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99.革命には思想が必要。

①為政者は言論弾圧を行う。

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暴動と革命の違いは何か。それは、思想があるかないか。

暴動は不満からくる。長続きせず、何より後から続く者がいない。

長く続けていくためには思想を繋げていかなければならない。

為政者は、制度が崩れてしまうような危険思想は統制をかけ、時には弾圧する。

2015年。香港にある中国共産党を批判する本を扱っていた本屋の店主が突然姿を消した。8ヶ月後、失踪した店主は中国共産党に拘束されていたことが分かった。

彼は保釈され、中国共産党に顧客リストを渡すように要求されたが、拒否し、香港にとどまっている。

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フランスブルボン家も危険な思想を国内に持ち込ませないように規制をかけていた。

危険思想 = 自然権思想・民主主義思想。スライド10

外国からくる手紙や書籍を全て検閲をかけるのだ。

だからイギリスの王政が倒されたのにフランスは100年も王政を続けることができたのだ。しかし、全ての情報をとめることはできない。思想家らによってフランス国内に徐々に思想が入ってくる。

無知蒙昧な人々に知識という光を当てる。という意味の啓蒙が行われる。

②啓蒙思想

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フランス思想家ヴォルテール。著書は「哲学書簡

イギリス滞在中に、フランスの友人に手紙を送った内容をまとめたもので、立憲君主政などを紹介している。フランスの遅れた政治を批判し、発禁処分になった経緯がある。

立憲君主政とは君主の権力が憲法によって規制されている政体である。

王は存在する。

政治は議会が行う。

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フランス思想家モンテスキュー。著書は「法の精神

日本の江戸を含むさまざまな国の政治体制を調査して、

「独裁とは何か。」

を書いた。

独裁とは、「君主がいる」ということではなく、「権力が一部に集中している」ことだとした。そして三権分立を説いた。

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フランス思想家ディドロ。著書は「百科全書

思想家たちにお願いしながら20年間かけて、あらゆる知識を詰め込んだ書籍。また唯物論を唱えている。

神なんてものは存在しない。祈りがお腹が一杯になるか。願いが戦争をなくしてくれるのか。小麦を作るからお腹がいっぱいになる。抑止力が戦争をなくてくれるんだ。

世界を動かすのは、物理的なものであって、心理的なものではない。

③啓蒙専制君主たち

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西欧は貿易中心。だから商人たちが力をつけていくために、国王は貴族と手を組む。

東欧は農業中心。海がない、また凍るから貴族は農奴を使用して強大化。国王は市民と手を組む。

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オーストリアのマリア=テレジアの息子ヨーゼフ2世農奴解放令(1781)を出して農民を都市へと向かわせた。当然貴族たちが猛烈に抵抗し、改革は停滞する。

同年、宗教寛容令を出している。君主の宗派を民衆は信仰するところが、個人の信仰を自由にして商工業者が多いカルヴァン派の流入を図った。

プロイセンのフリードリヒ2世も啓蒙専制君主として有名。

ヴォルテールと文通し、啓蒙思想を積極的に取り入れた。

君主は国家第一の僕である。

③啓蒙思想の続き

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経済分野。医者ケネー。著書は「経済表」

主流だったのは重商主義。商業を厚く保護し、貿易を行い、貴金属を蓄えることを良しとする考え。これを批判したのがケネー。

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医者で名をあげたケネーは、ブルボン家に召し抱えられ、ヴェルサイユ宮殿で医療に従事していた。ここで、貴族たちの生活ぶりに困惑する。

ケネー「贅沢しすぎじゃないか?うちの実家はこんなに貧しいのに・・・」

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ケネーはフランスの金の流れを全て調べた。こうしてまとめたのが経済表。

ケネー「フランスで富を生産しているのは商人でも貴族でもない。商人が売っているものの原材料も、貴族が着ているシルクも、全て農民が作り出したものである。だから農民をもっと重視せよ。国の富は貴金属ではない。」

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では農民に保護をもっともっと手厚くするべきか。

否。否。否。

農民たちは勝手に生産してくれる。だから国が余計なことをしてやる気を削ぐようなことをしてはならない。

農家に補助金をむやみに出すと、彼らはやる気がなくなっていく。自由放任(レッセフェール)が一番だとした

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フランス思想家ルソー。著書は「社会契約論」「人間不平等起源説

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時計職人の徒弟から逃げ出してルソーはまともな教育を受けていない。

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彼の考えは既成概念にとらわれない独創的な思想を醸成した。

国家はどうやってできたのか。

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誰かがみんなの土地に柵をめぐらしこういった。

「ここは俺の土地だ。」

みんな面食らって、その手があったかと次々に柵を立てていく。

「ここは俺の土地だ。」

次に柵の囲い方にケチがつく。

「お前の方がなんで大きいんだよ。」

戦いが起きる。こうして柵のぶんどり合戦に勝ち続けた者がとなった。

ルソー「王は我々の自然権を奪ったのだ。だから王は打倒すべき存在だ。」

④ロックとルソー

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ルソーは、王は打倒し、土地はみんなのものだ。所有権という考えは悪だ。

ロックは、王は変更可能だ。必要だから。そして土地は自分のものであって売買可能だから所有権という考えは肯定する。

二人とも王は一度倒すことだけ一致しているだけでその後の政治体制について全く違う見解を示している。

ロックはアメリカやイギリスの革命に影響を与え、ルソーはフランス革命に影響を与える。

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ロックの思想はラファイエットが共感した。彼はアメリカ独立戦争に参加し、ロックの思想に直接触れた。ラファイエットがフランス革命の前半を主導する。

ルソーの思想はロベスピエールが共感した。彼は貧しく、頭脳明晰で政治家にのし上がった叩き上げの人物だ。フランス革命の中間を主導する。

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ロベスピエールは貧しい市民たちに好感を得た。貧しい農民は当時流行っていた半ズボンのキュッロットも履けないくらい貧乏ということでキュロットなし=サンキュロットと呼ばれていた。

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ロベスピエールは学校でたくさん勉強してる中でルソーの書籍を手にとって感化されたのだろう。

王は打倒すべきだ。所有権は悪だ。

そこへフランス国王が学校へ訪問してきた。ロベスピエールは代表としてラテン語で挨拶をした。ルイ16世はロベスピエールを見てとても賢い子供だと思ったことだろう。

のちにロベスピエールがルイ16世を断頭台へ送るとも知らずに・・・。

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