千嶋辰治(フリーライター)

北海道在住。 キンマweb(https://kinmaweb.jp/)にてMリーグや麻…

千嶋辰治(フリーライター)

北海道在住。 キンマweb(https://kinmaweb.jp/)にてMリーグや麻雀最強戦の観戦記者を務めています。 麻雀のことから、おっさんの昔話まで。 とっ散らかりながらいろんなことを書いてみます。

マガジン

  • 本当に強かった10人のプロ

    実際にお会いした素晴らしき麻雀のプロフェッショナルを紹介します。

最近の記事

誰よりも高く跳べ!

物議を醸した「あの」企画が始まった4月1日に発売された近代麻雀5月号から4号連続で開催される「麻雀最強戦2024出場プロ読者アンケート」が始まりました。 そのエントリー数、実に67名。 投票でトップになると麻雀最強戦に即オファーされ、2〜9位になると来年の麻雀最強戦の出場権が得られますが、かなりの狭き門のようです。 昨年行われたアンケートでは、原えりかプロが誰もが考えてもやらなかった「大量買い占め大作戦」で耳目を集め、今年の麻雀最強戦でしっかりと爪痕を残しました。 しかし

    • 雨上がりに、もう一度。

      外は雨。 夏の時期特有の通り雨だろうか。 道路を洗い流すように、ざんざんと音を立てて降り続いている。 この調子では、この後もお客さんなんて来ない。 ただでさえ、普段から客なんか来ないのに。 私がここの店番を引き受けたのは1ヶ月前。 隣の雑居ビルの雀荘でオーナーの男と出会ったのがきっかけだ。 その男は、自宅に置いていた趣味の雑貨や古着の置き場所に困っていた。 きっと奥さんに、捨てろだのどけろだのと厄介者扱いされていたのだろう。 いつも店に来るなり、その愚痴を雀荘のママに「告

      • Rain

        1988年にリリースされた、大江千里さんの「Rain」。 僕がこの楽曲に触れたのはリリースから2〜3年経った頃。 「大好きな渡辺美里さんに楽曲を提供されている方」 そんな出会いだった。 子どもだった僕は、千里さんの紡ぐ言葉が全く理解できなかった。 いや、今でも理解できていないと言った方がいい。 特に冒頭の一節。 僕はあれから30年くらい歌詞の意味を考えているけれど、答えが出ないままだ。 僕の多感な時代は、KANさんと渡辺美里さん、そして千里さんの楽曲と共にあった。 時に勇

        • 麻雀最強戦の春、到来。

          効果絶大な「麻雀最強戦練習会」札幌のハートランドでは、毎週金曜日に「麻雀最強戦練習会」が開かれています。 アマチュア予選のレギュレーションと同じ、1セット3回戦。 本番と同じロケーション、同じシチュエーションで質の高い練習ができて、参加費は最大3回戦で1,500円。 1回戦だけという参加も可能で、個人的には「最強位を目指すならこれ以上の環境はないのでは?」と思う場です。 私が北海道最強位になった2020年には、このような練習会はありませんでした。 あれから丸3年。 練習会の

        マガジン

        • 本当に強かった10人のプロ
          3本

        記事

          どうしても君が好きだ

           50年くらい前の時代の10年という時間と、現代における10年という時間。  流れている時間は同じ。  しかし、物事が変化していくスピードは遥かに現代の方が早い。  だから、私たちが生きている「今」は、人類の歴史上最も密度の濃い時間といえるのだと思う。  今朝、テレビをぼんやりと観ていて、それを端的に示すことに突き当たったので書き留めておきたい。 アイドル 「アイドル」の言葉、本来の意味は「偶像」。  古くは山口百恵やキャンディーズ、ピンクレディなど、市井のファンにとっ

          どうしても君が好きだ

          第32期天翔位決定戦 メンバー紹介

          (これは、Xにポストされていた紹介文を勝手に個人的に見やすくまとめたものです。) (文)日本プロ麻雀連盟東北本部 小栗隆成プロ  東北の魅力あるプロをたくさんの方に知っていただきたい!  そう思い、1月25日(木)13:00から行われる「第32期天翔位決定戦」の出場メンバーを紹介します!  菊田政俊(@kikuta_1202)  32期生 東北本部 天翔位決定戦7年連続 7回目4期獲得  「東北のパーマ」  連盟ファンの方なら一度は聞いたことありますよね。  地方か

          第32期天翔位決定戦 メンバー紹介

          できっこないをやらなくちゃ

          うまくいかないことってありますよね。 思いどおりにならないことも、たくさん。 理不尽に見えることもあるだろうし。 自分の力だけではどうにもならないことありますよ。 真正面からぶつかるのか。 時間が解決してくれるのか。 回り道をして躱すのか。 違う道を探すのか。 なんとかしなくちゃいけないことは、どんなことをしたってなんとかしなくちゃいけない。 人生の岐路に立った時。 または、進退窮まった時。 逃げたくなる自分の心を奮い立たせる存在が必要だと私は思っています。

          できっこないをやらなくちゃ

          験(げん)を担ぐことは非科学的なことか?

          最高位戦の沖中祐也プロが、面白そうな記事を書いていらっしゃいました。 文中、「小林剛の目には入らないように」と冗談っぽく書かれていましたが、要は験を担ぐという行為が非科学的なことなので…ということを示唆されていたのだと思います。 この、「験(げん)を担ぐ」ということ。 本当に非科学的なことなのかどうか? 自分なりに考えをまとめておきたい分野なので、書いておこうと思いました。 言葉の意味から「験」を紐解く「験を担ぐ」という言葉。 意味合いとしては、ある物事に対して、以前

          験(げん)を担ぐことは非科学的なことか?

          幸せな議論

          みんな大好き「速報さん」Mリーグ成績速報(非公式)さん(以下、速報さん)のツイート。 いつも、Mリーグのデータをまとめて、私たちファンに提供してくださっている方。 これまでほとんど休まず速報をしてくださってます。 Mリーグの観戦記を執筆するに当たって、信頼できるデータがあると心強いんですよね。 特に、選手の好不調なんかは、印象とスコアが乖離している場合があるんです。 その時に速報さんのデータを眺めさせてもらうと、それだけでお話の軸が浮かび上がってくることがあります。 幾年

          よければ一緒に

          亡くなったことが発表されたKANさん。 ずっとがんと闘っていて、STVラジオのレギュラーも回数を減らしながら出演されていました。 「愛は勝つ」の窮屈さ「愛は勝つ」 という、日本のポップス界に燦然と輝く金字塔セールスを記録した楽曲が有名ですが、KANさんの作品には「男らしい人」みたいな人物はあまり登場しません。 むしろ、何かにぶつかり、何かに悩み、乗り越えるでもなくやり過ごすでもなく、答えが出ないまま日々を過ごしている市井の人間を描いた作品が多いように私は思います。 私は多

          眠れません。

          今日は日本プロ麻雀連盟北海道本部のプロアマリーグ戦「帝氷戦」の開幕でした。 半年ぶりの対局でしたが、ロングディスタンスの対局は楽しいですね。 結構なマイナスを計上しましたけど、私の雀風ならこんなものでしょう。 いつかデカいのが来ますから。 きっと。 来ますよね? …来るといいなぁ。 来ないかなぁ。 Mリーグ観戦記デビューしました閑話休題。 キンマwebで連載されているMリーグ観戦記。 10月20日に行われたMリーグ第20節 第2試合の模様を書きました。 私の観戦

          夢。

          Mリーグ観戦記の件をXにポストしたところ、ありがたいことにたくさんの反響をいただきました。 この仕事は私がどうしてもやりたかったもの。 だから、出来るだけこの場に注目していただきたいなと思って、事前にお知らせさせていただきました。 予想外の反響をいただいて身が引き締まる思いです。 いや。 それを通り越して、緊張感に押しつぶされそうになっています。 こんな気持ちになっているのは2020年の麻雀最強戦以来ですね。 私は、「麻雀」の熱や素晴らしさを伝え広めることを仕事にしたか

          小樽にあって、札幌に無いもの。昨年、住まいを札幌に移してからしばらく経ちました。 あることをずっと感じていたのですが、今日という日に確信に変わったことがあります。 札幌は、私が生まれ育った小樽とは違って都会です。 改めて書くことではないのですが、札幌には便利な物、楽しいものがたくさんあります。 しかし、一つないものがあります。 「海」です。 私が生まれ育った場所は、窓を開けると遠くに海が見えるところ。 風向きによっては潮風が流れてくることもあったし、体の大きいカモメが

          克己心

          紀元前中国の哲学者、孔子と弟子との問答をまとめた「論語」という書物があります。 その中に、 顔淵問仁、子曰、克己復礼為仁 という一節があります。 弟子の顔淵が孔子先生に、「仁とはなんですか?」と質問しました。 すると孔子は、 「自己の欲望に打ち克って、礼儀を守ることが仁である。」 とおっしゃったそうです。 ちなみに、「仁」とは現代では「思いやりの心」や「いつくしみ」という意味で使われていますが、恐らくそういうことで大差はないのかなと思います。 私は

          麻雀のルールを変えたい

          麻雀のルール。 非常に面白いものでありながら、役自体の複雑さや、難解な得点計算方法などが初心者の障壁となっていると言われて久しいものです。 以前からこの課題を打開しようとする動きはありましたが、最終的には一般化されていません。 何故なのか? その答えは、どうやらこんなところにあるみたいです。 おっしゃるとおり。 世の麻雀を楽しむプレイヤーの多くが、この「どっちでもいい」という考えなのだろうと思います。 ただ、麻雀の普及啓蒙を真剣に考えている人たちが寄ってたかって取り

          麻雀のルールを変えたい

          シンデレラファイトを観て。

          勝負は、ガラスの靴を履くまでわからない。 シンデレラの象徴であるガラスの靴の主を、牌は最後まで決めかねているような決勝戦だった。 内容については、それぞれ紙一重の差だったように見えた。 特に決勝2回戦については、各プレイヤーの勝負リーチがことごとくツモ和了に結びつかなかった。 誰かが抜け出そうとすれば、全員が止めに行く。 技術云々ではなく、全員の気持ちがぶつかり合えばこその現象だったと言えよう。 しかし、勝負は決した。 新榮有理と木下遥の死闘。 ガラスの靴は、選手たち

          シンデレラファイトを観て。