今回ご紹介する掌編小説は、カクヨム投稿の『あなたが見た情景』から「道ひとつ挟んだ向こう」です。

はじめて通る道が好き。
晴れた土曜日の裏通りとか。

いつからだったかな。
学校の帰り道とか、駅から家に帰るまでとか。
通ったことのない道を通ってみたくなっちゃうんですよね。
そういう感覚、ないですか。あると思う。ありますよね……？

通るときはたいてい人通りもなく、日が通っていて風だけが吹いているような、そんな穏やかな通りになっている場合が多かったような。
歩いて通り抜けたり、自転車でゆるーく漕いで抜けたり。

あと、表の大通りでは車の走行音が響き渡っているのに、ひとつ通りを外れるだけでそれが静やかなものになるというギャップも好きだったような気がします。

つまるところ、浸るのが好きなのかな。

割とイマもそうです。
初めての場所にワクワクする。
脇道に目を留めてみた情景、お楽しみください。

『あなたが見た情景』は、目の前の景色を眺めるように情景を思い描ける、ちょっとしたお話のあつまりです。

どこからでも何話からでも好きなところから読みはじめて大丈夫。
気になったタイトルをひらいてみてください。