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40mm付近の微妙な焦点距離の単焦点レンズ(Fマウント)まとめ

50mmが「標準」といいつつ狭い感じがするし、35mmだとちょっと遠近感が強調されすぎる気がするので、40mmの「やさしい、自然な雰囲気」を求めて調べてみると、40mm付近にいろいろな選択肢があるのです。
(50mmが若干狭いと感じる理由は前の記事:フォクトレンダー ULTRON 40mm F2と「視線のモード」をご参照ください)

ULTRON 40mmを買うときに迷った記憶を思い起こしながら情報をまとめてみました。

ULTRON以外の40mm付近のレンズたち

AI Nikkor 45mm F2.8P (ブラック・シルバー)
Nikon PC-E Micro NIKKOR 45mm f/2.8D ED
GN・オートニッコール 45mm F2.8
TAMRON SP 45mm F/1.8 Di VC USD (Model F013)
SIGMA 40mm F1.4 DG HSM
Irix Dragonfly 45mm F1.4 IL-45DF-NF
安原製作所 MOMO100(NF)
YN40mm F2.8N 単焦点レンズ ニコン Fマウント

たしか、テッサー型のAI Nikkor 45mm F2.8Pが欲しくて迷っていたところにフォクトレンダーが発売されてそっちに流れた記憶があります。(別途CONTAXの167MTとTessarを買ったはず)

PC-E Microはちょっと特殊なシフトレンズ(アオリの補正ができる)なのでまた別の楽しみがありますね。

TAMRONの45mmは手振れ補正付きかつフルタイムマニュアルできるので、隔世の感がある現代のレンズです。

SIGMAの40mmも最新技術が注ぎ込まれた高解像度のレンズです。撥水防汚コーティングとか防塵防滴とかてんこ盛り。

IrixのDragonflyは、ケンコープロフェショナルイメージングが扱っている韓国メーカー(設計はスイス)のMFレンズ。

MOMO100は43mmのソフトフォーカスレンズという独特のジャンル。
解放F値は6.4で論理的にはピントが合っているけど輪郭もボケもソフトにボケるレンズです。F11ぐらいまで絞ると多少シャキッとしますが、そもそも「ソフトフォーカス」を楽しむレンズなので、デジタル対応の高解像度レンズとは180度向いてる方向が違います。

YN40mm F2.8Nは盲点でした。(2020.08.19追記)例によって公式サイトによると¥0という価格表示(楽天では1.5万円で売ってました)の謎めいたレンズ。最短0.3m、130gという軽さは話のネタになります。

あとは、仕事で使っていたマイクロフォーサーズ機でLUMIX G 20mm/F1.7 ASPH.も使ったことがありますが(かなり手頃なお値段)、これはちょっと歪みがひどくて四角いもの撮りづらい感じでした。でも、インタビューの撮影なんかはとても便利かつ40mm(フルサイズ換算)の特徴を活かした雰囲気を出せます。

歴代のコシナ フォクトレンダー ULTRON 40mm F2 SL

そしてフォクトレンダーのULTRONには初代から数えて4つの製品が発売されてきました。

ULTRON 40mm F2 Aspherical SL(2002.05-2007.03)【初代】
ULTRON 40mm F2 SLII Aspherical(2007.11-2012.02)
ULTRON 40mm F2 SLII N Aspherical(2012.07-2015.04)
ULTRON 40mm F2 SL II S Aspherical(2017.09-)【現行品】
※リンク先はコシナ フォクトレンダーの当時のカタログPDFです。いま(2020/08)でもちゃんとアクセスできるところが誠実!

SLⅡとSLⅡNには専用のクローズアップレンズ装着により0.45~0.25mの近接撮影ができます。現行品のSLⅡSでは最短撮影距離が0.25になり撮影倍率1:4を実現してます。

VMマウントやα-Eマウントならフォクトレンダー NOKTON 40mm F1.2やF1.4があるのでそれも非常に魅力的だけど、お値段もかなり張るので高嶺の花です。

40mm F2の画角とボケ、周辺減光

NOCTONのF1.2なら最短撮影距離(0.35m)で被写界深度が5mmの薄さになりますが、初代ULTRONのF2の最短(0.4m)でも1cmなので結構な立体感のある描写をしてくれます。

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放置された自転車の錆びたハンドルにピントを合わせた。
(Nikon D810 ISO100 F2 1/400 絞り優先 露出補正なし)

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マンションの廊下に垂れ下がったミノムシ。奥に向かってなめらかなボケ。
(Nikon D810 ISO100 F2.8 1/1600 絞り優先 露出補正なし)

そしてF2の解放だとヴィネッティング(周辺減光、口径食)が結構出ます。

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周囲が明るいと減光は目立ちますが、それがこのレンズの個性でもある。
(Nikon D810 ISO100 F2 1/1600 絞り優先 露出補正なし)

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F5.6まで絞るとすっきりします。
(Nikon D810 ISO100 F5.6 1/160 絞り優先 露出補正なし)

ヴィネッティングは気になるならRAW現像時にすっきり補正できるので、むしろボケの流れ具合と合わせた時にオールドレンズ感が出せるところが魅力です。

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解像感はF8かF11がピークっぽい。
(Nikon D810 ISO100 F11 1/320 絞り優先 露出補正なし)

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ピントリングの無限遠近くはスパンが短くスピーディーな操作も可能。
(Nikon D810 ISO100 F8 1/320 絞り優先 露出補正なし)

「やさしい」修理対応

実は引き出しの奥から出してきて家族を撮影したら「やっぱり、いい感じ」と思ったのはたしかなんですが「ソフトや〜。ええな。あれ?こんなに霞んでたっけかな?」となり、よくみると曇りが発生しておりました。

そして、自分で修理しようと試みるも曇り面までたどり着けず、絞り羽根の組み直しに失敗する始末。

コシナのWebサイトから修理を依頼したところ丁寧な対応で修理を受け付けていただき、3週間ほどで戻ってきました。

Ultron 40mm F2 SL
・後群にクモリ有り、クモリレンズは交換し、レンズ内クリーニング。
・絞り機構組方が間違っているので、オートレバーで羽根作動していません。絞り機構分解し、組直し。
・フォーカスバックラッシュ有り、キー、ヘリコイド作動調整。
・∞ピント、解像調整。
修理見込み金額 ¥14,580.-

Nikonの35mm F2 Dも二度修理してますが、気に入ったレンズは修理して戻ってくるとさらに信頼感が増しますね。ちなみにこの35mmを1.2クロップで使う(結果42mm相当)のもかなり気に入っていて、最短撮影0.25mで被写界深度5mmの薄さを味わうこともできます。

ピント面を追い込みたい方はこちらの記事もご参照ください。

(2020.08.02 追記)
SIGMAの40mmとIrixのDragonflyが抜けていたので追記しました。Tessarの綴りを間違えていたので修正。
Fマウント以外ならノクトン(40mm F1.2)とかマウントアダプターでそれこそTessar(45mm F2.8)を使ってみたり、さらに幅が広がりますね。

(2020.08.19 追記)
ヨンヌオの40mmというダークホースがいたので追記しました。なぜかフィルムカメラとの互換性がないとの記述。謎です。

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