【本】「天才」は学校で育たない 汐見俊幸 ①

汐見俊幸さんの『「天才」は学校で育たない』(ポプラ新書,2017)を読みました。悩んでいた僕に、恩師が紹介してくれた本です。章ごとに要約してみることにしました。

■要約
今の学校は、「平均的な能力の底上げ」と、大人から見た「年相応の学び」のために、個別の可能性子育てを封印してきた。そのため、従来のシステムでは、新たな提案をする力を育むには不十分である。

・第1章
近代の学校は、国民として育ってもらうという公的な目的のために運営されてきた。日本の近代化の中で学校が果たした役割は大きいが、歴史的に見て無理が2つあった。

ひとつは、もともと教育は学ぶ人が教える人を選び、お願いして師弟関係を結ぶことで始まる行為であるという性格が担保されていなかったことである。そのため、子ども本人の強い意志がない。

もうひとつは、近代の国家形成を担う公教育が法的に一種類しかないため、社会の多様化に伴うニーズに応えられなくなってきていることである。現代の学校では、それは難しくなってきている。

例えば、「不登校は誰にでも起こり得る」ことにもかかわらず、フリースクールなどが、認められていないと、学校に行くのが「普通」だという暗黙の了解を作ってしまう。フリースクールなどの自分でカリキュラムを作り自学自習で学ぶスタイルで伸びている子も多くおり、学校以上に時代にあった側面もある。

そこで、今後はフリースクールやインターナショナルスクールも含め、多様な学び方を国としても検討する流れができつつある。

学校を1つのタイプに限定するのではなく自主的で質の高い多様な教育こそが、多様化した社会の真の担い手を育てる場になり得る。




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