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とびきりの、エゾシカでの中国料理に祝杯を。

サッポロ名物ホワイトイルミネーションの美しい夜に、とびきりの中国料理をいただきました。ホテル札幌ガーデンパレスの赤坂四川飯店・安藤シェフのお料理です。

前菜のひとつは、若いししゃもの八角のマリネと、ザ・四川テクニックで揚げたもの

ほっぺたを落としまくり・・・。
北海道のとびきりの食材が続く中でのメインは、


「エゾシカの脛肉とアキレス腱の酸辣煮込み」です。

北海道では、天敵のオオカミがいなくなったあと、自分たちの天下であーる!とばかりに鹿が増加してきました。
わたしは千歳から支笏湖に抜ける道で、鹿の行進に出会ったことがありますし、えりもでは、車のすぐ横の道路の側溝を鹿が歩いていたことがあります。
なんと札幌市中央区の幹線道路でも大きな蝦夷鹿が目撃されたことも。
やつらはかわいい風貌ですが、収穫時の農作物を食べつくしてしまいます。
そんな中で、鹿肉を食べようキャンペーンが行われたりしましたが、
一発で仕留めないと血が肉にたまってしまって臭い。鮮度維持が難しい。
漁師が少ないので鹿の増加に追い付かない、と一般への普及は難しいのです。

安藤シェフはそのエゾシカを、揚げてから煮込む、などの中国料理の技法で、一品に仕立てようと考えました。
その時、ご自分の中によみがえった味は、10年前に師匠の陳建一さんと台湾のホテルで食べた野菜と肉骨、スパイスを使った牛肉麺だったのです。

しっかりした味。肉と野菜とのバランスのとれた、まろやかに感じるスパイス。
最初の試作は、ちょうど手に入った熊の掌でやってみたとか。
臭みをとって他の素材を活かしながら調理するのが、自分的テーマでした。

そしてできたのが、こちらです!

硬~いはずのエゾシカの脛肉は、ほろっと崩れる柔らかさに。
腱のゼラチン質がぷるっぷる。
ソース、いやスープ?の味は、みんなが知っている味で例えるとハヤシライスのソースに少し似た甘酸っぱくて辛いシチューの感じでまろやか。
全体をまとめるのスパイスは、効いているのだけど、確かにまろやか。
まろやかつながり。

脛と筋という部位がおしゃれで味わい深い、
おいしいレストランの料理に仕立てられました。

そして、この料理で安藤シェフは、2021年の「現代の名工」に選ばれたのです。👏👏👏


北海道新聞の記事

シェフは、北海道食文化研究会のメンバーとしても北海道素材を研究しています。

昨年の夏、北海道食文化研究会では、コロナ禍で自炊する学生へ動画を作成しました。撮影も編集も学生と担任教授です。

学生に料理を教えるのは会員のシェフで、トップバッターが安藤シェフ。
わたしはコーディネートのお手伝いをしたのですが、繰り返して使えて学生が好きそうな味の料理を、作る彼らの身になって考えてくださったのです。


北海道食文化研究会は、北海道大学の研究者と料理人が食について共に考え、科学的な分析を加えながら、北海道の食の歴史と、食を取り巻く環境を再認識しつつ、北海道の食文化と調理技術、食の近未来を模索する目的で設立されました。(設立目的から)

そんなわけで安藤シェフへのお祝いを兼ねて、北海道食文化研究会幹事会忘年会を、四川飯店で行ったのでした。

お祝いされる人が働くお祝い会なんですけどね。(笑)。

安藤シェフの「現代の名工」受賞が嬉しいです。
おめでとうございます!

四川飯店だもの、麻婆豆腐の写真を載せなきゃね。タチ入りのスペシャルバージョンでした。旨っ!



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