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ピノコちゃん(2005年06月21日)


2005年06月21日 記

 そうそう。そういえば先週の「世界まる見え!テレビ特捜部」で「胎児内胎児」というのが紹介されていた。その名の通り、胎児のお腹の中に、別の胎児が入っているという症例。もともとは双子になるはずだった受精卵がなんらかの要因で片方を飲み込んでしまい、一方のお腹に入り込んでしまうというわけである。成長に合わせて、お腹の中の胎児も大きくなるらしく、取材されていた少年のお腹は妊娠してるみたいにぽっこりと膨らんでいた。しかし、いずれ少年の体に悪影響を及ぼすことは明らかで、その胎児を取り除く手術が行われる。番組はその様子を映し出していたわけであるが、取り出された胎児(のようなもの)のインパクトは強烈だった。

 とくにウチの子には衝撃的だったらしく、食い入るように画面を凝視していた。ぱっと見には、毛玉の塊のように見えるが、よくよく見ると、押しつぶされた手足などがはっきりと見える。そりゃ8歳児の理解を超えてるよな~――などと考えていたら、そういえば……と思い出した。「まる見え」の前に放送されている「ブラック・ジャック」。あれに登場するピノコちゃんはまさに「胎児内胎児」ではないか! ウチの子にそう教えてあげると、びっくりしていた。アニメではピノコの出生については触れられていないので当然といえば当然。

 監督である手塚眞氏のブログによると、アニメ版「ブラック・ジャック」についてはいろいろと制約があるらしい。対象年齢をかなり下に設定しているからである。主にテレビ局側の意向らしいのであるが。まず漫画に登場するようなリアルな手術シーンは出てこない。患部のアップとか。そりゃたしかに月曜のご飯時に生々しい術式の様子は見たくない。ま、妥当な判断である。ただ一番の制約として「誰も殺さない」というのもあるらしく、これが監督の頭痛の種のようである。原作ではけっこう人が死んでるわけであるが、アニメ版では100%完治。誰も死なない。孤島の女医さんも、シャチも死ななかった。

 そんなわけで、ピノコの出生に関しては、うやむやになっている次第。たしかに一番インパクトあるからなぁ。ゴールデンタイムには不可能か?――というわけで我が家では、原作本を引っ張り出してきて、説明することに。残念ながらピノコ初登場の第2巻(だっけ?)は紛失してしまったので、それらしきシーンのあるコマを見せてあげた。そしたらすんごい驚いてたよ。そりゃそうだ。父ちゃんも子供の頃に読んで、たまげたもの。アニメ版のストーリーが原作と異なることに関しては賛否両論あるみたいだけど、個人的にはアニメ版のライトな感じも好きである。こうやって親子の会話のきっかけにもなるし。なにより自分が子供の頃に感動した漫画を、わが子も熱心に見てくれてることが嬉しい。親バカだけどね。

2024年02月18日 追記

 当時は「世界まる見え!」放送前の時間帯はアニメ枠だった。これはちょうど『ブラック・ジャック』がアニメ化されてたときの日記。漫画版の第二巻を紛失したと書いてるけど、後日、無事に発掘した。ピノコ誕生の話は、今読んでもなかなかに衝撃的な内容。『ブラック・ジャック』が不朽の名作であることは間違いない。最近はAI版で新作が発表されたりと、いまだに話題となっているのは、ほんとうにすごい。

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