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14歳の栞

「14歳の栞」という映画の先行上映に行ってきた。

めちゃよかった…

中学2年生の1クラス全員に密着するドキュメンタリーで、一人ひとりの内面が描かれていく。というとNHK社会派ぽく聞こえますが、そういう感じではないです。

なんの事件も起こらない120分間、淡々とした彼らの学校生活。全員が主人公かつ全員がモブキャラというような。ドキュメンタリーだけど重くない。(そういうの退屈な人にはつまらない映画かも)

なんですが、中2という少年少女でもなく大人でもない曖昧な時期に、学校というとても閉鎖された社会で生きていくことが、彼/彼女らの言葉や仕草によって描かれており。まだ子供らしいおぼこい面もあれば、めちゃ考えてるんだな…という一面もあって。すべての行動に、緊張して、後悔して。それが35人ぜんぜん違っていて。しかも全員が、これまさしく俺だわ…と共感してしまうのがとても不思議。泣ける、でもなく、考えさせられるでもなく、でも深いとこをほじくられたような、ソワソワする新感覚でした。

ぼくにとっては、ちょうど、息子が春から中学生になる絶妙なタイミングで。あいつはどんな中学生になるのだろう。何に悩むのだろう。何を見つけるのだろう。ぼくはどこまでそれを関与できるのだろう。など親目線の自分と、自らの中2時代を振り返る自分がいました。まぁ、ぼくはいかに不良にシバかれないで過ごすかと、授業中にうんこを我慢するかしか考えてなかったけど。

何も起こらない日々。だけど、彼/彼女らの内面では、とても大きな感情が動いている。そういえば、とあるドキュメンタリー映像作家は、密着取材してると絶対になにか事件が起こる。それを軸に深ぼって映像をつくっていくのですよと言っていたが、この映画は(それができる場面もいくつかあったんだけど)あえてしないで淡々と35人を切り取っていた。内面に焦点をあてようとしたのではなかろうか。その伝え方が最高に心地よかった。

ちなみに、ぼくはごぼうくんが好きでした。
あとエンドロールのみんなで歩いてるとこ。最後に1人の彼がした決断も含めて。

いい映画でした。

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