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「腐る」という、したたかな希望

凝縮は枯葉舞う秋冬の季節に、沈黙の中で人知れず進んでいる。
比較的温度の高い土の中で、植物は死んだふりをして健気に生命を蓄えている。

植物考/藤原辰史

映画「花腐しをみた。

昨日の夜、「明日は映画に行こう」と決めて、今やっている映画をリサーチ。
この予告が決め手となり、花腐しの席を予約した。

映画もごっこ
同棲もごっこ
お前ら、全部ごっこなんだよ

栩谷くたに(:綾野剛)は優しい人だ。
誰かに対する優しさとは「ごっこ」なのかもしれない。
元も子もないようなことだが、利他的にしたことの全てが利他的になるわけではない。
それは逆も然りな訳で。
優しさとは「ごっこ」で、利他的になるかもわからないもの。
それでも、そんな優しさを持ってしまう人がいる。

優しさを持って生きていることを「ごっこ」と言われたら、腹が立つかもしれない。
でも、僕はそこにも真理があるような気がして、図星を刺されたような気持ちにもなる。
「ごっこ」とは、真似事で、本質的でなくて、空っぽなもの。
そんな自分に気づくこと。
それは、「自分が腐っていると気づくこと」と言えるかもしれない。

最初に、今読んでいる本の言葉を引用した。
この文章を読み、今日映画をみて、「腐るって、したたかなことにもなりうるかもしれない」と思った。
とはいえ、「自分が腐っていると気づくこと」は、衝撃的なことだ。
自分が嫌になるし、もう立ち直れないと思うかもしれない。
でも、植物のように人間も「腐ってしまった自分」を栄養源にすることができるかもしれない、と希望を持ってしまう。

「朽ちてなお、生きていく」

*

Rinfinity~食にたずさわる人の生き方~
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第7弾、名古屋の南インド食堂「チェケレ」の中島憲二さん・中島加珠子さんのインタビューが公開中です!!


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