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麻雀のルールを変えたい

麻雀のルール。

非常に面白いものでありながら、役自体の複雑さや、難解な得点計算方法などが初心者の障壁となっていると言われて久しいものです。

以前からこの課題を打開しようとする動きはありましたが、最終的には一般化されていません。

何故なのか?
その答えは、どうやらこんなところにあるみたいです。

おっしゃるとおり。
世の麻雀を楽しむプレイヤーの多くが、この「どっちでもいい」という考えなのだろうと思います。

ただ、麻雀の普及啓蒙を真剣に考えている人たちが寄ってたかって取り組んでも、最終的にはこの「ルール難しくね?」問題の真の解決は未だ叶っていないところが根の深いところ。

まずは、現代麻雀のルールの歴史について簡単に触れておきます。

現代麻雀の基礎

「報知ルール」。
1952年に定められたのち、1996年に平成版として改訂されたものを含め、長らく「麻雀のルールの基礎」として活用されていました。

「報知ルール」が何故現代麻雀のルールの基礎となっているのか?
たくさんの理由はあるのでしょうが、私はひとえに、
「リーチ」
を定義したものであるから、と言えると私は思います。

当初、「リーチ」は配牌で聴牌していた場合に宣言できたもの、とされていました。
現在で言うところの「ダブルリーチ」がそれです。
しかし、第二次世界大戦中の混乱期に、
「配牌だけじゃなくて、とにかく門前で聴牌したらリーチで良くね?」
と誰かが言い出したものが爆発的に流行し、懸賞牌(ドラ)と共に報知新聞紙上で統一ルール(報知ルール)が掲載され、統一的なルールが世に広まっていったとされています。

もともと麻雀は博打でありましたので、スリルと射幸心をあおるために内容がインフレ化することは度々ありました。
その中にあって、インフレ化に直結する「リーチ」と「ドラ」が明文化されたのは、まさに現代麻雀の基礎と呼ばれるにふさわしいでしょう。

しかし、それが制定されてから70年以上が経ち、麻雀をとりまく情勢は大きく変化しました。
麻雀が、博打の道具から「文化」「頭脳スポーツ」として社会的な地位を確立するなんて、当時の人たちは思いもしなかったでしょう。

時代が変わり、麻雀の立ち位置は変わりましたが、変わらないのがルール。
「難しくても覚えなければ仲間に入れてもらえない」
という麻雀ブームの時代…いわば「売り手市場」の時はそれでも良かったのでしょうが、現代はより多くの愛好家を増やしたいという「買い手市場」。
初心者やライト層に向けて、麻雀の障壁を壊してあげる作業が絶対に必要な時期です。

なのに、1,000、2,000と得点が翻数によって倍々になっているのに、何故急に「3,900」という点数が出てくるのか?
という点があるだけで、「わかんないからいいや」と麻雀から遠ざかっている人が現実にいるのに、麻雀は数十年に渡ってその問題を放置しています。

また、難易度や出現率によって決められているはずの翻数が、何故かそうなっていないことも問題です。

門前のホンイチと二盃口が同じ翻数なのはおかしくない?
三色同刻と門前の三色同順が同じなのは?
あれだけでない三槓子が2翻なのは変じゃないか?

そういった問題に立ち向かった例があります。

画期的な「北海道最強位戦」ルール

土田浩翔プロをはじめとする、北海道の打ち手が集まった「北海道最強位戦」で採用されていたルールです。

私、最初は、
「土田先生がなんか言い始めたぞ(笑)」
位にしか思っていませんでしたが、定められた通常と違うルールの一つ一つに意味と考え方が込められていることを知っていき、最終的には
「ベストではないけれど、より完全なルールに近いもの」
という思いを強くしました。

すべてをここで語ることはしませんが、特徴的なところを列挙します。

まずは手役について。

・一発役や裏ドラは紛れを助長させるおそれがあることから採用しない。ただし、嶺上開花及び海底、河底役は技術によって発生の可否をコントロールすることが出来るため採用する。
・三色同刻、三槓子は難易度が高いことから4飜とする。
・混老七対子は両方合わせて5飜とする。
・純粋な国士無双の13面待ち及び九蓮宝燈9面待ちは難易度が特に高いため5倍満(子40,000、親60,000)とする。

「見えている部分で勝負する」
ことを主眼に置いたルールであることから、偶然役はなるべく排除しつつも、「見えている偶然役」については、それをモノにするのも防ぐのも技術だよね、という点が良いなと思います。
また、難易度と得点のバランスについてはこのくらいかなと。
このルールで十数年打ちましたが、ある程度の納得感があります。

その他の特徴的なものについて。

・リーチ供託は、その局で和了した者が取得するが、流局した場合は卓外に供託し、誰のものにもならない。
・積み場は廃止。常に0本場。
・場ゾロ込み7飜以上の和了は、子2,000点、親3,000点を加算する。
(例)リーチタンヤオピンフ三色を出和了りした場合、
   子は10,000、親15,000
   リーチツモタンヤオピンフ三色ドラの場合、
   子は3,500‐7,000、親は7,000オール

リーチ供託については、次局以降に和了った人のものになりません。
リーチを打つ際のリスクは当然に支払うべきですが、次局以降の和了者がそれを享受するというのは、本来無関係な話。
だったら卓外に出しちゃえば?という考え方は理に適っていると思います。

単純に数が増える度に2,000(3,000)点増しになるのは、通常の満貫と「1翻余りの満貫」が同価値なのはおかしいよね?ということ。
その矛盾を解消できるのは競技的にかなり良いことだなと考えています。

今すぐやりたい「点数のデノミ」

で、ここからは私見。
これに倣って符を廃止して↓

簡易点数表。ね?簡単でしょ。

この表のようにしてしまえば、初心者の方にも簡単になりませんか?

「親は子の得点の1.5倍(ヤオアルの原則)」
とされているのに、700-1,300のツモ和了はそうなっていない矛盾も、これで解消できます。

え?
暗刻や槓子は符が高いから、その分点数が高くないとおかしくないか?
ですって?

じゃあ、
「二暗刻」という役を作って1飜、「三暗刻」は3飜に。
「二槓子」という役を作って2飜、「三槓子」は4飜とすれば、加点を評価できますよね。
リーチ供託は1点出すという位がちょうどよいバランスでしょう。
あと、私の大好きな七対子は2飜(子で4点)スタートでお願いします。

符の原則が無くなりますから、飜牌がアタマでもピンフになるので、つまらないチョンボともこれでサヨウナラ。

100点棒もなくなるので、点棒授受もスムーズ。
もう一つ言うと、点棒を廃止して点数表に都度得点の動きを書いていけば、お釣りを間違ったなどのトラブルもなくなります。

そもそも、競技者がスコアラーも兼任するっておかしいでしょ。
バスケットボールで、点数を入れた人がスコアをペラペラめくっているようなものですから。

やれ両替だの、積み場で100点棒がジャラジャラするだの、受け渡し間違えてゲームが台無しになるだの…。
昔から点棒ってどうにかならないかと思っているんですよね。
もううっとうしいから、この際点棒廃止!

たったこれだけのことですが、数十年に渡って悩まされてきた様々なトラブルをゼロに近づけることが出来ます。

ただ、間違えたくないのは、今までの麻雀は「文化」として語り継いでいくもの。
否定してはいけないと思います。
それはそれとして尊重しつつ、これから麻雀に触れる、学ぶ、習う人には、極力難しさを排除してあげて、一刻も早く麻雀の楽しい部分を見せてあげたい。
なるべく早い時期のルール改定を望む理由はその一点です。

全部は無理でも、簡易得点表と点棒廃止は今すぐにでも…。

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