ひりつきで動作するみぎ手なんだから、おしまい、私はもう、おしまい。これから先ならあとかたもなくなることのみに専念して、専念してるうちにあとかたもなくなればいいわけ。赤ん坊抱いたひとがこちら、凝視してるのに気づいて、いよいよ居たたまれなくなる。
あの足指はいまだあの足指だったが、あれがほんとうに私のだったかを思い出せない。