[翻訳]ドイツでの報道例——森友学園の国有地不正取得疑惑と安倍夫妻の関連について

ひと——安倍昭恵

日本国首相夫人、ある名誉職に就任していたことで論争の渦中に

2月26日、クリストフ・ナイトハルト

原文記事 Profil: Akie Abe - Süddetche Zeitung

安倍昭恵夫人は独立して行動する人物だ。たとえば東北における誇大妄想じみた津波対策の防潮堤建設を視察したときのように、しばしば夫・安倍晋三首相の政権を批判している。LGBTのデモに参加して共に行進したり、安倍首相が与する民族右派について怒りを表したりしている。安倍首相は、食料品産業の実業家の娘である昭恵夫人が官邸に真っ向から対立する意見を持っていると好意的に述べている。

とはいえ異なる見方をすることもできる。つまり、子どものいない54歳の昭恵夫人が、夫に代わってさまざまな仕事を引き受けているという見方だ。だから彼女は、首相の代理として、日本人戦死者と戦争犯罪人がともに祀られている靖国神社に参拝したのだ。批判者にとっては、昭恵夫人の自由なふるまいは、計算されたもののように見える。彼女は、右派の国粋主義者である自分の夫を、よりリベラルで穏健であるかのように見せている。だとすると、それによって彼女は自分の夫の支持率を稼いでいるのだ。

大阪の塚本幼稚園への関与をめぐって批判を浴びた今では、安倍昭恵夫人は確かに関係を絶っている。その幼稚園では、4歳児に、曾祖父母の世代のように軍隊の隊形を組ませて行進させている。園児に国歌を教え込み、明治天皇の『教育勅語』(1890年)の暗唱を強要している。そのなかでは支配者への忠誠と両親への愛が同一に扱われ、小国民たらんとするように求められており、必要な場合には毅然として自己を祖国のために犠牲として捧げよと言われている。幼稚園の指導者陣は幼児に「世界で最も純粋な民族に必要な」「愛国心と誇り」を植え付けようとしている。差別主義的な文書を保護者の家に送りつけて、「まるで日本人のようなふりをしている外国人」などと決めつけている。またある文書では「私は差別はしておりません、しかしながら心中韓国人と中国人は嫌いです」と書いている。安倍首相のほうはといえば、著書『美しい日本』の中で彼は1930年代の社会の回帰を夢見ていたのだった。彼が長年唱えてきた「愛国教育」を、塚本幼稚園は着々と準備してきており、拡大しようとしている。森友学園本部は私立小学校の設立計画を進めてきており、安倍昭恵夫人はその名誉校長への就任を承諾していたのだった。

森友学園は安倍政権のおかげで、新校舎の用地を見積額10億円弱のところ1億3400万円で手に入れている。しかも森友学園が主張するところによれば、86%もの割引が行われたのは、土地が汚染されてしまっていて処理のために10億円弱かかったからだという。高まる批判のなかで、安倍首相は、自分と昭恵夫人は土地売買に関与していないと国会で断言している。万が一関与していた場合は、彼は政治家を辞めるとしている。


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