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幸せって多分そういうこと

とある小売りで働いてる。入って最初の上司とはだんだんと人間的に反りが合わなくなった。お互い「なんか嫌だなコイツ」となりながらも、まあ大人なんで弁えてなんとかしていた。漠然と「あっちが居なくなるか辞めるかしかないな〜」と思ってたら、聞いたことも無いような地方に飛ばされた。それがめちゃくちゃ嬉しくて、異動になるって聞いたのをニヤけるのを我慢して帰りに新しい服と帽子を買った。嬉しくってルンルンで店員さんに「何か良いことあったんですか?」と訊かれたけど言わなかった。仕事に関係無い無駄話ばかりしてくるから仕事教えて貰えないのを、聞いてないからってこっちの責任にしてくるか、本当に嫌いだった。あとね、今だから言うけど見た目が本当に無理だった。うっすらと嫌ってるのは伝わってたみたいだし多分もう会うことも無いけど、もしかしたらワンチャン戻ってくるからも知れないから気が抜けない。

次に上司になった奴、こいつは更に嫌な奴だった。というか、性格がねじ曲がって歪んでて本当に最悪だった。物事には言い方があるのに、わざわざストレスを与えるようなことばかり言う。自分のミスは棚にあげて人を責める。人の揚げ足を取ったり笑うくせに、プライドが高いから自分が馬鹿にされるとキレる。遅刻が当たり前で、嫌なことがあれば体調不良ですぐ早退。ゆとりかよ。とにかく自分の気分で人に当たる。毒親みたいな奴と一緒の空間にいるだけで疲れたし胃が痛かった。居なくなるまでの日にち、カウントダウンアプリを見ながら耐えた。あと何日...あと何日...居なくなればまた楽しくなるのかな。

そうして居なくなった今、めちゃくちゃ仕事が楽しい。嫌いな人間が居ないから緊張せず、リラックスして働けるからミスをしない。みんな口には出さないが居なくなってくれて仕事がしやすいし、やりがいを見出していきいきしてる。上司は「俺が居なくなったら回らない」って事あるごとに言ってたけど、そんなことは全くない。確かに役には立ったけど、あなたが居ないからって世界は滅びない。そういう傲慢さ、鼻について本当に嫌いだったんだよね。もう忘れかけてる相手について、にこにこしながら思い出す。そういや居なくなる日の前、「困ったらなんでも言って」って言われたな。そうですね、あなたがこっちに戻ってきたら困りますね。あいつ、多分「あなたが居ないと無理なの!」とか言われたかったのかな。キモ。そんなことを思い出しながら、ニコニコしながら仕事をしている。多分幸せってストレスとか苦しみが無いことで、私は今幸せなんだと思う。ワンチャン戻ってくる可能性あるから気が抜けない。嫌いな人間に嫌いだってバレてないのは、それなりに面倒くさいからね。