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上場するデザイン会社は何を売っているか

株式会社グッドパッチが2020年6月に東証マザーズに上場を予定しています。

ただ、多くの方々には「格好良いアプリをデザインする会社が上場する」くらいの認識をされている気がします。そう見えてしまうのも仕方ありませんが、創業当初から何度もお仕事をご一緒し、ここ1年は社員としてプロジェクトに携わっている自分から見た、グッドパッチの価値をあくまで個人的な意見として書いてみます。

結論から言うと、きれいなロゴや使いやすいUIだけを作っているわけではなく、大きな失敗を未然に防ぐサービス開発の手法/ノウハウを提供しているのだと考えています詳しく書いていきます。


比較対象としての従来のサービス開発

従来の製品開発、Webサービス開発の流れをざっくり書いてみます。相当に簡略化していますが、説明のためですのでご容赦ください。

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まず、実現したいビジネス要件/ビジネスモデルがあり、それをシステムの仕様書や要件定義書に落とし込みます。エンジニアやデザイナーはその仕様書にもとづき、プログラムを書いたりUIデザインを行っていきます。

この方法では、ユーザーが見える部分は最後に作られます。そのため実際に1-2年かけてリリースして初めて「そもそもニーズがあるのか」「使いやすいサービスなのか」を本番環境で検証されることになります。

ご想像の通り、新規事業の多くが失敗する理由は、このリリースまでの学びの量の少なさに依ると考えています。


大きく失敗しない、サービス作りの姿勢

では自分たちはどのようにサービス開発を手伝っているか説明します。この1年で複数の案件を担当しましたが、いずれもお話いただいた段階で仕様書はありませんでしたし、ビジネス要件を一緒に作っていくプロジェクトもありました。特徴を書いてみます。

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1.ユーザーが見える部分から作る
今まではサービス開発の最後に作られていたインターフェイスやWebサイトを先に設計します。多くのデザイナーを抱えているデザイン会社の強みでもあり、何も決まっていなくても筋の良いアイデアを提案できる猛者が多数在籍しているからこその価値とも言えます。

2.ユーザー視点を早い段階で取り入れる
プロトタイプを用いてユーザーテストを実施し、ユーザーにとって価値があり、使いやすいサービスかどうかを真っ先に検証していきます。

3.ビジネス要件にもユーザー視点を活かす
ビジネス要件が定まってからお話をいただくことの方が多いですが、ほとんど場合でここに切り込みます。ユーザーインタビューなどの調査を通し、それを欲する人は誰なのか、その顧客課題は本当に存在しているのか、詳しく検証していきます。

いわゆる売上シミュレーションなどを行うのではなく、自分たちも何もわからないという姿勢で、定性、定量双方の情報を集め、パートナーと一緒に学びを得ながら要件を固めていきます。ここの検証のためにプロトタイプを先に作ってしまうこともあります。

4.仕様をまとめ、バトンを渡す
案件によってはフロントエンド開発までを担当します。ただ多くは開発を担当される会社と一緒に仕様の詳細を固め、開発を進めてもらいます。実装過程で見つかる想定外の挙動などにも並走しながら対応していきます。


既存サービスの改善やリニューアルではこの流れに限りませんが、使いやすいUIはほぼこの流れを経て生み出されています。詳しくはコーポレートブログに書かれていますので、興味のある方はぜひご一読ください。


デザイン会社はこれから何を提供するのか

このように自分たちはユーザーからのフィードバックを素早く取り入れ、大きな失敗を未然に防ぐサービス開発の手法/ノウハウを提供しているつもりです。

「リリースしても市場に求められていなかった」
「使いづらく、ユーザーの大半が途中離脱した」

そういった悲劇を防ぎ、パートナー企業もサービスの利用者も、全員が幸せになることを目指しています。

これを実現するには、思い込みに素早く気づき、学びを活かす姿勢が大切です。自分の所属するフルリモートデザインチーム/Goodpatch Anywhereでも、毎日のようにパートナーとZoomで進捗/学びを共有しています。

おそらくこういったサービスの作り方は日本企業の大半には真新しく、すぐに真似できるものでもありません。官公庁や行政が提供するサービス/システムもユーザーからの学びはリリースして初めて得ているものがほとんどに感じます。

今後拡大していくデジタルトランスフォーメーションの流れと共に、上場デザイン会社として貢献できることはたくさんあるはずです。

この変化の早い時代において、素早く学び、改善していく姿勢をあらゆる業界に浸透させていく。この期待を背に、この会社は大きくなっていくんだと勝手に思い込んでいる次第です。

今後の株式会社グッドパッチにご期待ください。

それでは


コーポレートサイトはこちら↓

自分が所属しているフルリモートデザインチームへのお問い合わせはこちら↓







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