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『ぼくは川のように話す』    ジョーダン・スコット 文   シドニー・スミス 絵     原田 勝 訳        偕成社


この本は、ある絵本屋さんがオススメの絵本として雑誌に掲載されていた一冊です。

水しぶきと男の子の微笑みに惹かれて、読んでみたいな。と思って、図書館でリクエストをしました。

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昨日、ある方と話していて、その方のお知り合いは、まず、最初は文字を読まずに、絵だけを見ていく、そして、自分の中でのストーリーを作ってみる。

それから、また文書を読みながら絵本を読んでいく。という、そんなことを話しておられました、

自分だけのストーリーを作ると、またどんなものになるんでしょう。

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男の子は、言葉がうまく滑らかにでてこない、“”吃音“”と言われることで、毎日が少しおっくうになるような、そんな雰囲気がこの絵から、見て感じ取れました。

学校にいって、授業で発表したら、みんなの顔が一斉にむく、友達からも、話し方が何でスムーズじゃないのか、聞かれる。

そんなことが、男の子に影を落としているようなそんな風にわたしは感じました。

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男の子は、こう言っています。

“”口の中が、松の木が生えているみたいなんだ。喉の奥で鳴いている、カラスの声。朝から、色んな言葉が、口の中でつっかえたままなこと。“”

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そんな時、お父さんが川に一緒に行こう、と男の子を誘います。

一緒に歩く川辺。水の流れ、水しぶき、渦巻く水、、、

“”ほら、川の水を見てみろ。あれが、お前の話し方だ。“”

“”お前は、川のように話しているんだ“”

一番の味方。寄り添うことができる家族。

お父さんは、咎めもせず、頑張れ!とも励ますこともなく、ただ、ありのままの姿を、唯一無二、どれも一緒ではない、そんな自然を前に、男の子という存在を認めている。

あの人のように、なりなさい。

滑らかに話せるように、訓練したら?

そんなアドバイスと言われるものは、時にその人の存在を在るものとして受け止めてあげないことになります。

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男の子は、“”僕は僕で良いんだ。“”

と、吃音と共に生きていくことを、川の流れを見るたびに心に刻んでいきます。

次の授業の発表の時は、どもっても、何度も同じ言葉を使っても、

“”川のように話せば良いんだ。“”

と思い、学校に向かいます。


心が一歩前に進むって、こんなことなんでしょうね。

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私たち一人一人違うこと、それが、色とりどりの世界を作っているし、それを、知ることが、またあなたの世界を広げていくのだと思います。

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