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オフィスワークVS保育士の仕事、比べてみると

自己紹介の記事でも書きましたが、私は新卒で就職してから出産するまでの13年間、営業や管理部門でまあまあひどい部類の社畜として働いてきました。

出産をきっかけに保育士に転身して、仕事の内容はオフィスワークから現場に、PCでの仕事から対人にと180度変わりましたが、あえて比べてみるとどこが良くなってどこが難しくなったか、考えてみました。

比較した項目:
①残業時間
②給与
③やりがい
④人間関係
⑤評価

①残業時間

◯保育士の方が短い

残業時間は、転職して短くなりました。
前職では出産前はほぼ毎日終電、土曜日も勤務ありで月の残業時間は100時間を超えていました。(ちなみにサービス残業でした)
出産後は時短になりましたが、それでも持ち帰り仕事は毎週のようにあり、保育士になった今より長時間働いていました。

②給与

×オフィスワークの方が高い
(借り上げ社宅制度利用なしの場合)

転職して、正直給与は大幅に減りました。
前職では勤務年数が長く役職にもついていたこともありますが、前職の入社後の給与よりも下がりました。

ただ、保育士の借り上げ社宅制度を利用できるのであれば、月約8万円の家賃補助が出ますので、これが受けられれば前職の入社後すぐより高い金額になります。

③やりがい

◯保育士の方がやりがいあり

これは大差で保育士の勝ちです。
前職は管理部門で、仕事のための仕事や問題事案の対応、あげく役員の社内政治のための資料作成等、複雑になればなるほど「何のためにやってるんだろう」と考えることも多々ありました。
保育士の仕事はダイレクトにサービスを提供する立場ですので、自分の仕事の意義は疑問に思うことはなくなりました。

④人間関係

▲引き分け

これはどちらも変わらないな、という印象です。
オフィスワークでも保育士でも、どちらも「この人と働くのはしんどいな」と思える人がいました(どちらの人も退職しましたが)。

どんな職場でも自分と違う価値観の人がいるのは仕方がないのかなと思えるようになりました。

⑤評価

×オフィスワークの方が評価しやすい

この点が今一番悩ましい点です。

オフィスワークでは、半期に一度目標設定をし、終了後にその成果を評価して、賞与や給与が決定しました。
目標は全て測定可能なものに設定されていたので(業務効率化、予算削減、新規プロジェクト進捗等)、上司の自分への評価はだいたい納得のいくものでした。

一方保育は、測定可能な目標を掲げ、評価することが難しいと感じます。

例えば行事等の担当になって前年と違う工夫をするとか、スケジュール通り準備する等は評価しやすいですが、行事は保育士のメインの業務とは言いにくいと思います。

担当するクラスの運営が、年度始めに立てたねらいをどの程度達成しているか、測定することはできるのでしょうか?

厚生労働省が作成した「保育所における自己評価ガイドライン」には、保育の実践における振り返りの視点の例として、下記の事項が挙げられています。

• 安全の管理や健康状態への配慮などは、十分に行えていたか
(保育中に気になったことはないか)
• 一日の流れや子どもの遊び・生活の連続性に配慮した保育となっていたか
• 指導計画において設定した保育のねらいや内容は、子どもたちの実情に即していたか
• 環境の構成は適切であったか
(空間の確保、物の位置・配置・数・扱いの複雑さの程度、時間の調整など)
• 保育士等の関わり方は、適切であったか
(援助、言葉のかけ方、行動、タイミング、職員間の連携など)
• 状況に応じて、柔軟な対応や保育の展開ができていたか
(計画作成時の予想と実際のずれ、子どもの発想・気づき・思いの捉えや受けとめなど)

保育所における自己評価ガイドライン

どの項目を見ても、「配慮」「実情に即する」「適切」「柔軟な対応」等、定性的な言葉が使われていて、どれも測定することは不可能です。

この視点は、誰が評価するかによって結果は大きく左右されるでしょう。

ただ、保育において測定可能な成果をもとめると、「全員オムツが外れる」「運動会に全員参加できる」「好き嫌いせず食事を完食できる」等、子どもを大人が決めた型にはめることに繋がってしまいます。

個人的には昨今報じられている保育園での虐待及び不適切な保育は、ほとんどこの「子どもを望ましい姿にしつける」ことを目標とするために起こってしまっていると感じているので、子どもに関することでの測定可能な目標は避けるべきだと考えます。

この、誰が上司になるかによって大きく変わってしまう評価が、オフィスワークと比べて一番難しいと感じました。


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