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まこもの生き様がカッコイイんだよ

まこもが気になる点、その2。
それは、まこもの生態。
前回も書いたが、豪快な見た目から意外な「イネ科」。
ちゃんとかわいい赤いお花も咲く。けれど、お米をたわわに実らせる稲とは稲穂の重みも茎の太さも違って、とっても丈夫で、地下茎から繁殖する。
台風にも負けなさそうな、骨太なタイプ。
でも春先の小さな株の時に見れば、さやさやとたなびく黄緑色の葉はまさしく田んぼ。
そして、夏を迎えるとぐんぐんと成長してそのうち私の身長をゆうに超える背丈へと変貌する。茎もしっかりと堅く一本一本が堂々としている。
そして、秋になれば、茎の根元にみずみずしい「マコモダケ」が誕生するのだ。

これは、まこも一年生になって初めての出会いだった。
聞いてはいたし、ネットで写真も見たけど、本物と対峙すると、これがなんとかわいいこと。
まるで、竹が割れてかぐや姫がひょっこり出てきたような出で立ちなのだ。
なんで、茎が肥大化して、食すとこんなに美味しい野菜になれるのか。
蕪や大根とは違う、見慣れない白い可食部。
そして、この「マコモダケ」が結実する(正確に言えば実ではなく肥大化なのだけど)には、ある特殊な条件が必要なのだ。
それがまこもの生き様がカッコイイと私が思う一番の理由。


皮をむいていくと白いぴちぴちの「マコモダケ」が。生食できる。

「黒穂菌」に感染すること。

以前の記事でもこの話題は出したが、一応ここで説明すると、通常の植物であれば感染病の一つとされている「黒穂菌」に感染することで初めて「マコモダケ」は誕生するということなのだ。
そして、確かに黒い斑点はあまり見慣れない食べ物に見えるかもしれないが、ゴマ模様のようでほのかに甘く栄養価も上がり、人間にとって美味しく滋養のある貴重な菌食を両立した野菜になってくれる。
「黒穂菌」にあえて感染することを選び、「病」「敵」と捉えない道を選んだまこも。
マジョリティーが「悪」とする物質をマイノリティーのまこもが全身で受け止めて体内で「他の価値」に転換している。
まこもという植物だって、最初感染したときは自分の体がぷっくりしてびっくりしたり、体調悪くなって生命維持が難しかった時代もあったかもしれない。でも、受け入れるという覚悟決めて、自分の体内で循環させようと進化したのかもしれない。
はたまた、初めから、世の中の仕組みとして、「悪」とされている「黒穂菌」にも役割を見出すためにまこもは受け入れ役を果たしているのかもしれない。

なんか・・・これって、近年の状況の縮図にも見えて、そしてそれが「菌」だったのもあって、妙にまこもへの関心と尊敬の念が生まれたのかもしれない。

そういう生き様がカッコよくて、私はまこもが一気に好きになった。
しかも、水質や土壌の汚染も浄化してくれる働きも科学的に検証されていて、ますます注目度アップなのだ。


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