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小さな花達が紫陽花になるまで。

緑が茂る森の中に、小さな紫色の花がたくさんいた。花達は小さいながらも、綺麗な紫色と美しい花びらを持ち合わせている。しかし何だか孤独で、自信が持てない日々を過ごしていた。

そんな時、その中のある花が声を上げた。

「小さな自分達は、それぞれ少しずつ違う紫色と美しい花びらを持っているのが魅力だけど、何だか弱々しくて、孤独で寂しげ。それぞれの良さも活かしきれないような気がする。」

その意見には他の花達も頷いた。だって皆そう思っていたから。

ある花は、こう続けた。

「だからこそ、皆で集まって一つの大きな花になったら、逆にもっと今の綺麗さや魅力が増すような気がするし、寂しさや孤独なんか感じさせないパワーのある素敵な花になれるんじゃないかな?」

小さな紫色の花達は、この意見にもちろん賛成だった。皆、本当は寂しさや孤独から解放されたかったのだ。

賛同した小さな花達は力を合わせ、手を繋ぎ合った。寂しさや孤独から解放された瞬間だった。

すると、まるで太陽の様に丸くて大きい1つの紫色の花になった。それも、単体だった時の良さも活かしたパワーのある美しい素敵な花に。

ある花の言った通りだった。皆で力を合わせて良かった。

こうして、私達は晴れて"紫陽花"となった。

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