「ゆらぎ」を人生に取り入れたい

読んだ。

認知科学者の鈴木宏昭氏が、人間の学習に関する一般的な誤解や迷信を解き明かす一冊だ。本書では、知識やひらめき、思考力や練習といった学習における重要な要素が、どのようにして創発的に変化していくのかを、科学的な根拠と具体的な事例をもとに説明している。

本書を読んで興味深いと思ったのは、人がスキル習得や問題解決を行う際に「ゆらぎ」が重要であるという話である。人は無意識のうちに様々な方法や考え方を試していく。新しい方法だと上手く行かなくなることもあるが、少しずつ最適化が進み、環境と噛み合った時に創発される。ひらめきや何かが急にできるようになるというのは、このような水面下での試行錯誤が表にでてきたものらしい。

このように次の段階に移るために「ゆらぎ」が重要という話は、最近ネタにした『Dark Horse』にも通じる物がある。また、進化のメカニズムも変異という「ゆらぎ」があることで生じると言える。他にも似たようなことを主張する本は色々と読んだ記憶がある。

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