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子宮頸部異形成に漢方の選択肢

当店の多い相談の一つに子宮頸部異形成があります

私が漢方相談薬局をやっていて日々病気や症状の相談が持ち込まれる中で、近年非常に相談件数が増加しているものの中に子宮頸部異形成があります。

子宮頸部異形成は子宮頸がんの前段階で、がんとはいえないが、がんに進行する可能性があるものという状態です。
以前は40~50代がメインだった子宮頸がんですが、最近は20代後半から増加し30代後半にかけてピークになっております。
そのため前段階である子宮頸部異形成も若い世代の20~30代も急増していると言われています。
 

軽度異形成や中度異形成の場合は自然治癒が多い


ヒトパピローマウイルス(HPV)の長期感染により子宮の入り口である子宮頸部の細胞が変異を起こした状態を子宮頸部異形成と言います。HPVに感染しても90%の人は自分の免疫でウイルスを排除されますが、10%の方で感染が持続し異形成となります。
子宮頸部が、子宮頸がんに至るまでには、

【軽度異形成→中度異形成→高度異形成・上皮内がん→子宮頸がん】

と進行していくイメージです。ですので異形成の状態は、いわゆる悪性新生物(がん)ではありません。

子宮頸部異形成は確かに子宮頸がんの前段階ですが軽度異形成では70%、中度異形成でも50%ほどは自然に治ると考えられています
 

経過観察の不安、「待っている時にやれることはないか」

軽度異形成や中度異形成の場合自然治癒するケースが多いので定期検査で様子を見る経過観察をされている方が圧倒的に多いのですが、とはいえ相談に来られる方が口にするのは

「もし異形成が進行してがん化したらどうしよう」
「手術が怖い」
「がんになって子供が産めなくなったらどうしよう」

という不安です。
待っているだけではなくリスクを減らすために今できる事は何かないかと皆さん口をそろえて言われます。
 

漢方は予防医学、子宮頸部異形成のお悩みに


漢方には「未病(みびょう)」という考え方があります。東洋医学は2000年以上前から目指してきたのが、病気になってからではなく病気にならないようにするのを理想として漢方は発展してきた医療技術です。

病気になる一歩手前の状態を「未病」といって、不調(冷えや元気がない、血流が悪い、むくみetc)の段階や現在でいう不定愁訴(なんだか体調がわるい)の時点で良くしていくことを一番大事にしてきました。

そういう意味では検査数値に異常がある、細胞に異常があるというのも未病に当てはまりますし、まさに子宮頸部異形成も「未病」にあたります。
何度も繰り返しになりますが子宮頸部異形成とは、まだがんではなく、がんになる可能性があり得る状態です。病気が発症してからの対処は西洋医学が得意な部分も大きいですが、ならないように未病の子宮頸部異形成に先手を打てるのは漢方の大きなメリットです。
 

大事なのは免疫力と血流


HPVというウイルス感染が原因になっている事を考えると、やはり免疫力の低下があります。気を補っていく補気剤、血を補う補血剤など、落ちてしまった抵抗力を高めるたくさんの生薬があります。

漢方では気血を補う事によって免疫力を高める事を目指します。
また相談していく中で子宮周りの血流が悪い方も多くいらっしゃいます。生理痛や冷えやPMS(月経前症候群)と言ったものから子宮筋腫や子宮内膜症など婦人科系の疾患をお持ちの方も多いです。

血流障害(瘀血)が深く関わる多い場合は、血流を良くする事も効果的なのでぜひ取り組みたいところです。
大事なのはHPVというウイルスや子宮頸部異形成だけにとらわれるのではなく、「そもそもなぜ感染が持続してしまったのか、異形成が起きたのか」という根本の部分を考える事が重要です。

ウイルスが居づらい環境を整えること自体が、生理痛や婦人科疾患が改善する事もよくあり、それが結果抵抗力、免疫力が高まった状態にもつながっていくと考えております。
 

増えているお悩みなのでもっと選択肢として知って頂けたらと思います

では(^^)

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