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ウチの近くの外国人

ウチの近所のコンビニに割と親しくしているスリランカ人の男の子がいる。
彼はいつも明るく気さくに話しかけてくれる。それも驚くほど流暢な日本語で。なのでとても馴染みやすく最初は世間話だったが自然と自国の話や身の上話しまでするようになった。


私も以前貿易会社にいたので少しばかり外国人の適当さを知ってはいたが、彼は珍しく至って真面目そうだった。
その彼も日本に来てもう7年経つという。彼は昔から車が好きで本国でも自動車と言えばやはり日本車が有名でいつか日本で自動車の勉強がしたいと思っていたそう。


そしてやっとの思いで日本の専門学校で自動車整備の勉強でやってきた。
とにかくなんとか日本に来たものの仕送りがある訳でもないので、当然のように働きながら学校に通う日々が続く。
朝9時から夕方18時まで授業を受け、時給が割といい深夜のコンビニで働く。この生活を3年間続けているという。この間自国に帰省するのはビザの関係だけで帰った1回のみ。

ところが就職先が中々見つからないのだという。あえなくコンビニや他の仕事を掛け持ちして何とか暮らしている。
しかも昨年からのコロナの影響でなかなか難しくなっているそうで求人自体も見つかりにくい状態が続いているという。
自国に帰って仕事探すのはどうかと問うたが、そもそもお金がなかなか溜まらないので飛行機代を工面する事が出来ない状況らしい。



最近こうしたコンビニや建設現場や色んな職場で働く外国人はめっきり増えていると思う。
以前は中国人の留学生中心にバイトをしている光景を目にしたが、今彼らは日本人から強かに学び自国でしっかり稼いでいる。
私の友人の中国人も日本で一緒に仕事している時は雑な感じでよく指摘したりしていたが、今自国で何百人を取り仕切る企業家となり成功しているという。
最近ではアジア系の人々が学生としてだけでなく日本に暮らす労働者として見かける事が増えたのではないだろうか?


とりわけスリランカ始め、インドネシアやネパールなどの東南アジア系の労働者はどんどん増えている。
彼らが先の中国人と違うのは日本に憧れを持って来ていること。ジャパニーズドリームを夢見て来ている若者が多いのだ。
何故なら彼らは日本人がJICAなど通じて生活や教育支援をして来た国の出身者なのだ。


ウチの高校生の息子は英語がなかなか難しいという。でも周りも大人たちも英語は学ぶべきと声を揃えるらしい。なので本人も克服しなければと思うがなかなか成績が上がらないと話していた。

ある日私は彼にこんなことを質問してみた。


私「君は将来どこの国で仕事したいと思うんだ?」
息子「ま、分からんけど医療に従事してみたいと思ってるので、日本かなぁ」と言う。
私「だったらそんなに英語頑張らんでもいいよ」と話した。
息子「え?なんで?」「皆んな英語は話せた方がいいって言うけど?」
私「外国人は今から日本で働く様になる。ほとんどはアジア系の人だけど。そうすると彼等は自国である程度日本語学んでから来るのでコミュニケーションはさほど困らないだろうと思うよ」
息子「え?!マジで?!やったー!」
私「あ、勿論海外で働く選択肢があるなら外国語学んだ方がいいけどね」
息子「え、じゃあ、途中で海外で働きたくなったら勉強すれば良い?」
私「勉強?どこで?」
息子「そういう学校」
私「いや、その行きたい国に行きゃいいんや!その方がずっと話すようになる」
息子「でもなんでアジアの人達が日本で働くん?」
私「君の学校は学年何クラスある?」
息子「3クラス」
私「ほら、お父さんの時代、9クラスあったぞ」
息子「え!!?でもそれがなんなん?」
私「お父さんの時代からするとずーっと少子化で君達若者が減ってるの。なのに君達のお爺ちゃんお婆ちゃんはお父さんの時代よりも更に人数が多いの。君達が社会人になってジジババを支えるには足りねぇの」「ちなみに君は将来、子供何人欲しい?」
息子「分からんけど、2人くらい?」
私「じゃやっぱ足りないわ」
息子「え?じゃ何人いるん?」
私「んー、だいたい5〜6人」
息子「いや、無理やわ」「え?って事は日本人では無理?」
私「ま、そうなるわな」
息子「え?って事は外人?に働いてもらう?」
私「そうやな。働いてもらうという言い方はあまり良くないけど、同じ国に住んで生活をする人を増やしてそこで必要な費用を皆んなで賄うっちゅことになるかな。でも外国人って言うても日本語話せる人と話せない人雇うならどっち選ぶ?」
息子「話せる人やろね」「で、アジアの人か!」
私「しかも彼等は日本が培ったものに憧れがあるんやで」
息子「なるほどね」


という会話をした事がある。
その後息子は彼なりに色々調べて考えた結果、「とりあえず英語も頑張る。その方が選択肢が増えるし」という結論に至ったようで克服しようと頑張ったらしい。で次のテストでは少し成績が上がったそうな。

話しは戻るが、

日本人はとかく外国人と触れ合うのが苦手というが、同じ地域で生きる隣人と思って是非とも何か声を掛けてあげて欲しい。
意外と彼らは日本語を話せるし(自国で日本語の授業があるから多少分かる)分からなくても我々日本人と親しくなりたいと思っている。
そして何より意外と日本人より真面目だ。


あと、非常に個人的で政治的な意見だが、今後日本が生き残るには他国の力を借りるというより、受け入れて共存共生しなければこの国の未来は見えないと思う。

【日本の人口ピラミッド2020】


しかもその中心がアジア系(とりわけASEAN諸国)ならこれまでの先進諸国の何倍も人口が多い。しかもそのほとんどは日本と逆ピラミッド型の若い世代が多い、いわゆる生産人口が多いのだ。

【アジア諸国の人口ピラミッド】


一方で米国と同じ分断の道を辿るのではという意見や懸念があることは理解するが、日本という国を成り立たせるには他国との相互理解と寛容で柔軟な姿勢を持たなければならない。


現にウチの子供の保育園にも外国ルーツの子たちがチラホラいる事実がある。我々の子供時代は居ても、ある半島ルーツの子しかいなかったが。
これは年々増えている事実があるが、教育現場ではなかなか難しい事が多いようだ。


そこで大事なのは教育である。今の子供達が社会出ても外国ルーツの人という色眼鏡で見ないようにしなければならない。それは大人の責任だと思う。

教育と言っても何も学校で行うことはほんの僅かでいいと思う。それよりまずは大人同士が今近くのコンビニや現場で働く外国人、もしくは留学生とコミュニケーションを取る勇気を持つ事だと思う。その輪の中に子供がいる事で自然と偏見や先入観はなくなっていくんだと勝手に思っている。

かく言う私もコミュニケーションが上手な人間ではないので、ここは私の大好きなサッカーの試合に冒頭のスリランカ人を誘ってみようと思うのだ。アビスパ福岡が好きで良かった。

ちなみにスリランカの国技のようなスポーツは “クリケット” である。


日本ではほとんど馴染みがないがスリランカの隣の大国インドは本場で、プロリーグもある。しかもトップの選手ともなると20億を超える年俸だそうだ。

そういった観点からするとJリーグはまだまだ発展途上のリーグだと思う。

前から思っているのだが、Jリーグの試合観戦に外国人を見かける事はまあ少ない。いても欧米人くらい。何年も通っていてもアジア系の人は見かけた事はない。

今後のサッカー界はコロナショックをきっかけに欧州リーグのクラブがこぞってアジアのファン獲得を狙ってくるので、パイの争奪戦が本格的になると思う。
Jリーグは一部戦略的に取り組んでいるクラブはあるが、まだまだ序の口だろう。

Jリーグではすでに札幌がタイ国のシェアを取りにいき成功し始めている。タイ国民はJリーグを見始めチャナティップのいる札幌のサポーターがタイにいてTV観戦で熱狂しているらしい。

そしてあのFCバルセロナのファンの7〜8割は実はアジアのファンだそう。
アジアと近い九州のクラブも是非アジアシェアを取りにいってほしい。

とりわけ我が愛するアビスパも乗り遅れて欲しくない。

私のようなサポーターでも、近所に住む外国人を連れてコミュニケーションを取るきっかけにしたいと思う。

そして実際に見てもらって感動を共有できたら、自国に帰って何か影響を与えてくれそうだし、帰らずともSNSなど通じて拡散してくれそうだし。国境を越えて輪が広がってくと楽しいなと思う。

アホの長い文を飽きずに読んでくれてありがとうございます😊

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