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夫婦善哉(2005年07月20日)

2005年07月20日 記

 うちの夫婦は仲が悪い。ひとっところにいても、たいがいそっぽを向き合ってる。お互いのからだが近づこうものなら、ものすごぉい勢いで、喧嘩になる。押し合う、つっかかる、跳ね飛ばす……挙げくの果てにそこらじゅうで追いかけ回る。「あっち行けっ!バカやろうっ!」ってなもんである。もうなんでもアリだ。当然のことながら食事どきの会話などいっさいない。目先の食い物に、一心不乱にかぶりつくばかりである。相手のことなどおかまいなし。自分がよければすべてオッケー。

 だいたい体格差がものすごいわけである。下手すると二倍ぐらい違う。典型的な蚤の夫婦だ。だから喧嘩するとはいえ、勝敗はすでに明らかなのである。それでもやたらつっかかるのはどういうわけかという疑問もあろうが、こればっかりはよく分からない。そんなわけで、もちろんどこかへ仲良く出掛けるなんてこともしない。行けるわけもない。始終、ひとっところで睨み合っている。まったくおかしな夫婦だ。

 ところが……、である。朝目覚めてみると驚いた。赤ちゃんが生まれていたのだ! しかも7つ子。最初に気づいたのは子どもで、母親に知れてはたいへんと(なにせ母親は、生まれたての赤ちゃんを食っちゃうのだ)、そそくさと彼女から赤ちゃんを引き離していた。まったく出来た長子である。おかげで赤ちゃん達は、すくすくと元気に育っている。よかったよかった。かといって夫婦仲は依然、悪いままだ。赤ちゃんまで夫婦喧嘩のとばっちりを受けてしまっては、あまりに不憫極まりない。悲しい話である……って、これすべて、我が家で飼ってる熱帯魚(ブラックモーリー)のお話である。仲良くできんのかね~、まったく。

2024年03月27日 付記

 そうそう。ブラックモーリー、飼っていた。まったく忘れていたけれど、こうしたことを思い出させてくれるのが、日記を残すことの利点。ほんとうに、仲が悪かった。


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