ドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』初回感想

「unmet」とは「未だ対処されていない」という意味(Weblio英和・和英辞書より)らしい。
「アンメット」の意味としては、「英語の形容詞で、満たされていない、達成されていない、果たされていないといった意味を持つ。」(Weblio辞書より)

原作は漫画で、そちらは未読である。ドラマ単体を見ての感想。

主人公は脳外科医であるが事故の後遺症で記憶障害がある、川内ミヤビ(杉咲花さん)。障害は1日経つと記憶がリセットされてしまうというもの。過去二年間の記憶が抜けてしまっているのだ。一年半前の事故から毎日、日記に詳細を残し、翌日の朝にそれを最初から読んで一日を過ごす日々を送っている。脳外科医ではあるが、記憶障害の為、医療行為は出来ず、看護助手として勤務している。

そんな日々を過ごすミヤビの病院にアメリカから帰国した三瓶友治医師(若葉竜也さん)が入職する。
三瓶医師の提案から、検証等があり、ミヤビは脳外科としての技術には問題がない、ということで医療行為を再び始めることに。というのが初回の流れ。

三瓶医師との会話で「強い感情は忘れません。記憶を失っても、その時感じた強い気持ちは残る」、「記憶が無くても、心が憶えている」ということを話す場面がある。ドラマではそれが、ミヤビが患者に対して「寄り添いたい」「何とかしたい」と強く思う心につながっていく。

記憶障害を持つミヤビが、自分が持っている自分自身に対する絶望を抱えながら、脳の障害という同じ過酷な状況を生きる患者にどのように向き合って行くのか。

次回もきっと見ると思う。

人生を諦めないことがドラマを通してのテーマの一つとなるのだろうか。

手術中に緊迫感を誇大させる音楽等が無いのが、好感が持てる。
また、ドラマ全体を通して淡々と進む静かな場面が多く、私にとっては非日常な空間なのだが、日常に延長されているような感覚で見ることが出来る。

◇◇◇◇◇

余談であるが、「強い感情は残る」の言葉、だから何年経っても自分の中の(嫌な)感情が残っているのか、と私自身が変なところで腑に落ちる。当たり前と言えば、当たり前に思っていることだけれど。記憶と心は違う。

「記憶が無くても、心が憶えている」、そうすると記憶とは別の場所に「心」というものを機能をさせる場所があるのか、ドラマとは話が逸れるが違う疑問も出てくる。

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