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生粋の東北人presents「関西のススメ」

転職した。
新卒から勤めた東北の某企業を離れ、今年から初めて関西に住むことになった。縁もゆかりもまったく無い土地である。

関西といえば、東北人からすると「修学旅行で行くところ」というイメージをほぼ全員が持っている(たぶん)。
東京より遠いところは滅多に行くこともないし、ましてや転職して関西に住むと言うと、ほぼ全員に驚かれる(これは本当)。

まず東北人が都会で就職するとなると、生まれて初めて出会う都会・仙台が候補に上がる。そこで8F以上のビルやら駅前が2Fになっていて歩けることやら毎日祭りみたいな人混みに慣れたところで、勇気を振り絞って憧れの大都会・東京に出てみっか!となるのが普通の流れだ。

そのため、一つのゴールと言ってもいい東京よりさらに遠くに就職した話は、身近でまず聞かない。ましてや私のように縁もゆかりも無いとなると「なんで関西なの?」は当然の疑問となる。

実際、家族や友人、前職の同僚全員になぜかと聞かれ、転職時の面接や現在の職場の人にもほぼ100%なぜかと聞かれている。私だってそんな人間がいたら「なんでまた!?」と絶対聞いている。

ちなみに理由は、「普通に東京行っても芸が無いし、関西よくわからんけど面白そうだな」だけである。ノリと勢いで生きていることが露呈するので恥ずかしい。

* * *

私は「関西面白そう、たぶん自分に合う」と謎の確信歩きで乗り込んできた稀な東北人であるが、大半は「関西って治安悪そう、絶対話にオチ求められそう、ノリ合わなそう、そもそも関西弁が怖い」というイメージかと思う。

関西も関西人もTVでしかよく知らない存在なので、大人しい東北人は「なんやワレ!いてもうたるぞ!」みたいなオラオラ関西弁で詰め寄られてしまうと思っている節がある。母もそうだったし。

「巨人ファンを公言したら最後、道で阪神ファンに囲まれてしばき倒されるんだろうな!」くらいは私も思っていたが、実際巨人ファンも結構いらっしゃるので、特に隠れなくても大丈夫らしいとこちらに来て学んだ。

とりあえず、私の周りの関西人は明るくて優しい方が多いので、お母さん安心してください。

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今回の転職、あえて東京ではなく「未知なる土地・関西」を選んだことは、我ながらグッジョブだったなと思う。

こちらは東北人がほとんど居ないので、自己紹介だけでお手軽に強烈な印象が残せるのだ。唯一無二のキャラクターとして記憶してもらえる可能性が非常に高い。仕事する身としては、大変にありがたい環境である。

こちらが関西人をレアキャラと思うと同時に、東北人も実はレアキャラだったのだ。

そして、「もう2年くらい居るっけ」「関西合ってるよ」とよく言っていただけるくらいには意外と馴染んでいる。浮いてはいないらしい。

どこがどう馴染んでいるのかは推測だが、基本的には明るいとかフットワーク軽いとか…良い意味で「東北人らしからぬ部分」なのかなと思っている。

実は面接していただいた上司も「コミュ力高すぎやろと思ってた」と後から仰っていたので、関西人から見てもコミュ力が高かったようである。どうやら性格的にもナイスチョイスな環境だったのかもしれない。

このキャラクターを武器に、仕事・プライベート問わずどんどん関西人と出会っていきたいと考えている。直近の野望は「ヒョウ柄&紫ヘアーのおばちゃんからアメちゃんを貰うこと」だ。

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そのほか、私の思う関西の魅力をいくつか書いてみよう。

ここでは書ききれないが、こちらに来てからストックしている面白エピソードは現在20個くらいある。「ネタをためてやる!」くらいの気概のある方であれば、関西は特にオススメしたい。予想外のおもしろ事件にまあまあ遭遇できる。

あと酒が安い&おつまみが美味いから、ほぼ飲兵衛しかいない東北人にとって夜は天国だぞ。

それから、関西と同じくなかなか足を延ばす機会のない四国・九州も行きやすいし、日本海側でなければ雪が積もらないのはとても良い。
新幹線でピューっと行ける範囲も広く、年中スニーカーで過ごせるのは雪国民にとっては夢のようだろう。地理や気候も全然違って魅力的なのだ。

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東北と関西は互いに異なる部分がたくさんあり、さらに日々いろんな発見や出会いもありで、毎日楽しい。
勝手なイメージや固定概念みたいなものに囚われ、自分の行動範囲を狭めてしまうのは本当にもったいないなと、今回の転職を通して改めて感じた。

勢いで飛び込んでみても何とかなるし、人生はたくさん行動していろいろ経験してナンボのもんだと思うので、ぜひその第一歩として関西をオススメさせてほしい。特に私と同じ東北人には、刺激たっぷりだろう。

何なら関西人との交流を通して、「東北人らしからぬ新しい自分」も見つかっちゃうかもしれない。もう一回り人生が楽しくなってしまうな。

とりあえず関西、めっちゃおもろいで!


#創作大賞2023 #エッセイ部門


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