンテンツを作って発信できる、かつその結果はうまく行ってもいかなくても自分にしか影響は出ない
ので私にとっては幸せ度が上がる選択でした。
ただしそんな私でさえ、何年もやっていると
同僚や上司に相談ができたこと、むしろ相談どころかちょっとした雑談でさえが息抜きになっていて大きな価値だった
自己責任とはいえうまくいかない、収益が出ないととてもメンタルが削られる(最低限は稼がないと生活できなくなるプレッシャー)
福利厚生や失敗しても給与が守られるなど、会社が自分を守ってくれていた
ということを年々痛感しています。
そして6年間のなかで、同じフリーランスで知り合った人たちのうち、個人でやっていたり中には組織化される人など様々ですが、一方会社員に戻った人や音信不通になってしまった人も半数以上います。
ですので、
場所や仕事の自由度だけでその働き方が優れているのかどうかは判断できません。
その働き方の先にある、あなたが仕事を通じて何で幸せを感じられるのか、考えるきっかけとなったら幸いです。
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