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とある同人イベントに参加した時の話。

去年の年明けすぐ、とある同人イベントに参加した時の話をします。直前まで、本当に開催されるかかなりやきもきしました。私はメンタルが即身体に出るタイプなので、全然眠れないし中途覚醒してしまい「流石に、今回開催はヤバいかもしれない」と思いながらハラハラしていました。それに年末に持病で身体を壊したばかり。はっきり言って行くべきではないのかも知れない。何より、家族や職場に移したらどう説明するんだ?という悩み。色々なこと、ものすごく悩みました。でも「行きたい」という気持ちを優先してしまった。家族も私の気持ちは理解は出来なくても、夜更けに制作している私を見ていてくれたのでしょうか。参加を許してくれました。普通なら反対して当然なのに、非常にありがたかった。それでも当日まで、開催するかは分からない。自分の作ったものを、自分の手で頒布する、その権利を勝ち取りたかった。なので私は私の意思で決めて今回参加しましたが、それに対して「無責任だ」とか「信じられない」と思う人も居たと思います。でも、言葉通り死んでも良いから頒布したかった。私の使える可処分時間とお金を注ぎ込んだ。だから死ぬ前に頒布したかったし、頒布出来たら死んでも良かった。そうしないと、一生後悔してしまう。

同人頒布における責任ってなんだろう?と、延々と考えました。同人誌を発行するのは責任が伴うもので後書きには必ず連絡先を記しますし、サークル参加には頒布ルールを守る責任が伴う。(マスクしているとは言え)顔を晒して、生身の体で相手と向き合って、自分が作ったものを配る。その時点で、私は十分に責任は果たしたと思ってました。でも、思い返せばやっぱり無責任だったのかもしれない。ニュースで観光地に溢れる人、警戒度が上がっても街を出歩く人。人それぞれ、楽しいは違う。この一年私は自分の行いをひた隠しにしながら暮らし、到底誰も責める気にはなりえませんでした。

今思い返してても、本当に楽しかった。あっという間、夢のようだった。私の為に参加して、私の為に頒布しました。これはもう100%どころか5000%エゴです。エゴしかない。私は私をこれまで活かして来てくれたものに恩返しをしたかった。こんな中でも、リスクがあるのにわざわざ買いに来てくれる人を裏切りたくなかった。私の拙い作品を楽しみにしてくれる人を、がっかりさせたくなかった。私を数字ではなく一人の人間として尊重して、楽しませて活かしてくれる場所に行く権利を諦められなかった。これ全部、無責任なエゴです。

確かにいつもより人はまばらでしたが、スペースまで来て下さって嬉しかった。本当にありがとうございました。もしかしたら一人も来ないのではと覚悟していたので、会場でお手に取ってくれる方がたくさん居て涙が出るくらい嬉しかったです。っていうか電車の中でウトウトしながら泣いてしまいました。制作中は色々辛いことや悲しいこともありましたが、やっぱり同人って良いなぁ。

余談ですが、会場内はとても配慮されていました。大多数の人はマスクをしていましたし、個人でアルコールボトルや除菌ウェットティッシュを持ってきてる人もたくさんいました。こんな時勢だからこそ、楽しまなければならない。こんな時だからこそ、盛り上がらなければならない。そういう、気概や熱意のようなものを感じました。私は、同人文化が好きです。アマチュアだからこそ出来る、あのエネルギーに溢れた会場と参加者が好きです。だから自分もそう思って、出来るだけ明るく接客したつもりですが「なんか失礼なやっちゃな〜」と思われたら申し訳なかったです。

これから何かあれば、また好きなものが弾圧されたりオタクは迫害されたりするかもしれない。色んな人が鬱屈を抱えていて、自分の怒りをぶつけてフラストレーションを晴らすことを娯楽や生き甲斐にしている人が多いように感じます。もしかしたら、何かあれば自分たちがまたその的になるかもしれない。小心者なので、そういう恐怖には常にビクビクしながら暮らしています。だから、きちんと開催してくれた運営や参加者の皆さんには感謝しかありません。私は絶対、去年のことを忘れません。運営さんは私たちを活かしてくれる場所を守ってくれて、本当に本当にありがとうございました。

こんな場所ですが、懺悔させて下さい。最後までお借りしたポスタースタンドの返却が遅くなってしまい、本当に申し訳ありませんでした。他にも小銭を溢しまくる、携帯を無くしかける、小銭入れが無いと焦る、行き違いになり二度手間をかけてしまう等、かなりご迷惑かけまくってしまったので、反省して次回に活かしたいです。でも、本当に楽しかった!次がまた、あることを祈って。