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家事代行の「頼み方」

家事代行や家政婦といえば、いままでは一部のセレブのみが使うことを許される特殊なサービスでした。しかし今ではごく普通の一般家庭の方々でも家事代行をご依頼くださっています。
ですが、「頼み方が分からない」「何を準備しておくべきか?」などの声もよく聞かれますので、そういう方のために、現場で作業する立場から「家事代行の頼み方」をお伝えしたいと思います。

■一度きりの利用の場合

多いのは、「年末の大掃除だけ」依頼するとか、遠方に住んでいる子ども達が帰省するときにだけ利用するいう、スポット利用
たいていの方が凄く申し訳なさそうに「家事代行をお願いするのは初めてなんですが…」「何をどうしたらいいですか?」とお尋ねになります。

ぶっちゃけ「特に何もいりません」「いつも通りのままでお迎えいただければ助かります」とお伝えします。
「いやいや、そうはいってもある程度片づけとかないとダメでしょ!」と皆さんすごく意気込まれるようなのですが、そもそもある程度片づけるってことができないからご依頼を検討なさったわけで。
しかも「ある程度の片付け」が終わらない限り、家事代行を頼めないと思ってらっしゃるから、結局全然依頼することができない。

ですので、ほんっとーに! ありのままの空間でお迎えいただいたらいいですよ!
気になる場合はご依頼先に「何か準備しておくことはありますか?」とお尋ねいただければと思います。おそらく「何もしなくていい」と言われると思いますが…。(あ、車でお伺いする業者が多いと思いますので駐車場のご準備をしてもらえると一番嬉しいかも…)

■「お試し」くらいの感覚で十分です

家事代行、ハウスクリーニングのマッチングアプリも増えており、顧客の側からすれば選択肢がとても増えています。口コミを参考に選ばれていると思いますが、口コミが良くても自分とは相性が悪い場合などもありますし、「お試し」くらいの感覚で気軽に頼んでみてはいかがでしょうか。
最初に試した業者さんと相性が合わなければ次のところを依頼してみる。それが簡単にできる世の中になっております。

■優先順位を考えておいてください

「何を頼んだらいいのか分からないから、とにかく家の中を全部掃除してほしい!」と言う方もいらっしゃいます。ですが、多くの場合、家事代行業と言うのは時間単位での依頼となります。
2時間しかご依頼にならなかったのに、「家の中も外も全部!」と言われると、なかなか辛い時があります。
ですので、優先順位だけは作っておいていただけると助かります。

「まず、子供たちが帰省するので必ずお風呂だけはきれいにしてください。次にキッチンを。その二つだけは必須です。もしそれでも時間が余ればトイレと和室と廊下をお願いします。キッチンは特にコンロの汚れが気になっています。ゴミはこの辺にまとめて置いてください」

みたいな感じです。言葉で伝えるのが難しかったら箇条書きにしてもらってても十分です。
何度も続けている(定期利用)うちに追加が出てくれば、その都度またお伝えください。もちろんこちらからも「これはどうしますか?」とお尋ねすることもあります。

■「やってほしくないこと」を伝える

家事代行業者は件数をこなしているので平均的に喜ばれる家事の方法を心得ていますが、エスパーではないので分からないこともあります。
中でも、遠慮なく言っておいてほしいのが「やってほしくないこと」です。

「この部屋は主人の仕事部屋なので入らないでください」
「猫がいるので臭いのキツイ洗剤は使わないでください」
「これは古びて見えますが思い出の品なので捨てないでください」など。

良かれと思ってやった作業のせいでお互い嫌な気持ちにならないように、遠慮なくお伝えください。

■最初から100%を求めないで頂けると助かります

この場合の100%とは、作業に関することではなく、意思疎通やコミュニケーションのことです。
やれと言われた作業は100%できると思うのですが、
「作業の合間には世間話もしてくれる愛想のいいスタッフがいい」と言う人もいれば、「作業中は無駄口を挟まず仕事に専念してくれる人がいい」と言うお客様もいらっしゃいます。
私の場合は世間話を差し入れた方が喜ばれるお客様が多いのですが、中には「作業の打ち合わせはメールのみ、お支払いの時に会話を交わすだけ」と言うお客様も。ましてやご新規のお客様というのはどういう人なのか分からないため、もしかしたら不愛想に見えたりするのかも…? と、そんなことで気をもんでいます(苦笑)
お互いにどんな性格でどんな人なのかを把握するまで、ちょっと時間がかかります。その辺は気長に見ていただければ助かります。

■感想を伝えていただけるとありがたいです

これは「口コミの数で今後の仕事量が決まるから」と言うわけではなく。
「やってほしくないこと」と同じように、「何をしたらこのお客様は喜ぶのか」を知っておくと、今後の業務が円滑になるからです。
決して安くはない料金をお支払いいただいていることもあり、できる限りお客様のご希望に沿った作業をしたいと考えていますが、「ここが嬉しかった!」みたいなのをお寄せいただけると、「あ、この作業は無駄じゃなかったんだな」と思えます。

以前、良かれと思ってお風呂掃除をしておいた家があったんですが、「時間が余ったのならお風呂じゃなくて主人の寝室を掃除してください」と書置きがあった、ということがあります。
これ、あまり要望を口にしない日本人には言いづらかっただろうなと思うんですが、「やってほしくない」ほどではないけど、「できるならこっちを先に」というのも感想としてお伝えいただけるとお互いにとってプラスです。

■とはいえ、やっぱり片付いてるキレイなお家の方がいいんでしょう?

これに関しては昔スタッフ同士で話したことがあるんですが、「汚い(散らかってる)家の方が、ビフォー&アフターがくっきりわかるからやりがいがあるし楽しい」と言う意見で一致しました。そういうことですよ、みなさん! 私も、家をきれいにして差し上げて、最後にご確認いただいたときに、お客様が「うわー! きれいになってる!」と驚く顔を見るのが大好きです。

あと、申し訳ないですが、適当に片付けられてるお家は、100発100中わかります。押入れに押し込んだだけだな、とか、隣の部屋に避難させてるな、とか。なので、安心してありのままをお見せください。見慣れてるので特に何とも思いませんw

ついでに言うと、キレイなおうちからのご依頼は、正直すごく緊張しますね。だって、どこをどうキレイにしたらご満足いただけるのか分からないので…(滝汗)。もちろんご満足いただける仕上がりにはしているつもりですが!

■家事代行業者もしょせん人間ですから

長い時間を同じ空間で過ごす家事代行業者なので、変に気を遣ってしまうかもしれませんが、しょせんあなたと一緒の人間です。相性が合う合わないもご縁です。家族同然に楽に付き合える関係を築くまで長く依頼し続けるのも手ですし、毎回違う業者に頼んでみるのも一興です。
ですが、うまく使えば本当に役に立つ(らしい)です! 少なくとも私のお客様方はそう仰いますので…。
いい人と巡り会えることをお祈り申し上げます。

もしサポートのご意思があるなら、お気持ちだけで。別の困っている方へ直接ご寄付ください。私と私の家族は元気なのでnote経由のサポートの必要はありません(*'ω'*)