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CBの技術力の恩恵 22-23ラリーガ第1節 バジャドリード対ビジャレアルより

2022年8月14日に行われたバジャドリード対ビジャレアルの試合から、ボールを持った時のセンターバックの技術について考察する。

Conducciónコンドゥクシオン=運ぶ

ビジャレアルのセンターバックは、パウ・トーレスとアルビオルの2枚看板である。二人ともスペイン人で足元の技術に定評がある。
彼らの技術的な特徴としてコンドゥクシオンが得意ということが挙げられる。
コンドゥクシオンとは、運ぶドリブルともいわれボールを前進させることを目的としたドリブルであり、突破を試みるRegateレガテとは明確に区別されている。

コンドゥクシオンのメリット

・マークマンをつり出せる
ボールを前に運べるということは、相手(=ゴールを守る側)にとって脅威である。下の絵を見てほしい。

赤は画面下→上へ攻める

OF①からOF②にパスを通した場合・・・ⓐ
青いDFの間をOF①が前進した場合・・・ⓑ
どちらが守備する側にとって脅威だろうか?
一般的にはⓑの方が守るのは厄介だろう。ⓐを選択した場合、2枚の青のDFの裏には赤の選手1人、一方のⓑは2枚の青のDFの裏には赤の選手が2人いることになる。

守る側はこのような最悪の事態を防ぐために、プレッシャーをかけて自由に運ばせないようにリアクションすることが必要になる。すなわち、コンドゥクシオンは相手選手を守備組織からはがしてつり出させられる効果がある。

・状況の単純化
前述した効果の付帯効果ともいえるが、マークマンをつり出すことで、相手の守備組織の人数を減らすことができる。
単に相手の守備組織の枚数を減らすことができるというメリットもあるのだが、ほかにも、前線の状況が単純になることもメリットのひとつだろう。

前線の状況が単純になるとはつまり、試合中に何度も、同じような陣形やマッチアップ、それに基づく攻守の展開がなされるようになる戦況だ。
このような状況が生まれれば、自分たちの得意なパターンを押し付けて攻撃の組み立てを考えられる。

まとめ

現代フットボールにおいてCBがその足元の技術においてチームに貢献できるところは大きい。パスは相手を「引き付けて出す」、この原則を肝に銘じたうえでプレーや指導をしてみてほしい。

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