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オペラ「夏の夜の夢」_2020年10月

オペラ『夏の夜の夢』/ベンジャミン・ブリテンを観ました。
1/25の『ラ•ボエーム』以来、約8.5か月ぶりのオペラ! 待ち遠しかったー! 

『夏の夜の夢』は、シェイクスピアの戯曲が原作。私はラブストーリーが好きじゃないこともあり、ディミートリアス(男性)にしつこくつきまとうヘレナ(女性)に激引き。

「俺につきまとうな。愛していない」
「では、あなたのその磁石を捨てて。その磁石がある限り、どうしても引き寄せられるの」
「うるさい! お前を愛することは一切ない」
「冷たくされるとなお焦がれる。冷たくしてもぶってもいい。犬のように私を飼って」
「俺は森の奥に進む。お前は今すぐ獣に食われろ!」
(ヘレナ、ついていく)

…...って、しつっこーーーーーーい!!
こんなに明確に嫌がってるんだから、いい加減つきまとうのを止めてよ!
そもそも会話もできていないし。

その上ヘレナは被害妄想が凄くて、かつて姉妹の契りを交わした友達だというハーミアちゃんに、根拠のない被害妄想から一方的に言いがかりをつけて、口汚く罵る始末。
普段から思っていないと、とっさにあんな言葉は吐けないと思う……。

一方で、魔法のせいで自分に恋をしたディミートリアスとはシレッと結婚。
ハーミアちゃんに謝るどころか、ラストシーンまで視線さえも合わせない。

私、恋愛至上主義で事実より自分の感情ばかり優先するヘレナが、人として苦手だな。

ディミートリアスに関しては、睡眠中に魔法にかかったがために、あんなに嫌っていたヘレナと一生添い遂げなければならないなんて、幸福な地獄だな……。

もしも、いつかふと魔法が解けて、自分の惨劇を自覚したときのディミートリアスの心中を思うと、恐怖で震える。ヘレナとの間にできた子供にでも囲まれていようものなら……記憶が断片的に蘇ってきたら……この生活が一生続くのだと理解したら……地獄でしょう。

最後は、語り手であるパック(妖精)の長いセリフで幕を下ろすのですが、
あくまでも個人的に、せっかくオペラを観に来たのだからアリアで締めてほしかった。
長ゼリなんて、これではまるで演劇を見に来たようじゃないか……。

と、散々言いましたが、教養高いオペラファンの諸先輩方に聞いたところ、

★長ゼリで締めるのは完全にアリ


★ヘレナは、劇中で感情の起伏が激しかった分歌うのが難しい。ヘレナ役の歌手は才能を存分に発揮できて面白いだろう


★アリアがない構成も、シェイクスピアの戯曲を引き立てるために綿密に計算されていのが伝わる


★ストーリーについては、シェイクスピアなのだから無問題


★「人生はすべてまどろみの中の夢のようなものではないか」というメッセージがある

とのこと。

確かに、音楽は本当に素晴らしかった。
オケが音合わせをした瞬間から胸が高鳴って、幕が開いて歌声が聞こえた瞬間、頭の先から爪先まで鳥肌がとまらなかった。

少年合唱団の清らかな合唱に、涙が溢れた。
カウンターテナーの、コクのある高音は絶品だった。

しみじみオペラが好きだ! と全身から溢れるようだった。

冒頭、散々言ってしまいましたが、パックの長ゼリにあったように、
「お気に召しません場合は、夏の夜の、まどろみに見た夢だと思って忘れてください」

※写真は新国立劇場WEBサイトよりお借りしました

※セリフは記憶だけに頼っています


※もっと勉強して、難しいオペラも聴きこなせるようになりたいです

ききみみ日記】というマガジンを作り、ここ数年のオペラ・クラシック演奏会の感想を毎日UPしています。
FBの投稿を遡りながら、微調整しています。 よろしければお越しいただけますとうれしいです。


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