飾磨

巻: 第15巻
歌番号: 3605番歌
作者: 作者不詳
題詞: (當所誦詠古歌)
原文: 和多都美乃 宇美尓伊弖多流 思可麻河<泊> 多延無日尓許曽 安我故非夜麻米
訓読: わたつみの海に出でたる飾磨川絶えむ日にこそ我が恋やまめ

飾磨(しかま)は、姫路市南部の飾磨区の各町からなる広大な地区。
現在、万葉集に現れた「飾磨川」という川は無く改名されている。

古来より続く「飾磨郡」は姫路一帯のかなり広い地域を占めていた。
この地名があらわれたのはかなり古く、『播磨国風土記』にも「飾磨郡」の名が見える。

地名の由来は「鹿が居て啼いたため」とされている。

兵庫県立飾磨工業高校 同窓会「鹿津会」の由来
昔、摂津~印南野(いなみの)に住む鹿が和歌などで「夢野の鹿」と詠まれていた。
そ の夢野で仁徳天皇が狩をされた時、夫婦の鹿が逃げのび、二ヶ所に別れて住みつき、海を泳ぎ家島諸島東部に牡鹿が住みついた処を男鹿島(たんがじま)、飾磨の東方に牝鹿が住みついた処を妻鹿 (めが)といい、海中の州(しま)を行き来したという。
本校のある飾磨は、この男鹿島と妻鹿の間にあたるところから、「鹿間津」といわれるようになった。津は港の意味。
以上のことが江戸中期の「播磨鑑」にかかれており、同窓会もそれに因んで「鹿津会」という。

妻鹿のお旅山麓にある姫路市立飾磨高等学校 同窓会「鹿陵会」も同様の由来。

飾磨は姫路市南部における中心地的役割を持つ地域。
鹿間、飾磨津、飾磨郡、飾磨県、飾磨町、飾磨市、飾磨区といった歴史上の名前を持つ。
県庁所在地で有った時代も有る。

飾磨の臨海部

臨海部に山陽特殊製鋼などの大規模工場が並び、播磨臨海工業地帯の有力な工業地帯だった。

播磨灘に面する姫路港(飾磨港)は小豆島や家島諸島への連絡口であり、特定重要港湾に指定されている。高速船やフェリーが運航されている。
大型客船や海自の護衛艦が入港したことも有る。

生野銀山から飾磨津まで日本初の高速産業道路「銀の馬車道」が明治初期に作られました。また、その北部には鉱石の道も作られました。
金・銀・銅など、明治新政府を支えたといわれます。

銀の馬車道

万葉集に現れる飾磨川は、現在では船場川と呼ばれています。
船場川(旧・飾磨川)と市川
船場川は播磨平野西部、姫路市の市街地から南部の飾磨へかけ、概ね南流する。
姫路市保城の飾磨井堰で市川から分かれ、市川のやや西側を南西流。
北には増位山や広峰山が聳える。
姫路市街に入ると姫路城中濠と並行していて、一部で濠に水を灌ぐ。
船場川には姫路モノレール廃線跡が所々に残る。
関西有数のショッピングセンターであるイオンモール姫路リバーシティーの近くを流れる。
イオンモール南側にある菅原道真伝説で知られる「思案橋」以南は工業地帯を流れ、播磨灘へ注ぐ。

古代には市川の本流であったと言われ、当時は現在の市川流路が支流だったとされる。
市川上流からの土砂堆積により、流路を幾度か変えてきた。

江戸時代の姫路藩へ藩主として入った池田輝政は1601年(慶長6年)
姫路城の本格築城に加え、市川を現在の流路に近づけ本流化するなどの河川改修にも着手し、旧本流の船場川も併せて改修した。
これは水運や流域の灌漑のみならず、船場川流路を姫路城の防禦にも活用しようとする巧みなもので、現在船場川が一部で濠に沿っているのもこのためである。
船場川はこの頃、妹背川または三和川と呼ばれていた。古くは飾磨川。

1617年(元和3年)、池田光政に代わって姫路藩に入った本多忠政は、姫路城から飾磨津(現在の姫路港)まで4kmの間に船による川運を計画。
河川名もこの折に船場川と改められた。

飾磨津について詳しくは
飾磨津web歴史館 – 特定非営利活動法人 飾磨津歴史コミュニティ (shikamatsu.main.jp)

菅原道真と思案橋
道真は非常に頭が良く出世したが、頭の悪い者共に疎まれ謀略により左遷される。
太宰府に左遷される旅の途中、船場川の河口付近に上陸、小休止をされてこの先は陸路で行くか海路で行くか思案された場所に掛かった橋という事で思案橋という名になったという伝説。

恵美酒宮天満神社
浜の宮天満宮
津田天満神社
英賀神社
中島天満宮

史跡
固寧倉(妻鹿、白浜に残る)飢饉から村人を守った米倉。
黒田家の城跡(妻鹿)姫路城を秀吉に譲った後に移り住んだ。
黒田職隆廟所 黒田官兵衛孝高の父、妻鹿の城主。

秀吉の軍師・官兵衛は戦が多く、姫路城や妻鹿の居城にのんびり出来た日は殆どなかったと思われる。
織田信長と会うまでの旧主君小寺氏の城・御着城にはながくいたようです。

江戸時代には如水の家臣から24人の精鋭が選出され、黒田二十四騎と呼ばれた。この24人の中の親族や譜代重臣の黒田利高、栗山利安、井上之房、後藤基次や母里友信など8人が、黒田八虎とされた。

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