宇良こころ

どこかの田舎で細々と綴る人。 想いは言葉にしないと泡のように消えてしまうから。

宇良こころ

どこかの田舎で細々と綴る人。 想いは言葉にしないと泡のように消えてしまうから。

最近の記事

翳りの美学

昨年から読書にハマってしまった私。 やはり、語彙の多い大人はカッコ良い。 私も語彙を増やさなければ。 そう思ったからだ。 様々な本を読むのだが 今日は谷崎潤一郎の陰翳礼讃を読んだ。 谷崎潤一郎作品は過去に 痴人の愛 春琴抄 を読んでいたのだが、 陰翳礼讃を読むと 谷崎の持つ「美しさとは」というものが 手に取るように伝わってきた。 日本の美学。 独特の暗さ、翳り。 その翳りがあるからこそ 深みを増す、器や空間や食材。 私たちは当たり前に明るい空間で過ごしているわけ

    • 大地に溶ける、という妄想

      ここ最近、自分でも想像していなかった 大きな出来事(それもあまりポジティブではない話)が立て続けに起き 文章を書く気にもなれず と言うより、思っている以上に心が静かに壊れていくのを 気づかないふりをしたくてもできなくて 毎日必死に生きている。 大事に作った砂のお城が さらさらと静かに崩壊していく様が 頭の中で何度も再生していく。 心が疲れると 私は陽の光に溶かされてしまいたくなる。 強い陽の光に照らされて、溶かされた私は やがて跡形もなくさらりとした液体となり 大地に深

      • ムーニーマンの瞳

        今日は仕事中に お客様が子供を抱っこしながらご来店された。 生まれてからまだ8ヶ月のそれはそれは可愛らしいお子さんだった。 もともと色素が薄いのだろうか、 透き通るような白い肌と光をまとって金色に光る明るめの髪。 あぁ!ほっぺたぷにぷにしたいぃぃぃ!!! という衝動を無理やり抑えて とりあえず手を振ったり声をかけたりなどしていた。 子供、特にまだ赤ん坊の名残のあるような幼い子は 本当になんでも見透かしてしまうような 濁りのない澄んだ瞳をしている。 今日出会った子も然

        • 絵になる横顔

          私は普段接客業をしているので、毎日いろんな人と顔を合わせる。 先日、若い女性の目元に目がいった。 とてつもなく綺麗にカールされた長いまつ毛。 「とっても綺麗なまつ毛ですね」と言うと 「18歳の頃からまつエクしてるから今更マツエク無しなんて考えられない」と 彼女は笑顔で答えた。 私も先月、久しぶりにまつ毛パーマをした。 私は一重だし、目元をぱっちりさせるにはしっかりビューラーでまつ毛を上げるしかないのだけれど、 朝はバタバタしているのでビューラーに時間がかけられないのだ。

        翳りの美学

          三十路の旅

          全ての事柄にはタイミングというものが存在すると思う。 けれど、そのタイミングは偶然の出会いなのだろうか? はたまた必然の巡り合わせなのだろうか? 私は後者の考えに近い。 この世の事象は偶然ではなく必然でできている。 そんなことをグルグル頭の中で考えながら 私は本日めでたく30歳になった。 昨日までは、あぁ、20代が終わってしまう!! てぇへんだぁ、てぇへんだぁ!!! みたいなテンションだったのに 今朝目覚めたら あ。意外とこんなもんか、30歳。普通だな。変わんないわ。