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親と同居している独身者が健康保険制度を徹底的に活用する方法

健康保険制度を活用することで、医療費や介護費用の節約にもなります。また場合によっては、子供の節税になったり、親の健康保険料(介護保険料)の節約にもなります。

この記事を読むと、健康保険制度の概要、傷病手当金、高額療養費制度、高額介護サービス費、親を扶養に入れるべきかどうかといったことがわかります。

健康保険制度の概要

健康保険制度とは、すべての国民が加入することが義務づけられており、公的な医療機関で受診すると、保険給付が受けられます。

保険料は?

社会保険に加入している人の健康保険料は額面給料の約5%です。40歳以上になると、介護保険料として1%上乗せされます。

また、75歳以上になると後期高齢者医療制度に移行し、月平均6500円の保険料が年金から天引きされます。

年金制度とは違う制度になるので、年金制度を知りたいかたはこちら

給付額は?窓口負担額は?

健康保険制度に加入している方で、例えば入院したとしましょう。医療費が100万円かかったとしても、健康保険制度の方が7割出してくれるので、自己負担は3割で済みます。

高額療養費制度

ご存知の方も多いのですが、上記の3割負担よりももっと安くできる場合もあります。高額療養費制度を活用すると、収入によって月の医療費の限度額が決まっています。

69歳以下の高額療養費制度

例えば、年収500万円の45歳独身女性が乳がんで入院して、100万円の医療費がかかったとしても、上記のウに当てはまるので8万100+(1,000,0000267,000)x1%となり、87,430円で済むということです。

ちなみに70歳以上の高額療養費制度はこちら

70歳以上の高額療養費制度

あと、世帯合算もできます。

高額療養費制度の世帯合算制度

高額療養費制度の申請方法

加入中の健康保険組合に申請すると用紙が送られてきますので、それに記入すると自己負担した分が返金されます。

また、限度額適用認定申請書を予め医療機関に提出していると、高額療養費制度を適用した後の金額のみ支払えばよくなります。

入院が決まって時間的余裕があれば、限度額適用認定申請書を取り寄せ、医療機関に渡しましょう。

傷病手当金

病気やケガで仕事を休んだ期間に支給される制度です。一日に付きおおよそ月の給料の2/3が支給されます。

ですが、ここから健康保険料や厚生年金などの社会保険料は元の給料水準のままで天引きされることになります。

傷病手当金のシミュレーション

傷病手当金をもらう前の手取りともらった後の手取りを比較してみましょう。

傷病手当金をもら前の給料月40万の場合

手取り 約33万円

傷病手当金受給後の手取り・・・約22万円

手取りは2/3どころか、半分近くまで下がっています。なぜなら社会保険料は前の給料水準で計算されているからです。

傷病手当金があるからなんとか行けそうと思っていても意外と手取りが少ないという現状を理解しておいてください。

介護保険制度の概要

介護が必要になった時に所定の介護サービスが受けられる社会保険です。65歳以上の方は要件はありませんが、40~64歳の人は加齢などに起因する特定の病気のみ対象になります。

例えば、老人ホームやデイサービス、ホームヘルパーなどの費用を負担してくれ、自己負担は1割で利用できます。

介護保険料は?

介護保険料は40歳から支払うことになります。健康保険料と合算で給料から天引きされ、保険料は給料の約1%です。

サービス内容、費用の概算

介護サービスの費用と概要

要介護5に行くほど重くなります。要介護2で日常生活に不便を感じることが出てくるイメージです。

高額介護サービス費

医療保険の高額療養費制度と同じく、高額になる介護費用の限度額が下記のように決まっています。

高額介護サービス費

親と同居している独身の方の社会保険活用事例

親と同居している独身の方が社会保険を徹底的に活用する事例をお伝えします。

親を扶養に入れる

親を扶養に入れることで、下記のメリットがあります。

本人の節税になる。
親が単独で払っている健康保険料や介護保険料が不要になる。

要件は?
親が75歳になると、扶養に入れないのでそれまでの期間になります。

デメリットは?

親が介護状態になると、介護費は世帯合算の収入で見られます。その際は自己負担額が高くなる可能性があります。

親を扶養に入れるシミュレーション年収500万

年収500万円の45歳、親の年齢は70歳で年金収入が158万円以下の場合。

親を扶養に入れる前の手取り・・・約385万
親を扶養に入れた後の手取り・・・約402万

扶養に入れると、約17万円節税できるというシミュレーションになりました。

親の医療費の自己負担割合が変わるか?

扶養に入れても、親の医療費の自己負担は変わりません。

親の介護費の自己負担割合が変わるか?

介護保険には扶養という概念がありません。ただ、介護費用は世帯合算の収入を基準に計算されます。

要介護で施設を利用する場合は、一般的には世帯分離をして別々の世帯という形にする方が介護費用を安くできます。

まとめ

親を扶養に入れるには条件があります。

  • 75歳以下

  • 年金収入158万以下

年収500万の人が両親を扶養に入れるとざっと17万円の節税に。

医療費の自己負担が上がることはない。

介護費用は世帯収入で見られるので費用が上がる。節税分との兼ね合いになるが、ほとんどの場合は介護費用の方が大きくなる。世帯分離をして介護費用を抑えるのが得策

Q&A

Q、最終的には生活保護があるから大丈夫?

社会保障制度で、生活保護制度があります。最低限の暮らしはできますが、あなたが望む生活がおくれるかどうかです。例えば、生活保護であれば貯金や投資などの運用はできない、高額な嗜好品や趣味にはお金を使えない、生活保護者ばかりが住んでいる団地などに引っ越しという条件になります。つまりかなりの制限された状態で生活をしていかなけばなりません。



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