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食事

顎を動かしたいが為だけに肉を喰らう。
否、正確に言えば喰らいたい為に喰らう。

ところで。
私は、何を喰っているのだ?

答えを求め、血みどろになりながら魚を捌く。
「お前は、私が殺す。」
頭を切り落とし、歓喜の雄叫びをあげる。
「お前の命は貰ったァ!」
この手で、お前を殺して、喰らう。
そして、私は、生きる。
己で捌いた魚ほど
おいしく愛おしいものはない。

…ああ、豚や牛もこの手で捌いてみたいものだ。
そんなことを言うと今の世界からは追い出される。
…ああ、なんてものが、夢になってしまったのだ。

でも、
だって、
散り散りになってしまっているから、
私には、これが何だか分からない。

私はただ、
私が何でできているのか、
私は何故生きていられるのか、
知りたいだけなのに。

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